- 「伝わらない」には、理由がある
- “通じる英語”の型を手に入れる:非ネイティブが使えるフレーズ×構成テンプレ集
- Zoom、Slack、Docs…伝わる人は“構成”を使い分けている
- “伝える力”が変わると、働き方が変わる:非ネイティブが武器にすべき3つの言語戦略
「伝わらない」には、理由がある
「なんか通じてない気がする…」
「反応が薄いけど、伝わったのかな…?」
SlackやZoomで、そんなモヤモヤを抱えたことはないだろうか。
英語を勉強しても、TOEICの点数が上がっても、
実務の中で“伝わる”ようになった実感が湧かない。
その原因は、英語力そのものではなく、「構成力」や「言葉の使い方」にあることが多い。
🧠「伝わる英語」は、文法でも語彙でもない
非ネイティブとして海外チームに入って最初にぶつかる壁は、
「何をどう書いても、ネイティブの反応が薄い」問題だ。
これは英語力が足りないのではなく、
“伝わりやすい形”で書いていないから起こることが多い。
たとえば、以下のようなSlackメッセージ。
📝 よくある非ネイティブの文:
Hi, I updated the UI logic and changed some parts of the code. Let me know if it’s okay.
一見、普通に伝わっているように見える。
でも、ネイティブ側の目線ではこうなる。
- 「何がどう変わったの?」
- 「どこをチェックすればいいの?」
- 「“OK”って具体的に何を意味してる?」
つまり、「言ってることは読めるけど、要点がつかめない」状態なのだ。
✂️ 伝える内容は、「情報の順番」で決まる
日本語では、文脈や雰囲気で伝える文化が根付いているが、
英語圏では、「構成=信頼性」として見られる。
ネイティブが好む構成は、だいたいこの形:
結論 → 理由 → 次のアクション
これを応用しただけで、同じ内容でも一気に「伝わる」ようになる。
✅ より通じる文:
UI logic has been updated to handle X scenario properly.
The main change is in [ClassName.cs], where I adjusted the flow for edge cases.
Let me know if anything looks off – otherwise, I’ll proceed with testing.
3行なのに、読み手の頭の中にはこういう地図ができる:
- 何が変わったのか(概要)
- どこが変わったのか(詳細)
- 今、求められている反応は何か(次のステップ)
📦 英語力より「情報整理力」で差がつく
英語が得意じゃない人でも、「伝える順番」さえ守れば、圧倒的に通じやすくなる。
僕が実務で多用している“情報整理テンプレ”は以下の通り:
| 要素 | 説明 | 英文テンプレ |
|---|---|---|
| ① トピック | 何について話すのか | “About the [feature/fix]…” |
| ② 状況 | 今どうなっているのか | “It’s currently doing [X]” |
| ③ 課題・変更点 | なぜ変更が必要か | “However, it doesn’t cover [Y], so I changed…” |
| ④ アクション | どうしたか、何をしてほしいか | “Please take a look and confirm if this works.” |
この順で書くだけで、相手の反応は目に見えて変わる。
📉「伝えすぎ」は、逆効果
非ネイティブがやりがちな失敗の一つが、「全部伝えようとしすぎる」こと。
- 論点があちこちに飛ぶ
- メッセージが長文すぎて読まれない
- 自分で結論を言わず、判断を委ねてしまう
これでは、相手は“読まなかったことにする”。
Slackやメールの世界では、それがリアルに起こる。
ネイティブは「手間の少ない人」を好む。
だからこそ、**“情報を絞って、まとめて、渡す”**ことが信頼につながる。
🛠️ 英語が不安でも“構造”を意識するだけで変わる
伝わらない人に共通するのは、「伝える前に整理していない」こと。
逆に、少ない英語でも伝わる人は、構造で勝負している。
Zoomで話すとき、Slackで書くとき、
以下の2つを心がけるだけで、伝わり方は格段に変わる:
- “一文一メッセージ”を意識する
- “今、何をしてほしいか”を必ず明示する
たとえばこんな一文でも十分だ:
“Fixed the bug with the date picker. Can you test on your end and confirm?”
英語として完璧じゃなくても、**「主張+アクション」**の構造があれば、それは“伝わる英語”になる。
“通じる英語”の型を手に入れる:非ネイティブが使えるフレーズ×構成テンプレ集
「通じる英語」とは、完璧な英語ではない。
むしろ、相手が“受け取りやすい形”で構成された英語のことだ。
英語ネイティブたちが自然にやっているこの「構成力」こそ、
実務で信頼を勝ち取る鍵。
ここでは、実際に僕が**Slack・Zoom・ドキュメントで多用してきた“通じる英語の型とフレーズ”**を、実例とともに紹介しよう。
🧱 型①:結論ファースト+一言補足(Slack即レス編)
Slackでは、**長く書くより“構造で示す”**ことが重要。
相手が「理解する時間」ではなく、「判断する時間」を取れるようにするのがコツ。
📌 テンプレ構成:
[結論] – [一言補足 or 現状 or ToDo]
✅ 使用例:
Confirmed – the issue is fixed in the latest build.Noted – will test this in the next QA round.Blocked – waiting on API spec confirmation.
このように、冒頭1語で意思表示し、次に具体的な状況や行動を添えると非常に伝わりやすい。
📦 型②:変更報告・確認時の3点セット(Pull Requestやバグ修正時)
Pull Requestや修正報告時は、ネイティブも非ネイティブも**“まず結論を知りたい”**。
📌 テンプレ構成:
1. What changed
2. Why it was changed
3. What you need from the reader
✅ 使用例:
Updated the validation logic to handle edge cases where user input is null.
This was causing issues in the sign-up flow for guest accounts.
Please review the logic in InputValidator.cs and let me know if anything seems off.
この構成は、Slack、PRコメント、報告書など、全てに応用可能。
特にネイティブは“筋道が通っている文章”を非常に評価する。
🧩 型③:曖昧な指示への“確認型リプライ”
英語での仕事では、「なんとなくわかるけど断言できない」指示に出会うことが多い。
そんなとき、黙って進めず**“明確化の技術”**を使おう。
📌 テンプレ構成:
Just to confirm – are you saying that […]?
Would you like me to […] or […]?
Do you mean we should update [X], or is this just for [Y]?
✅ 使用例:
Just to confirm – should the new logic only apply to guest users, or to all users including signed-in ones?
✅ ポイント:
- 丁寧に聞き返すと「リスク管理できる人」と見なされる
- 相手にイエス/ノーで答えさせる構文が理想
🧠 型④:“意見を添える一言”で対等な議論者になる
意見を言うとき、「語彙に自信がないから黙る」…そんな経験は誰しもある。
でも、短くても自分の視点を伝えることが、グローバルでは評価される。
📌 テンプレ構成:
From my side, I think […]
One thought I had was […]
Just wondering if it makes sense to consider […]
✅ 使用例:
One thought – if we allow null here, could that cause issues downstream in the payment logic?
このように、“提案”や“懸念”は、丁寧に言えば好印象になる。
✉️ 型⑤:フォローアップとサンクスの使い分け
英語でのやりとりでは、**「礼儀+プロセス管理」**がセットで伝えられると強い。
📌 フォローアップ・テンプレ:
Just checking in on this – any updates?
Quick follow-up: was wondering if you had a chance to review this.
📌 サンクス・テンプレ:
Thanks for the quick fix – really helpful!
Appreciate your input – it clarified a lot!
✅ ポイント:
- 感謝は「内容+感情」で構成する(例:”clarified a lot”)
- フォローアップは礼儀と明確な目的を両立させる
🔁 型⑥:Zoom会議中の「話しすぎない英語」
会議で英語が不安な人ほど、「うまく言わなきゃ」と構えがち。
でも、むしろ短くまとめて、ポイントだけ言える人が信頼される。
📌 テンプレ構成:
Yeah – I agree with [X], especially the part about […]
Just to add one thing: […]
From a UI perspective, I’d suggest […]
✅ ポイント:
- 「同意→補足」や「視点を加える」の構文は使い勝手◎
- 複雑な話はしない。むしろ**“話を整理して返す力”**が重要
📊 型⑦:チャートや仕様文書に添える「ナビゲーション文」
資料共有時、ただリンクを貼るだけでは伝わらない。
非ネイティブこそ、“読み方のナビ”を加えることで差をつけられる。
📌 テンプレ構成:
Here’s the updated chart – main differences are in section 2 and 4.
Let me know if you’d prefer a walkthrough on this – happy to sync.
これだけで、**「この人は相手の時間を考えてくれる人だ」**と思われる。
💬 型⑧:相手の話を“拾う”と信頼が加速する
グローバルチームでは、相手の意見を**「聞いてるよ」と伝える姿勢**が何よりも大事。
📌 テンプレ構成:
Good point – that connects well with what [name] mentioned earlier.
I hadn’t thought of it that way – thanks for sharing!
これができると、非ネイティブでも“議論に参加している存在”として認識される。
Zoom、Slack、Docs…伝わる人は“構成”を使い分けている
英語でのやり取りに不安があると、「とにかく丁寧に書こう」「長めに説明しよう」と思ってしまう。
けれど実は、“状況に合った構成”に変えるだけで、グッと伝わりやすくなる。
これは英語が得意な人でも同じ。
むしろ、英語力に自信がない人ほど、構成力で勝負すべきだ。
ここでは、グローバルな実務で遭遇しがちなシーン別に、**「伝わる構成の選び方・使い分け」**を具体的に紹介する。
🧭 シーン①:Slackで「伝える」より「動かす」ための構成
Slackでは「読む」よりも「行動」してもらうのが目的。
だからこそ、構成のポイントは:
先に要点 → 後から背景 → 最後にアクション
❌ ありがちな非ネイティブの文:
Hi, so I was checking the recent update and noticed some unexpected behavior.
I looked into it a bit more and it seems like the validation doesn’t catch certain cases.
Let me know what you think.
内容は正しいが、相手は「何をすればいいの?」と困惑する。
✅ 構成を変えるとこうなる:
Possible bug found in the latest validation logic – it skips empty strings.
Details below:
– Happens when [condition]
– Affects [component or user]
Can you double-check from your end?
✅ 伝える順番を変えるだけで:
- 相手は最初の3秒で「これは見るべき情報だ」と判断できる
- 内容が正しくても、「構成がズレているとスルーされる」ことが多い
🛠 シーン②:Zoomでの発言=“短く・構造的に・印象に残る”
Zoom会議では、内容よりも“話の構造”が信頼につながる。
ネイティブは“意見を箇条書きで話す”文化があるため、
だらだら説明すると、途中で切られてしまうことも。
✅ Zoomでよく使う3構成:
| 構成タイプ | 目的 | 英語フレーズ例 |
|---|---|---|
| 結論→理由→例 | 意見を述べる時 | “I think we should delay the release. The reason is testing isn’t done yet, especially on mobile.” |
| 選択肢提示 | 意見を求める時 | “We could either A: simplify the logic, or B: fix it in post-processing. What do you think?” |
| 同意+補足 | 議論を広げる時 | “I agree with Anna, especially regarding performance. Just to add – it may affect load time too.” |
🧠 Zoomで話す前の“3秒準備ルール”:
- 自分の話のゴールは何か?(意見/提案/確認)
- 何を1番伝えたい?(結論)
- 根拠は1つに絞れる?
これを3秒で頭に浮かべてから話すと、短くても説得力のある話し方になる。
📄 シーン③:Docsでの設計レビュー=“読ませる順番”の設計
設計書や仕様書でもっとも重要なのは、「読むべき順番が見える」こと。
完璧な英語で長文を書いても、構成が見えなければスキップされる。
✅ 英語設計書のよくある読み順:
- Summary(何についての文書か)
- Problem(なぜこれが必要か)
- Solution(どうやって解決するか)
- Impact(他に影響あるか)
- Open Questions(未確定なこと)
📌 実際の導入文テンプレ:
# Summary
This document outlines the proposed change in the input validation flow to improve error handling for guest users.
# Problem
Currently, missing input values are silently ignored, leading to null pointer issues downstream.
# Proposed Solution
Add explicit null checks and fallback logic in InputHandler.cs.
✅ ポイント:
- 各セクションに見出しを入れるだけでも、英語力を補える
- 設計内容よりも、「読みやすさ=信頼」に直結する
🧩 シーン④:レビュー・コメント=“配慮のある論理構成”
英語でコードレビューをする時、重要なのはロジックだけじゃない。
「相手が納得できる順番」で書かれているかどうか。
✅ ネイティブがよく使うレビュー構成:
1. Acknowledge or Appreciate
2. Describe the observation
3. Suggest the improvement
4. Offer to discuss
📝 実例:
Nice work on this!
One thing I noticed: the loop here might process null values if input isn’t sanitized earlier.
Maybe adding a null check at the top would prevent edge case errors.
Happy to chat if you want to go over it.
✅ 構成があると、指摘も「敵意」ではなく「協力」に聞こえる。
🧠 構成を変えるだけで「英語の上手さ」は超えられる
「英語が苦手だから伝わらない」のではない。
「相手の頭の中で整理できる形で伝えていない」だけだ。
逆に、伝える順番を整えるだけで:
- ネイティブの目に留まる
- 丁寧に返してもらえる
- 「話しやすい人」として認識される
これが、**“構成で信頼を生む英語”**の力だ。
“伝える力”が変わると、働き方が変わる:非ネイティブが武器にすべき3つの言語戦略
「英語が通じない」から、「伝わる自信がある」へ。
この変化が、僕の働き方を大きく変えた。
実際、英語がネイティブ並みに話せるようになったわけじゃない。
むしろ今でも、文法や語彙に迷うことは日常的にある。
でも、「伝える構成」と「関係性の築き方」を変えていったことで、
会話の温度が変わり、仕事の進め方が変わり、立ち位置までも変わっていった。
この章では、非ネイティブが実務で“伝える力”を武器に変える3つの戦略を紹介しよう。
🎯 戦略①:Slackの一文で信頼を勝ち取る“型思考”
Slackでのやりとりは、一見カジュアルに見えて、
**実は「判断の連続」**だ。
- この人の言ってること、分かりやすい?
- 対応するべきか、様子を見るか?
- 問題あるとき、相談しやすいか?
だからこそ、「伝え方に一貫性がある人」への信頼は大きい。
🛠 僕がSlackで徹底している3つの“型”:
- アクションを明示する
例:Can you confirm by EOD? - 変更点は箇条書きで共有
例:
“`
Changes:
– Updated date logic
– Added null check for user ID
3. **あえて余白を残す表現で相手に委ねる**
例:`Let me know if you see any concerns.`
この「型のストック」が増えるだけで、**英語の瞬発力が格段に上がる。**
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### 🧠 戦略②:“関係性を設計する英語”を使う
非ネイティブにとって、語彙や発音を磨くことはもちろん大事。
でも、それ以上に**「関係性をよくする言葉選び」**が実務では効く。
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#### ✅ 僕が重視してきた“関係性をつくる英語”:
| シーン | フレーズ例 | 効果 |
|--------|------------|------|
| コメントに共感を添える | `That’s a good point.` | 対話の雰囲気が和らぐ |
| 判断を相手に委ねる | `Happy to go with your suggestion.` | 協調姿勢が伝わる |
| 自分の意見を控えめに伝える | `Just my thought – please ignore if not helpful!` | 謙虚さ+提案力の両立 |
| 感謝+具体コメント | `Thanks for the fast reply – it unblocked me.` | 感謝の具体性で信頼を築く |
関係性とは、会話の中の「温度」で生まれる。
そしてそれは、**一言の工夫で変えられる。**
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### 🔄 戦略③:“場面ごとに構成を切り替える力”を持つ
Slack・Zoom・Notion・Pull Request…。
使うツールが違えば、必要な構成も変わる。
たとえば:
| 場面 | 推奨構成 |
|------|----------|
| Slackでバグ報告 | 結論→影響範囲→依頼 |
| Zoomでの提案 | 結論→理由→懸念点or次アクション |
| ドキュメント設計書 | Summary→Problem→Proposal→Impact |
| PRレビュー | 感謝→観察→提案→相談(必要なら) |
構成を切り替える力は、まさに**非ネイティブにこそ磨いてほしい“第二の英語力”**だ。
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### 🌱 僕が“伝える力”で得た変化
僕自身、英語に不安を持ちながら海外案件に飛び込んだ。
最初は、「話せるようになるまで黙ってよう」と思っていた。
でも、ある日こう気づいた。
> 「黙ってる人は、英語ができない人」じゃなくて、
> 「何を考えてるか分からない人」に見えてる、と。
そこから、「話すこと」よりも「伝える設計」に意識を向け始めた。
その結果、こんな変化があった:
- コメントが「分かりやすい」と言われるように
- 会議で「あ、じゃあHiroがまとめてくれる?」と振られるように
- 設計レビューのドキュメントに、自然といいねがつくように
**英語がうまくなる前に、信頼を得ることはできる。**
それを、僕は実感している。
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### ✨ 最後に|英語で“伝える”ことは、言語力ではなく設計力
このVol.4を通じて伝えたかったのは、
「英語が得意じゃなくても、実務では戦える」こと。
それはなぜか?
> **伝える力は、「言葉」より「構造」と「関係性」で作られているから。**
非ネイティブだからこそ:
- 相手の立場を考える力がある
- 情報を整理する視点がある
- 空気や間の取り方に敏感
そういった「言語以外の強み」と「構成力」を掛け合わせれば、
**英語ネイティブに負けない“伝える力”を手に入れられる。**

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