- 「UIって見た目の話でしょ?」…いや、それだけじゃない!
- 現場で体感した「UIアーキテクト」という仕事のリアル
- WPFのその先へ──“UIアーキテクト”が活躍できるフィールドは広がっている
- “WPFの経験”を武器に、UIアーキテクトとして世界へ踏み出そう
「UIって見た目の話でしょ?」…いや、それだけじゃない!
少し前まで、僕も正直思ってました。
「UIの設計?うーん、それってデザイナーさんの仕事じゃないの?」
コードで機能を作るのがエンジニアで、
画面の見た目を作るのはデザイナー。
そんな“役割分担”が当たり前だと思ってたんですよね。
でも、WPFの世界で「UIをコードで組む」ことを経験してから、僕の考え方はガラリと変わりました。
なぜなら、**“UIは、見た目以上に構造で決まる”**から。
どこに何があるのか、どう配置されるのか。
その構造がしっかりしていないと、どんなにきれいなデザインでも、現場では全然“使えない”UIになる。
WPFが教えてくれた「UI設計=ロジック設計」だった話
WPFを触っていて、最初に驚いたのはXAMLの設計の深さ。
Gridの使い方ひとつ取っても、
- 単純な表レイアウトから
- レスポンシブなサイズ調整
- コントロールの再利用
- リソースバインディングで動的なUI構成
…と、めちゃくちゃ奥が深い。
特に、MVVMパターンを本格的にやり始めた頃に痛感したのが、
「UIを設計するって、アーキテクチャを設計することとほぼ同じじゃん!」
ってこと。
- ViewModelでどうロジックを整理するか
- Bindingをどう構造化するか
- TemplateやStyleをどう分けるか
- カスタムコントロールをどこまで抽象化するか
これ全部、“設計力”が問われるんです。
つまり、「見た目を作る作業」ではなく、「情報と動作のインターフェースを論理的に組む仕事」。
このとき初めて、僕の中で「UIを作れる=価値のあるスキル」だと腑に落ちました。
“フロントエンド”と“アーキテクト”は別物?
世の中には、フロントエンドエンジニアという職種がありますよね。ReactやVue、Flutterなどを使って、WebやモバイルのUIを作る人たち。
でも、ここで僕が言いたいのはちょっと違います。
僕が目指したのは、“UIアーキテクト”という、全体設計までできる役割。
「見た目を作る」じゃなくて、
「情報と操作の流れ全体を設計する」役割。
たとえばこんな仕事が含まれます:
- 複数画面でUIルールを共通化(テンプレート化・スタイル化)
- UXの一貫性を保つためのコンポーネント設計
- バインディングや状態管理の最適化(例:INotifyPropertyChangedの設計)
- 非エンジニアとの共通言語としてUI仕様書を作る
つまり、“見える部分”を作るのではなく、“見える部分の意味”を設計するんです。
「UIに責任を持てる人がいない」と言われた現場で
あるアメリカのプロジェクトに関わったとき、PMがこう言ってたのを今でも覚えています。
「UIって、誰が責任持ってるか分からなくなるんだよね。デザイナーと開発の板挟みになるし、最終的に妥協案ばかりになる。」
そこで僕が提案したのが、“UIアーキテクト”的な立場での関与。
「UIをどう作るか」だけじゃなく、「UIが果たすべき役割や、全体設計の整合性」にまで踏み込むこと。
そして驚いたのが、その提案がものすごく歓迎されたこと。
なぜなら、PMもエンジニアも、デザイナーも、それぞれUIに不満や課題を持っていたけど、誰も“全体を設計して調整する人”がいなかったんです。
まさに、そこにUIアーキテクトという“新しい役割”のニーズがあった。
UIアーキテクトというキャリアパスは、“WPF育ち”が強い
いま、Web界隈では「フロントエンド偏重」が進みすぎて、逆に「全体UIを設計できる人」が不足していると言われています。
一方、WPFエンジニアは、
- 状態管理(INotifyPropertyChangedなど)
- データバインディングと非同期処理(Task+Binding)
- UIテンプレートの設計と再利用性の追求
- 業務ドメインとのつながりを意識した画面構成
…と、「UIとアーキテクチャの間」にある設計力を鍛えられてきた人たち。
まさに、UIアーキテクトの基礎体力が身についているんです。
これを活かさない手はありません。
現場で体感した「UIアーキテクト」という仕事のリアル
「UIがバラバラで使いにくい」と言われた日から
アメリカで参画したある製造業のWPFプロジェクト。
画面はWPFで作られていて、一見するとちゃんと動いているように見える。
でも、エンドユーザーである現場スタッフからは不満の声が続出していました。
「同じ操作なのに、画面によってボタンの場所が違う」
「使い方を覚えるのが毎回苦痛」
「このアプリ、わかってる人しか使えないよね」
最初は「それってUIの問題?」くらいにしか思っていなかった僕ですが、調査を進めていくうちに、次のような“UI設計崩壊あるある”が見えてきました。
「誰もUI全体を見てない」問題
- 各画面が別々の開発者によって独立して作られていた
- テンプレートやスタイルは画面ごとにバラバラ
- ボタンの配置、色、サイズ、テキストも統一感ゼロ
- 開発スピード優先でUIの再利用は後回し
まさに、「機能はあるけど体験がない」アプリになっていたんです。
この状況をなんとかするには、“誰かがUI全体に責任を持つ”必要がありました。
その役を、僕が買って出ました。
ここから始まったのが、**WPFの知識を活かした“UIアーキテクト的アプローチ”**でした。
「再設計」ではなく、「再構築でもなく」、「再編成」
最初にやったのは、全画面を並べて使い勝手の違いを可視化すること。
UIレビュー会を週1で開催し、「この画面のラベルは左寄せなのに、別の画面では中央」などの差異を洗い出していきました。
そして、以下のようなUIルールを定義:
- 操作系の一貫性:OK/Cancelのボタン配置を統一(常に右下)
- データの強調表示:業務で重要な項目には明確な配色ルール(例:赤はアラートのみ)
- サイズ・マージン:すべての画面で共通のユニットスケールを導入(グリッド基準で設計)
- テンプレートの再利用:カスタムUserControl化し、各画面に差し込むスタイルに変更
このとき大活躍したのが、WPFのリソース(ResourceDictionary)とDataTemplateの知識でした。
「開発効率」が上がる設計とは
当初、UI統一の話をすると開発者からはこんな反応もありました。
「そんなのデザイナーの仕事でしょ」
「今のコード、動いてるんだから変えたくないよ」
でも、テンプレートを整備して画面構築の共通パターンを用意したら、みんな手のひら返し(笑)。
「このテンプレート便利だね」
「画面追加がめっちゃ早くなった」
「レビューもしやすい!」
そう、UI設計って見た目だけじゃなくて、開発効率や保守性にも直結するんです。
「UIアーキテクトは、チーム全体の橋渡し役」だと気づいた
ある日、プロダクトオーナーにこう言われました。
「デザイナーが作ったFigmaと、エンジニアが出してくる画面、なんでこんなに違うの?」
「誰か“その間”をちゃんとつないでくれる人が必要なんだよね」
そのときはっとしました。
UIアーキテクトって、技術的な視点だけじゃなくて、“翻訳者”みたいな立場でもあるんだなって。
- デザイナーのビジョンをコードに落とす
- エンジニアの制限をデザイン側にフィードバックする
- エンドユーザーの行動を分析して、仕様に落とし込む
まさに、技術×設計×体験をつなぐ立場。
これは、単に“WPFのスキルがある”だけではなく、“UIに責任を持てる視点がある”からできることでした。
WPFが僕にくれた“見えない設計力”
UIアーキテクトなんて言葉、正直最初は意識してなかったんです。
でも、WPFで長年やってきたことを思い返してみると、それってまさに:
- 表示とロジックの分離(MVVM)
- 一貫性あるデザイン設計(Style / Template)
- 複雑な状態遷移の管理(Command / State)
- 可読性と保守性を意識した画面構成
…全部、“UIアーキテクト”として必要なスキルだったんです。
つまり、WPFエンジニアの延長線上に、UIアーキテクトというキャリアがある。
これに気づいた瞬間、「WPFは終わった技術じゃない。むしろ進化のスタート地点だ」と確信しました。
WPFのその先へ──“UIアーキテクト”が活躍できるフィールドは広がっている
「UIの価値」はプラットフォームを越える
ここまで、「UIアーキテクト」という役割が、WPFの設計力を起点に生まれるという話をしてきました。でも実は、それはWPFの中だけにとどまらない話なんです。
あるとき、他のチームで**MAUI(.NET Multi-platform App UI)**を使ったスマホアプリ開発のプロジェクトにアサインされました。
当然、「WPFじゃないし、コードベースもC#だけど違う構造だし…」と、最初は不安だらけ。
でも、始めてみてすぐに気づきました。
「あれ?WPFで学んだ設計思想、そのまま通用するぞ?」
UIアーキテクトの視点は、MAUIにもBlazorにも通用した
たとえば、MAUIでも使われるXAMLのUI構築。
「StackLayoutで画面を組む」と言われても、WPFでGridとStackPanelを駆使してきた僕にとっては、**「ああ、あれの進化版ね」**という感覚。
MVVMパターンも、CommandやBindingの概念はWPFからの延長。
違うのは、**「どこに配置して、どこでイベントを拾うか」じゃなくて、「何をどう伝えるか、どう見せるか」**なんですよね。
さらに言えば、WebベースのBlazorアプリでも同じことが言える。
- 状態管理(StateContainerやFluxパターン)
- コンポーネント設計(再利用と責務の分離)
- ユーザーの操作に対するレスポンスの一貫性
こうしたUIの設計思想って、実は“技術”じゃなくて“考え方”なんです。
だからこそ、WPFで培ったUI設計力は、他のプラットフォームに“移植”できるんです。
「この人、UIを“構造”で考えてる」──そう言われた日
UI設計について話しているとき、Reactチームのリードからこう言われました。
「あなたは見た目の話じゃなくて、“使い方の構造”の話をしてるね。それがめっちゃ助かる。」
それを聞いたとき、はじめて実感したんです。
**「UIアーキテクトって、技術横断のポジションなんだ」**って。
実際、こういう設計観点で動くと、ReactでもVueでもFlutterでも話が通じるんですよ。
なぜなら、UIの原理原則って共通しているから:
- 情報のグルーピングと階層化
- 操作と結果の即時性(フィードバック)
- 状態遷移の明示とガード
- 再利用性と一貫性の確保
こうした視点を持った人がチームに一人いるだけで、プロダクト全体の“体験”が一気に変わる。
海外では、“UI設計力”がキャリアの武器になる
特に海外の案件では、「UIが扱えるだけ」のエンジニアではなく、「UXと開発の架け橋になれる人」が高く評価される傾向があります。
- デザイナーとの共通言語(Component、State、Layout)
- プロダクトマネージャーとの要件整理(業務動線×画面遷移)
- エンジニアとの実装効率のすり合わせ(再利用設計・パフォーマンス考慮)
WPFの経験があったからこそ、これらの文脈を言語化できる視点が身についた。
そのおかげで、英語圏のプロジェクトでも「設計レビューに呼ばれるようになった」「要件定義フェーズから入れるようになった」ことも多くなりました。
つまり、WPFでやってきたことを“体系的に語れる”と、それだけで市場価値が跳ね上がるんです。
じゃあ実際どう“移行”すればいいの?
「WPF→MAUIやBlazorにキャリアを広げたい」と思ったときに、僕がやってよかったのは以下のステップでした:
✅ ステップ1:UI設計思想を自分の言葉でまとめる
- 自分がどんなレイアウト構造を好むか
- どういう設計でユーザー負荷を減らしてきたか
- 状態とビューの切り離しをどう実現してきたか
→ NotionやWordで“自分用UI設計メモ”を作ると効果的!
✅ ステップ2:小さなUIプロトタイプを作ってみる
- MAUIでWPF風の画面を再現
- Blazorで画面設計の構造を流用
→ WPFとの違いを「体で理解」するステップ
✅ ステップ3:技術ブログ・LinkedInで発信してみる
- 「WPFから学んだUI原則をMAUIに応用してみた」
- 「XAML脳がBlazorで役立った話」など、経験の翻訳がカギ
これ、完全に英語じゃなくてもいいんです。
まずは図解付きで構造を可視化するだけでも、価値ある発信になります。
「UIアーキテクト」は“次の10年”を担うポジション
技術トレンドは日々変わっていきます。
でも、どんな時代でも“人が触るインターフェース”は必要不可欠。
その設計に責任を持てるエンジニアって、実はまだまだ少ない。
そして、そのスキルはWPFで十分に鍛えられる。
WPFというニッチを掘り進めた人ほど、“次のUIリーダー”になれるんです。
“WPFの経験”を武器に、UIアーキテクトとして世界へ踏み出そう
「そのスキル、どう伝える?」──評価されるには“翻訳”が必要
ここまでお話してきたように、WPFの設計経験って、実はものすごく深い。
でも残念ながら、それをそのままレジュメに書いても海外では伝わりづらいんです。
たとえば、あなたがこう書いたとしましょう:
「WPFで業務システムの画面を多数設計・開発しました」
うん、間違ってない。でも、海外の採用担当者から見ると、
「で、それがどう会社に役立ったの?どんなスキルがあるの?」
という疑問で止まってしまうんです。
だからこそ大事なのが、WPFで得た経験を“成果と言語”に変換すること。
つまり、“技術名”じゃなく、“価値”で語る。
海外で刺さる!UIアーキテクト的アピール例(英語)
実際に僕が海外向けのレジュメや面接で使ってきた「WPF→UIアーキテクト」的なアピール例をいくつかご紹介します👇
✅ Before:ただのWPF経験
“Developed business screens using WPF and MVVM.”
→ シンプルすぎて伝わらない…
✅ After:UIアーキテクト視点に変換
“Designed and standardized reusable UI components using WPF and MVVM, improving development speed and consistency across 40+ screens in a manufacturing system.”
“Led the UI modernization project, migrating legacy .NET Framework WPF apps to .NET 6, introducing UX design principles and improving user satisfaction based on on-site feedback.”
“Bridged the gap between UX designers and developers by introducing a component-based design system and UI review cycles.”
このように、
- どんな成果を出したか
- どんな設計視点を持っていたか
- チームの中でどんな立場で貢献したか
を英語で言語化できると、**「あ、この人はただのWPF使いじゃないな」**と伝わります。
英語ポートフォリオで差がつく“3つの見せ方”
UIアーキテクトとしてのキャリアを広げたいなら、ポートフォリオは見た目以上に“構造”と“思考”を見せる場。
以下の3つのアプローチがおすすめです:
① Before/Afterで見せる
- リファクタリング前後のUIをスクリーンショットで比較
- 「何を改善したか」「なぜそうしたか」を簡潔に説明
- 例:「初期UIでは操作導線が3ステップ。再設計で1ステップに短縮」など
② 設計図・構成図を添える
- View/ViewModel/Modelの関係図
- ResourceDictionaryやテンプレートの構造階層
- 「見た目の裏にあるロジックの流れ」を可視化
→ 特に英語が不安でも、図+キーワードで伝わるのが大きなメリット
③ コンポーネント思想を語る
- 「なぜUserControlに分離したのか?」
- 「再利用できるようにした理由は?」
- 「どのように保守性とスケーラビリティを考えたか?」
→ ここで語るのは、“見た目”じゃなく“意図”です。
面接でよく聞かれる質問と、UIアーキテクト的な答え方
面接でよく聞かれる質問に対して、UIアーキテクト視点で答えると評価がガラッと変わります。
Q1. What’s the most challenging UI project you’ve worked on?
A例:
“In a WPF-based warehouse management system, I led a redesign of 50+ screens where inconsistent layouts and control behavior caused operational delays. By introducing reusable control templates and enforcing a layout guideline, we reduced onboarding time for new users by 40%.”
→ 技術だけでなく、“なぜそれが重要だったか”を語ると強い。
Q2. How do you balance UX design with technical constraints?
A例:
“I proactively engage both designers and engineers in early planning. I translate UX intentions into technical components, and if necessary, suggest compromises that maintain core usability without impacting performance or maintainability.”
→ 「橋渡し役」としての姿勢を伝えると、「あ、この人に任せたら安心だな」と思ってもらえます。
WPFから広がる「UIアーキテクトのキャリアパス」
WPFでUI設計を突き詰めてきた人にとって、次に広がるキャリアはこんな選択肢があります:
🔸 UIアーキテクト → 複数技術を跨ぐ設計リーダー
- MAUI、Blazor、Web UIなどを跨ぐUI統一の責任者
- デザインシステム導入やUIレビューの設計にも関われる
🔸 プリセールス/UXコンサル → 技術+要件の翻訳者
- 顧客と開発の間に立って、要件整理〜設計までを担う役割
- 海外プロジェクトで「この人がいればスムーズに進む」と言われる存在に
🔸 プロダクトマネージャー寄りのキャリア
- UIから業務導線全体に視野を広げ、プロダクトの意思決定に関与
→ 実は、UIを極めることで「経営やサービス側」にも視野が広がるんです。
まとめ:WPFは“終わった技術”じゃない、“深まった武器”だ
WPFのUI設計で身につけたスキルは、
見た目の調整だけじゃなく、使う人の行動・体験を設計する力。
そして、それをロジックに落とし込む設計力。
このスキルは、プラットフォームが変わっても、時代が進んでも、必要とされ続けます。
今、世界中の開発現場では「UIの統一」「設計の再構築」「UXと開発の橋渡し」を求める声が増えています。
そのニーズに応えられる人材は、多くない。
でも、WPFで“考えて設計してきた人”なら、間違いなくそこに入り込める。
最後に:あなたのWPFキャリアは、世界の誰かを助ける力になる
もしあなたが、WPFしかやってこなかったことに不安を感じているなら、こう伝えたいです。
「“しか”じゃなく、“だからこそ”です。」
WPFは、UI設計の基礎体力を誰よりも深く鍛えられる技術。
それを翻訳して、可視化して、語れるようになれば、
世界中のプロジェクトに価値を届けられるUIアーキテクトになれるんです。

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