Kafka to the Rescue ― イベント駆動が僕の海外エンジニア生活を救った話

  1. なぜ“イベント駆動”が僕らを助けるのか?(サブタイトル:混沌からの脱出)
    1. ■ Kafka の何がそんなにすごいの? ― Immutable Log の衝撃
    2. ■ 依存の地獄から自由へ ― Topic でシステムをゆるくつなぐ
    3. ■ Consumer Group で裏処理をスケールさせる ― しかもコードはそのまま
    4. ■ イベント駆動はエンジニアの“心の余裕”を生む
  2. Kafka 導入のリアル ― 海外チームで巻き起こった“事件簿”(サブタイトル:混乱と成長のはざまで)
  3. ■ 最初の壁:誰も Kafka を理解してなかった問題
  4. ■ 事件その1:Topic の名前付けで3時間会議
  5. ■ 事件その2:Consumer Group の誤用で無限リトライ地獄
  6. ■ 事件その3:イベントが“増えすぎて”情報洪水に
  7. ■ 成功もあった:依存地獄からの解放
  8. ■ Kafka 導入フェーズで得た学び(まとめ)
  9. Kafka が導いた“気づき”とブレイクスルー
  10. ■ 気づき1:Kafka は“ログの集まり”ではなく“システムの物語”
  11. ■ 気づき2:Kafka は“依存を断ち切る技術”ではなく“信頼を築く技術”だった
  12. ■ 気づき3:Kafka が“後処理のスケール問題”を完全に解決してくれた
  13. ■ 気づき4:Kafka が“システムの過去を再現するタイムマシン”になるという衝撃
  14. ■ 気づき5:Kafka が“英語の壁”も少しだけ下げてくれた
  15. ■ イベント駆動がチームにもたらした“心の余裕”
  16. Kafka がくれた“技術以上の価値”
  17. ■ Kafka から学んだ人生術1:積み重ねが未来を作る
  18. ■ Kafka から学んだ人生術2:変化は“状態”ではなく“イベント”でやってくる
  19. ■ Kafka から学んだ人生術3:他人の期待に縛られない方が強い
  20. ■ Kafka から学んだ人生術4:戻る勇気が未来を変える
  21. ■ Kafka から学んだ人生術5:結局、人がすべてを動かしている
  22. ■ Kafka と共に働く未来のエンジニアへ(まとめ)

なぜ“イベント駆動”が僕らを助けるのか?(サブタイトル:混沌からの脱出)

海外で働き始めてしばらく経った頃、僕はあるプロジェクトで軽い“絶望”を味わっていました。
C# WPF でフロントを作りつつ、バックエンドのチームやデータ基盤のチームと連携しながら進めていたんですが、とにかくシステム間の依存がひどかったんです。

「この API 呼んだらこっちがエラーになる」
「処理が遅いのはどこが原因なの?」
「ログはあるけど追えない…!」

こんなのが日常茶飯事でした。海外の現場なので文化もワークスタイルも違うし、そもそも“誰に質問すればいいか”すら分からない。英語もネイティブじゃないので、説明も簡単じゃない。
そんな混沌とした状況の中、チームのアーキテクトが声を上げたんです。

“We should move to an event-driven architecture. Maybe Kafka.”
(イベント駆動アーキテクチャに移行しよう。Kafka を使うべきだ。)

当時の僕は「Kafka?名前だけ聞いたことある…」くらいのレベル。
でもこの決断が、僕のエンジニア人生をガラッと変えてくれたんです。


■ Kafka の何がそんなにすごいの? ― Immutable Log の衝撃

まず教わったのが Kafka の根幹である Immutable Log(不変ログ) という概念。
これ、最初に理解したとき「え…こんなのアリなの?」って正直びっくりしました。

普通のシステムだと「状態を更新する」のが当たり前ですよね。
データは上書きされるもの、という前提で作られていたので。

でも Kafka はまったく違う。
“すべてのイベントを順番に、永続的に記録し続ける”
この一本のログが、すべてのシステムの「事実の源(source of truth)」になります。

これが何をもたらすかというと…

  • 時系列で振り返れる
  • いつでも再生できる
  • 状態を作り直すことも可能
  • 障害時の追跡が圧倒的にラク
  • システム全体に一貫性が出る

海外のプロジェクトってスピードが速いので、仕様がコロコロ変わります。
「昨日のイベントどうなってたっけ?」
「データが壊れたから再生成したい」
「ログ見たいけど API ログは消えちゃった」

そんなとき、Kafka のログが “全部残ってる” という安心感は本当に強い。

初めて Kafka のログを追って、
「あ、これ全部の動きが丸見えじゃん…!」
と気づいたとき、僕の中で Kafka の評価が一気に跳ね上がりました。


■ 依存の地獄から自由へ ― Topic でシステムをゆるくつなぐ

次に驚いたのが Topic の存在でした。
Topic があることで、プロデューサー(イベントを送る側)とコンシューマー(イベントを受け取る側)が完全に“分離”されるんです。

これまで僕が触っていたシステムは、がっちり結合されていたので…

  • API の仕様が変われば全部修正
  • 新しい機能を作ると依存が増える
  • テストがやたら重くなる
  • 障害がドミノ倒しになる

そんな悩みのオンパレード。

でも Kafka に変えると、Topic にイベントさえ投げれば、誰が受け取るかは後から自由に決められる

実際、僕たちのプロジェクトでも
「ユーザーがアプリを開いた」というイベントを

  • 分析チーム
  • マーケティングチーム
  • 機械学習チーム
  • UI 最適化チーム

が、それぞれ勝手に処理していました。

“1つのイベントで組織全体が恩恵を受ける”
これって実際に体験すると本当に衝撃的です。

API みたいに「呼ばれる側が呼ぶ側に依存する」という関係がなくなるので、チーム間の調整コストが大幅に減るんですよね。

海外で働いていると、そもそもタイムゾーンも違うし、担当も細分化されているので、
“誰も他のチームの都合なんて知らない”
という状況も少なくない。

だからこそ、Kafka の Topic の緩い結合はめちゃくちゃ相性が良かったんです。


■ Consumer Group で裏処理をスケールさせる ― しかもコードはそのまま

僕が Kafka で最も感動した機能が Consumer Group です。

Consumer Group を使うと、同じ処理を行うコンシューマーを複数台立ち上げるだけで、
自動的にワークロードを分散してくれる

つまり、
「裏で大量にデータ処理したい」
「高負荷に耐えたい」
「スケールさせたい」
こんな要求に対して…

コードを変えずに、コンシューマーの数を増やすだけで解決する。

これはマジで革命級でした。

僕がいたプロジェクトでは、決算時期になるとトランザクションが数倍に増えて、
毎回 “処理遅延祭り” が発生していたんですが、Consumer Group を導入してからは…

  • 新しいインスタンスを数台追加するだけで負荷に耐える
  • 落ちたら自動で別のコンシューマーが担当してくれる
  • しかもログは Kafka に残ってるから安心

海外の現場は「壊れる前提で設計する」文化が強いんですが、
Consumer Group はその思想にピッタリでした。


■ イベント駆動はエンジニアの“心の余裕”を生む

Kafka を導入して気づいたのは、
イベント駆動は単なる技術の話じゃなくて、チーム全体に余裕を生む文化につながるということ。

  • 誰かの処理に依存しない
  • 障害の原因が追いやすい
  • リプレイができるので失敗から復旧しやすい
  • スケールが簡単
  • 仕様変更に強い

これらは結果として、
チーム間のストレスが減り、個々のエンジニアが自分の領域に集中できるようになる。

海外での仕事って、単にコードを書く以上に
“人間関係や文化の違い”が壁になることが多いんですが、
Kafka のアーキテクチャはその壁を少し低くしてくれたんです。

「依存」を減らすことで、
“会話の摩擦” まで減らしてくれる技術って、
なかなかないですよね。

Kafka 導入のリアル ― 海外チームで巻き起こった“事件簿”(サブタイトル:混乱と成長のはざまで)

Kafka を導入しよう、とアーキテクトが提案した瞬間、僕らのプロジェクトは静かに、しかし確実に“変革の渦”へ突入していきました。
「イベント駆動最高!」と叫びたくなるような成功もあれば、「いや、これ誰のせい?」と頭を抱えたトラブルもありました。
海外の現場らしく、テンションの上下が激しい、なかなかドラマのある日々だったんです。

ここからは、そんな導入フェーズのリアルをシェアします。
これから海外で働くエンジニアが、同じ落とし穴にハマらないための“肌感覚の知識”になれば幸いです。


■ 最初の壁:誰も Kafka を理解してなかった問題

どの会社でも起こるやつですが、言い出した本人(アーキテクト)以外、ほぼ誰も Kafka を理解していない
これは本当に厄介でした。

特に僕のように C# WPF が主戦場だと、日常的にメッセージ基盤なんて触らない。
バックエンドのチームでさえ、
「RabbitMQ なら触ったことあるよ?」
みたいな感じで、Kafka の思想と運用モデルとはギャップがありました。

チーム内では、よくこんな会話が飛び交っていました。

“So… Kafka is queue?”
えっと…Kafka ってキューなの?

“No no, it’s a log. Immutable log.”
違う違う、ログなんだよ。不変ログ。

“Log? Why log? What does that even mean?”
ログ?なんでログ?どういう意味よ?

特に海外チームでは、
「理解できないものはとりあえず反対する」という文化が強くて、
会議がカオスになりがちでした。

ここで学んだのは、
新しい技術は“概念”から丁寧に説明しないと、絶対に導入が進まない
ということ。

僕自身もホワイトボードに図を書きながら、

  • Topic とは
  • Partition とは
  • Consumer Group の動き
  • Offset の意味
    こういった基礎から、何度も繰り返し説明しました。

海外では特に、
説明できない技術は信用されない
というのを痛感しましたね。


■ 事件その1:Topic の名前付けで3時間会議

Kafka 導入初期あるあるですが…
Topic の名前で大論争が起こる

user-created にするのか
user/created なのか
user-created-v1 にするのか
event.user.created にするのか

もう何を議論しているのか分からなくなるレベルで揉めました。

海外チームは主張が強いので、
「これは industry standard だ!」
「いや、それは古い!」
「俺の前職ではこうしてた!」
と、全員が“正義”を持ち寄る。

結果どうなったかというと…

“ガイドラインを作ろう”

とアーキテクトが言い出し、ドキュメントが10ページ以上に膨れ上がりました。

この経験から学んだのは、
イベント駆動は名前づけが命。最初にガイドライン作らないと地獄を見る。
ということでした。


■ 事件その2:Consumer Group の誤用で無限リトライ地獄

Consumer Group は魔法のように見えますが、
誤って使うと“地獄の無限リトライ”を引き起こします。

実際に起きたトラブルがこれ。

ある日、分析チームのコンシューマーが止まってしまい、
ログを見ると同じメッセージを何度も何度も処理しようとして失敗していました。

原因は単純。

例外処理をしないまま offset を commit しなかった。

その結果、Kafka は
「未処理のメッセージがある!」
と判断し、同じメッセージを延々と送り続ける。

僕はその日、オフィスで
「あれ?まだ同じログ出てる?」
と30分くらい状況を見続けて、ようやく問題に気づきました。

この事件で強烈に学んだのが、
“Kafka は正直者すぎて、気を抜くと平気で同じ仕事をエンドレスに繰り返す”
ということ。

Consumer Group は便利ですが、

  • エラー時は DLQ(Dead Letter Queue)へ送る
  • commit のタイミングは慎重に
  • リトライの戦略を最初に決める
    こういった設計が本当に重要。

海外の現場はオンコールの文化が強いので、
この手の問題を放置すると、真夜中に PagerDuty が鳴りまくります。


■ 事件その3:イベントが“増えすぎて”情報洪水に

イベント駆動のいいところは、
「とりあえずイベント出しておけば OK」
という気軽さ。

でも、これが仇となり…

気づいたら Topic が50個超え、イベントが雪崩のように増えていた。

最初は
user-created
user-updated
くらいだったものが、いつのまにか

user-logged-in
user-navigated-dashboard
user-clicked-banner
user-received-promotion

など、マーケや分析チームが好き放題イベントを量産し、
Topic の一覧が“スーパーマーケットの棚みたい”になっていました。

結果、何が起きたかというと、

  • どのイベントを誰が使ってるのか分からない
  • 監視しきれない
  • Schema Registry を整備しないと破綻する
  • イベントの意味がバラバラになる

という“事件”です。

このとき学んだのは、

イベント駆動は“自由過ぎる”からこそ、情報設計のルールが絶対必要。

特に海外の現場は担当が細かく分かれてるので、
統制しないと本当に収拾がつかなくなる。


■ 成功もあった:依存地獄からの解放

事件が続いた一方で、良いことも大量に起きました。
Kafka の導入は確かに大変だったけど、
依存関係が大幅に減ったのはチーム全員が体感していました。

  • API の仕様変更が他チームに波及しない
  • テストが軽くなる
  • 障害が追いやすい
  • 再処理ができる
  • スケールが自動で効く

特に、海外の現場でよくある
「このサービス誰が担当してるの!?連絡取れないんだけど!」
という事態が激減したのは、本当に大きかった。

イベント駆動は“チームの独立性”を強烈に後押しします。
これは海外プロジェクトのスピード感と相性が良すぎました。


■ Kafka 導入フェーズで得た学び(まとめ)

ここまでの経験から、僕が強烈に感じたのは、
イベント駆動アーキテクチャは技術導入ではなく、組織改革に近い
ということ。

  • 概念を全員が理解すること
  • 名前づけルールを作ること
  • Consumer Group の扱いは慎重に
  • イベントの乱発を防ぐこと
  • チーム間のコミュニケーションが命

海外で働くエンジニアにとって、これらは本当にリアルな問題になります。
だから Kafka を導入するなら、
技術以上に“文化として根づかせる”意識が必要なんです。

Kafka が導いた“気づき”とブレイクスルー

(サブタイトル:イベントが語り始める瞬間)**

Kafka の導入は確かに大変でした。
概念の理解、Topic の命名ルール、Consumer Group のトラブル、イベントの乱立…。
ひとつひとつがドラマのような事件で、チーム全体が疲弊した時期もありました。

でも、この“カオス期”を抜けたあたりから、
Kafka は徐々に“ただの新技術”ではなく、
プロジェクトを根本から変える武器へと変貌していきました。

ここでは、僕やチームが Kafka を通じて得た“気づき”や“突破口”を実体験ベースでまとめていきます。


■ 気づき1:Kafka は“ログの集まり”ではなく“システムの物語”

事件続きの導入フェーズを抜け、
イベントが増えてきた頃でした。

ある日、分析チームのメンバーが
「この Topic の流れ、めっちゃ面白いよ」
と僕に Slack を送ってきました。

見てみると、
ユーザー登録 → ログイン → 初回チュートリアル完了 → ダッシュボード閲覧 → 購入
という一連のイベントが美しく並んでいる。

そこで僕は気づいたんです。

イベントとは、単なるログではなく“物語”なのだ、と。

今までのシステムは API のレスポンスや状態の更新ばかり追っていたので、
ユーザーの行動の全体像が見えづらかった。

でも Kafka のイベントは順番に残り続けるので、
「何が起きたのか」
「どうしてこの状態になったのか」
という“ストーリー”がそのまま流れてくる。

例えば、障害調査するときも、
過去のイベントを辿るだけで診断がつく
API ログの断片を集める必要もない。

海外の現場は“プロダクトのインサイト(洞察)”を非常に重視しますが、
Kafka の Immutable Log はまさに洞察の宝庫でした。


■ 気づき2:Kafka は“依存を断ち切る技術”ではなく“信頼を築く技術”だった

僕は導入初期、Kafka は
「依存を減らす仕組み」
だと思っていました。

でも実際に運用が安定してくると、考え方が変わりました。

Kafka のイベントを流し合うことで、
バックエンド、分析、フロント、インフラ…
様々なチーム間で
「あの Topic にこのイベントが流れると、こう動く」
という“共有の事実”が形成されるようになったんです。

あるミーティングでバックエンドのリードが言っていた言葉が忘れられません。

“When we send an event, we know the whole system will behave consistently.”
(イベントを送れば、システム全体が一貫して動くと分かる。)

API だと「呼ぶ側の責任」が重く、
仕様変更も影響範囲が広い。

でもイベントは“事実の通知”。
“事実”は変わらないし、誰がどう利用するかは自由。

結果として、
「みんなが同じ真実を見ている」
という状態が生まれ、
チーム間の信頼関係が劇的に強くなった。

これには正直驚きました。

技術が組織文化に影響を与える。
それを Kafka で初めて体験しました。


■ 気づき3:Kafka が“後処理のスケール問題”を完全に解決してくれた

Consumer Group の活用が安定してくると、
裏側の処理が見事にスケールするようになりました。

これは海外の大規模プロジェクトでは本当に大きい。

例えば、請求処理の日。
普段の5倍以上のトランザクションが飛んでくる。

以前なら、

  • バッチが遅延
  • API がタイムアウト
  • DB 過負荷
    の“三重苦”でした。

しかし Kafka を導入してからは……

必要な数だけコンシューマーを増やすだけで処理が流れる。

ある日の夜、僕はこれを見て静かに感動しました。

Consumer instances: 8 → 12 → 16
Processing latency: 240ms → 140ms → 90ms

「何も壊れてない……!」
「むしろ速くなってる……!」

海外のチームでは“壊れる前提でスケールする文化”が根強いので、
Consumer Group の柔軟さはまさにフィットしたんです。


■ 気づき4:Kafka が“システムの過去を再現するタイムマシン”になるという衝撃

Immutable Log の威力を本当に理解したのは、
ある障害対応のときでした。

突然ユーザーのステータスが壊れ、
「どこでおかしくなった?」
という議論が白熱したとき、
データエンジニアが静かに言いました。

“Let’s replay the entire topic.”
(Topic 全体をリプレイしましょう)

数年前のイベントすら順番に流れる。
そして破損した状態を再現。
さらに修正版のサービスに通して“正常な状態”を作り直す。

この作業は正直鳥肌が立ちました。

Kafka はシステムのタイムマシンなんだ。
そう心の底から理解した瞬間でした。

API 中心の世界では絶対に不可能だったことです。


■ 気づき5:Kafka が“英語の壁”も少しだけ下げてくれた

海外で働く苦労のひとつは、
“仕様の理解や議論が英語で行われること”。

抽象的なことを英語で説明したり、
議論したりするのは本当に難しい。

でも Kafka を導入してから、
仕様の話し方が少し変わりました。

以前は、

「API をこう呼んで、こう返ってきて……」

という“プロトコルの話”が中心。

でも Kafka では、

「イベント A が起きたら、B と C がこう動く」

という“現象の話”が中心になります。

これは英語がネイティブでない僕にとって、
めちゃくちゃ話しやすかった。

事実(fact)を説明するほうが、状態(state)や仕様(spec)を説明するより圧倒的に楽なんです。

議論がシンプルになる。
コミュニケーションがスムーズになる。
英語の負担が減る。

Kafka は、技術的な恩恵だけじゃなく、
僕にとって“言語の壁”まで少し下げてくれた技術でした。


■ イベント駆動がチームにもたらした“心の余裕”

転のフェーズで強く実感したのは、
Kafka がもたらすメリットは“技術力向上”だけではないということ。

  • 依存関係が激減した
  • 探索コストが下がった
  • 再処理ができる安心感
  • スケールの柔軟性
  • チーム間の摩擦が減る
  • 仕様議論が楽になる

これらの積み重ねが、
チーム全体に“心の余裕”を生んでいました。

海外の現場は、
スピード、品質、コミュニケーション、文化差、時間差、英語……
とにかくストレス要因が多い。

そんな中、Kafka の導入は
**「技術的な救い」ではなく「精神的な救い」**でもありました。

Kafka がくれた“技術以上の価値”

(サブタイトル:イベントと共に生きるエンジニアへ)**

Kafka を導入し、混乱を乗り越え、気づきを得たあとで、
僕自身の中に芽生えたのは、
「イベント駆動は技術ではなく、生き方だ」
という不思議な感覚でした。

もちろん、Kafka は分散メッセージングシステムであり、
イベントストリームプラットフォームです。

でも長い期間、海外の現場で Kafka と付き合っていくうちに、
僕はイベント駆動アーキテクチャから
“エンジニアとして働く姿勢や、人生の向き合い方”まで
多くのことを学んだんです。

ここでは、その“結論”をまとめていきます。


■ Kafka から学んだ人生術1:積み重ねが未来を作る

Kafka の中心概念に
Immutable Log(不変のログ)
があります。

過去のイベントは書き換えられない。
ただ積み重なっていく。

最初は単なる技術仕様だと思っていました。
でも、ある日ふと気づいたんです。

人生も同じだよな、と。

積み重ねた努力、経験、失敗、成功。
それらは書き換えられないし、無駄にはならない。

海外での生活や仕事は、
思っている以上に大変です。

  • 英語が通じなくて落ち込む
  • ミスコミュニケーションで誤解される
  • 想定外のタスクが突然飛んでくる
  • 仕事の文化が違う
  • 即断即決を求められる
  • 理不尽な要求もたまにある

でも、そんな毎日でも、
一つひとつが“人生のログ”として積み上がっていく。
Kafka のイベント処理を見るたびに、
そのことが自然と思い浮かぶようになりました。

小さな一歩でも、いつか大きな変化に繋がる。
Kafka のログが教えてくれた、静かだけど力強い真実です。


■ Kafka から学んだ人生術2:変化は“状態”ではなく“イベント”でやってくる

Kafka を使うまでは、
僕は「状態(State)」を追う癖がありました。

  • 仕事がうまくいっているか
  • 成果が出ているか
  • チームが成長しているか
  • 評価されているか

でも Kafka を扱ううちに気づいたのは、
状態はイベントの積み重ねによってしか生まれない
という当たり前のこと。

人生でも同じです。

“結果”を追うほど、苦しくなる。
“状態”だけを見ても、物事は動かない。

大切なのは、
「どんなイベントを起こすか」
なんだと、Kafka が教えてくれました。

  • 今日は英語で3文だけでも話した
  • 新しい技術を5分だけ調べた
  • チームに小さな改善を提案した
  • 一つのPRを丁寧にレビューした
  • 新しい人に笑顔で挨拶した

そういう小さなイベントが、
未来の自分という“状態”を形成していく。

Kafka と過ごすうちに、
仕事の見方だけでなく、
人生の見方が変わっていきました。


■ Kafka から学んだ人生術3:他人の期待に縛られない方が強い

Kafka の良さは
プロデューサーが、コンシューマーの存在を知らなくてもよい
という点です。

イベントを出す側は、
「誰が受け取るか」を気にしなくていい。

実はこれ、海外で働くうえで非常に大事な考え方でした。

海外の職場では、

  • 文化の違い
  • コミュニケーションの癖
  • 評価基準の違い
  • スピード感の差
    が常に存在します。

全員を満足させようとすると、
心がすり減ります。

でも Kafka のように、
“自分のベストを出す”ことに集中すればいい
受け取るか受け取らないかは、相手が決めること。

海外の先輩エンジニアに言われた言葉を思い出します。

“Just do your part. The system will figure out the rest.”
(自分のパートをやればいい。システムがあとは何とかする。)

Kafka を理解したあと、この言葉の意味が腹落ちしました。


■ Kafka から学んだ人生術4:戻る勇気が未来を変える

Kafka の強みの一つに、
過去のイベントをリプレイできる能力
があります。

過去の誤りを修正し、
正しい状態を“作り直せる”わけです。

人生でも同じです。

  • 英語が苦手でも
  • 技術スタックに自信がなくても
  • 最初のキャリア選択が失敗だったとしても
  • 海外挑戦がうまくいかなくても

いつだってやり直せる。
どこからでも再スタートできる。

Kafka の“リプレイ”を見た時、
僕はすごく救われたんです。

「あぁ、人生もこうあればいいのに」
じゃなくて、
「人生もそうなんだよ」
と、自然と思えるようになりました。


■ Kafka から学んだ人生術5:結局、人がすべてを動かしている

Kafka はすごいシステムですが、
完璧ではありません。

運用するのは人間だし、
設計するのも人間だし、
トラブルを直すのも人間です。

Topic が破綻したときも、
Consumer Group が無限リトライしたときも、
イベントが増えすぎたときも、
結局は誰かが問題に気づき、誰かが直しました。

海外で働くうえで学んだ最大のことは、
どんな技術も、人の関係性とコミュニケーションが支えている
という事実。

Kafka が導入できたのは、
チームが意見をぶつけ合いながらも前進したから。
文化が違う中で、お互いを理解しようと努力したから。

この経験は、
僕の海外キャリアの中でも特に大きな財産になりました。


■ Kafka と共に働く未来のエンジニアへ(まとめ)

Kafka を導入したプロジェクトは、
僕にとって単なる技術の成功体験ではなく、
海外で働くエンジニアとしての“生き方”を再定義する経験でした。

  • 積み重ねは裏切らない
  • 状態よりイベントを大切に
  • 他人に依存せず、事実(fact)を出す
  • やり直すことを恐れない
  • 結局は人がすべて

Kafka のイベントが流れるたびに、
僕はこれらを思い出します。

そしてこれから海外を目指すエンジニアにも、
この考え方はきっと強力な武器になるはずです。

“イベントを制する者は、人生も制する。”
Kafka を通じて得たこの感覚を、僕はこれからもずっと大事にしていこうと思います。

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