Global Reach, Local Impact──「英語が得意じゃないエンジニア」こそ、世界で価値を出せる理由

  1. なぜ今、「エンジニアの伝え方」が世界を変え始めているのか
    1. グローバル化で変わった「エンジニアの価値」
    2. 「伝える」より「伝わる」が評価される時代
    3. アクセシブルな言葉が、チームを強くする
    4. 世界に影響を与えるのは、必ずしも「世界級の英語」じゃない
  2. 英語力よりも重要だった、海外現場で本当に評価される力
    1. 「何を言うか」より「どう整理しているか」
    2. 英語が苦手だからこそ、武器になる思考
    3. 「分かりやすい人」は、チームの負債を減らす
    4. 「話しやすい人」≠「仕事ができる人」
    5. 英語力に自信がない人ほど、ここを磨いてほしい
  3. 「うまく話せない」が武器に変わった瞬間
    1. 「話せない自分」は、議論の邪魔だと思っていた
    2. 勇気を出して言った、たった一言
    3. 流暢な英語は、必ずしも思考を深めない
    4. 「分からない」と言える人が、場を救う
    5. 英語が苦手=雑音を入れられない
    6. その日から、立ち位置が変わった
    7. 世界に影響を与えるのは、派手な発言じゃない
  4. 今日からできる、あなたが“明確さのアンバサダー”になる方法
    1. ① まずは「結論から話す人」になる
    2. ② 「目的が何か」を聞く勇気を持つ
    3. ③ 専門用語を「翻訳する役」になる
    4. ④ 「分からない」を恥だと思わない
    5. ⑤ グローバルは「遠い場所」じゃない
    6. 英語に自信がないエンジニアへ
    7. 行動への一歩(Call to Action)

なぜ今、「エンジニアの伝え方」が世界を変え始めているのか

海外で働き始めた頃、正直に言うと、僕はずっと思っていました。

「英語がもっと話せたら、もっと評価されるのに」
「ネイティブみたいに説明できない自分は、やっぱり不利だ」

C# WPFで設計開発をしてきて、技術そのものにはそれなりに自信がある。
でも、ミーティングになると話は別でした。
設計意図を説明しようとしても、言葉が詰まる。
仕様の背景を語ろうとすると、英語が追いつかない。

そんなとき、ふと周りを見渡して気づいたことがあります。

「英語が流暢な人」と「仕事が前に進む人」は、必ずしも一致していない。

むしろ、

  • 言葉はシンプル
  • 文法は完璧じゃない
  • でも「何が重要か」が一瞬で分かる

そんな話し方をするエンジニアほど、
チームの信頼を集め、議論の中心にいることが多かったんです。


グローバル化で変わった「エンジニアの価値」

少し視点を引いてみましょう。

今のエンジニアリングの世界は、

  • 開発チームは多国籍
  • 時差をまたいだリモート協業
  • バックグラウンドも文化もバラバラ

もはや「同じ前提」を共有している方が珍しい。

この環境で求められるのは、
難しいことを、分かりやすく伝える力です。

・なぜこの設計なのか
・どこがリスクなのか
・今、何を決める必要があるのか

それを、
「専門用語マシマシの英語」ではなく、
誰が聞いても理解できる言葉で伝えられるか。

実はここに、
英語がネイティブじゃないエンジニアの大きな強みが眠っています。


「伝える」より「伝わる」が評価される時代

海外で働いて強く感じたのは、
評価されるのは「上手に話す人」ではなく、

「話を聞いたあと、チームが動ける人」

だということ。

どんなに流暢でも、

  • 話が長い
  • 何が結論か分からない
  • 次に何をすればいいか不明

これでは、グローバルチームでは逆にストレスになります。

一方で、

  • 短い文章
  • 明確な結論
  • 判断ポイントがはっきりしている

こうしたコミュニケーションは、
国籍も英語力も関係なく、全員に歓迎される。

ここで重要なのは、
これは「語学力」ではなく
設計力・思考力・整理力の話だということです。


アクセシブルな言葉が、チームを強くする

もうひとつ、大事な視点があります。

分かりやすい言葉は、
単に「便利」なだけではありません。

  • 若手エンジニア
  • 非エンジニア職(PO、QA、デザイナー)
  • 英語が第二言語のメンバー

こうした人たちを、
議論に参加できる側に引き上げる力があります。

結果として、

  • 意見の多様性が増える
  • リスクが早く見つかる
  • チームの納得感が高まる

つまり、
アクセシブルな言語は、イノベーションの土台なんです。


世界に影響を与えるのは、必ずしも「世界級の英語」じゃない

「Global Reach, Local Impact」

この言葉を、
以前は「大企業やスターエンジニアの話」だと思っていました。

でも今は違います。

  • 自分のチームで
  • 自分の設計説明で
  • 自分の一言のまとめで

小さな“分かりやすさ”が、確実に影響を広げていく。

英語が完璧じゃなくてもいい。
むしろ、完璧じゃないからこそ、
削ぎ落とし、考え抜き、伝えようとする。

それこそが、
これからのグローバルエンジニアに求められる姿だと、
僕は現場で学びました。


この続きの 「承」 では、

英語力よりも評価された具体的な行動
海外チームで「信頼」を勝ち取ったコミュニケーションの型

を、実体験ベースで深掘りしていきます。

英語力よりも重要だった、海外現場で本当に評価される力

海外で働き始めて、しばらく経った頃。
自分の英語が急に上達したわけでもないのに、
なぜか会議で意見を求められる回数が増えてきた時期がありました。

正直、不思議でした。

文法は相変わらず怪しい。
発音もネイティブには程遠い。
なのに、

「この設計、どう思う?」
「次の一手、君ならどうする?」

そんなふうに話を振られる。

その理由は、あとからはっきり分かりました。
評価されていたのは、英語力じゃなかった。


「何を言うか」より「どう整理しているか」

海外のエンジニアと仕事をしていて痛感したのは、
彼らはとにかく結論と判断材料を欲しがる、ということです。

以前の僕はこうでした。

  • 前提から丁寧に話そうとする
  • 背景を全部説明しようとする
  • 結論が最後になる

これは日本では割と普通ですが、
グローバルな場では、かなり分かりにくい

ある設計レビューで、
僕は意を決して話し方を変えました。

Conclusion first.
I recommend option B.

Reason is three points.
First...
Second...
Third...

たったこれだけです。
難しい英語は使っていません。

でもその瞬間、
相手の反応が明らかに変わりました。

  • メモを取り始める
  • 質問が的確になる
  • 議論が前に進む

このとき初めて気づきました。

「伝え方」は、設計と同じで構造がすべてだ


英語が苦手だからこそ、武器になる思考

ここで面白い逆転現象が起きます。

英語が得意な人ほど、
・その場で話せてしまう
・勢いで説明できてしまう

結果、
話が整理されないまま進むことがある。

一方、英語が得意じゃない僕らは、

  • 事前に考える
  • 何を言うか絞る
  • 無駄な表現を削る

これをやらないと話せない。

つまり、
英語が苦手=強制的に構造化するんです。

これが、海外ではめちゃくちゃ評価される。

特に設計やレビューの場では、
「流暢さ」よりも
思考の見通しの良さが信頼に直結します。


「分かりやすい人」は、チームの負債を減らす

もうひとつ、評価が変わった理由があります。

僕はある時から、
**意識的に“専門用語を減らす”**ようにしました。

  • 略語は初回は必ず説明
  • WPFやアーキテクチャの話も、図や例えで補足
  • 「分からなさそうな顔」を見逃さない

すると、
非エンジニアのメンバーや
英語が第二言語のメンバーが、
明らかに発言しやすくなったんです。

結果どうなったか。

  • 仕様の誤解が減る
  • 後戻りが減る
  • 「聞いてない」「知らなかった」が減る

これってつまり、
チームの技術的負債・コミュニケーション負債を減らしている

マネージャーやリード層が
こういう人を評価しないわけがありません。


「話しやすい人」≠「仕事ができる人」

ここでひとつ、
海外で学んだ重要な視点があります。

海外では、

  • 声が大きい
  • よく発言する
  • ジョークがうまい

=仕事ができる
ではありません。

むしろ、

「この人が説明すると、理解が早い」

これが最大の評価ポイント。

だから、
会議で目立たなくてもいい。
完璧な英語じゃなくていい。

誰かの理解を一段上げたか?
そこだけが見られています。


英語力に自信がない人ほど、ここを磨いてほしい

もし今、

  • 海外で働きたい
  • すでに海外で苦戦している
  • 英語にコンプレックスがある

そんな人がいたら、声を大にして言いたい。

英語を「増やす」前に、
構造を「削ぎ落とす」練習をしよう

・結論は何か
・選択肢は何か
・判断基準は何か

これは語学ではなく、
エンジニアとしての基礎体力です。

「うまく話せない」が武器に変わった瞬間

それは、ある設計方針を巡るミーティングでした。
海外チームとの合同レビュー。
参加者は、アーキテクト、プロダクトマネージャー、QA、そして複数国籍のエンジニア。

正直に言うと、
この手のミーティングは、僕にとって一番苦手な場でした。

  • 意見が飛び交う
  • 話すスピードが速い
  • 抽象度が一気に上がる

しかも、その日は設計の根幹に関わる判断が必要だった。


「話せない自分」は、議論の邪魔だと思っていた

ミーティング中、
ネイティブのエンジニアたちが次々と意見を出します。

高度で、流暢で、説得力もある。

一方、僕はというと、
頭の中では整理できているのに、
それを英語にする自信がない。

「下手な英語で割り込むより、黙っていた方がいい」

そう思いかけた瞬間、
画面越しに違和感を感じました。

議論は盛り上がっている。
でも、誰も“なぜ今それを選ぶのか”を言語化していない


勇気を出して言った、たった一言

意を決して、僕は口を開きました。

Can I check one thing?

What problem are we solving now?

文法もシンプル。
表現もかなり稚拙。

でも、その一言で、
ミーティングが一瞬止まりました。

そして、
アーキテクトがこう言いました。

“Good question. Let’s clarify that first.”

そこから流れが変わりました。

  • 目的をホワイトボードに書き出す
  • 選択肢を整理する
  • 判断基準を明確にする

さっきまでの「議論」は、
「意思決定」へと変わった


流暢な英語は、必ずしも思考を深めない

この出来事で、
僕は大きな勘違いに気づきました。

流暢な英語 = 深い議論
ではない。

むしろ逆で、

  • 話せる人ほど、話し続ける
  • 話が進んでいる“気”になる
  • でも前提が揃っていない

これは、どこの国でも起こる。

そして、
英語が得意じゃない僕だからこそ、
**「立ち止まって確認する役割」**に自然となれた。


「分からない」と言える人が、場を救う

ミーティング後、
プロダクトマネージャーから
こんなメッセージが届きました。

“Thanks for stopping us.
That clarification saved us weeks.”

正直、驚きました。

僕はただ、
「分からないから聞いた」だけ。

でも、
その“分からなさ”が、
チーム全体の理解度を揃えた。

このとき初めて、
自分の弱点だと思っていたものが、価値になったと実感しました。


英語が苦手=雑音を入れられない

ここで重要なのは、
僕が評価された理由は、

  • いいアイデアを出した
  • 技術的に圧倒した

ではありません。

「余計なことを言わなかった」
そして、
「本質だけを聞いた」

英語が苦手だと、
・長く話せない
・言い訳できない
・ごまかせない

だから自然と、
核心しか口にしなくなる

これが、
グローバルチームでは想像以上に効きます。


その日から、立ち位置が変わった

それ以降、
僕の立ち位置は少し変わりました。

  • 議論が迷走し始めたら、意見を求められる
  • 新しいメンバーが入ると、説明役を任される
  • 会議の最後に「まとめ」を頼まれる

英語は相変わらず完璧じゃない。

でも、
「この人がいると、話がクリアになる」
そう思われるようになった。


世界に影響を与えるのは、派手な発言じゃない

この経験から学んだのは、
グローバルな場で影響力を持つ方法は、
意外と地味だということ。

  • 目的を確認する
  • 言葉を揃える
  • 判断を整理する

これを、
誰よりも“丁寧に”やる。

それだけで、
チームの生産性も、
プロダクトの質も、
確実に変わる。

今日からできる、あなたが“明確さのアンバサダー”になる方法

ここまで読んでくれたあなたなら、
もう気づいていると思います。

海外で評価されるのは、
「英語がうまい人」ではない。
**「分かりやすさを持ち込める人」**です。

しかもそれは、
特別なスキルでも、
才能でもありません。

今日から、今いるチームで始められる。


① まずは「結論から話す人」になる

これは、すべての基本です。

ミーティングでも、チャットでも、レビューでも、
まず最初にこれを言う。

  • Conclusion: 何を決めたいのか
  • My recommendation: 自分はどう思うのか

英語が短くてもいい。
文法が完璧じゃなくてもいい。

結論が最初にあるだけで、
聞き手の理解コストは一気に下がります。

分かりやすさは、相手への敬意。

この感覚を持てるようになると、
あなたの発言は自然と歓迎されるようになります。


② 「目的が何か」を聞く勇気を持つ

議論が迷走していると感じたら、
遠慮せずにこう聞いてください。

What is the goal of this discussion?

たったこれだけでいい。

これは、
・議論を止める質問ではありません
・空気を壊す質問でもありません

チームを正しい方向に戻す質問です。

むしろ、
誰かが聞いてくれるのを
みんな心の中で待っています。


③ 専門用語を「翻訳する役」になる

C#、WPF、アーキテクチャ、設計思想。
これらは、エンジニア以外には難しい。

だからこそ、
一段噛み砕いて言い換える。

  • 「つまり〇〇ということ」
  • 「ユーザー視点で言うと」
  • 「影響が出るのはこの部分」

この一言があるだけで、
チーム全体の理解度が揃います。

理解を揃える人は、信頼される。


④ 「分からない」を恥だと思わない

海外で働いて一番強く思うのは、
分からないまま進むことの方が、よほど危険だということ。

だから、

  • 分からなければ聞く
  • 曖昧なら確認する
  • 前提がズレていたら指摘する

これは、
語学力の問題ではなく、
プロとしての姿勢です。

英語が苦手だからこそ、
この姿勢はむしろ自然にできる。


⑤ グローバルは「遠い場所」じゃない

Global Reach というと、
どこか遠い世界の話に感じるかもしれません。

でも実際は、

  • 自分のチーム
  • 自分の設計説明
  • 自分の一言の整理

そこから始まっています。

あなたが持ち込んだ
小さな明確さが、

  • チームの生産性を上げ
  • 無駄な手戻りを減らし
  • 多様な意見を引き出す

その積み重ねが、
確実に影響を広げていく。


英語に自信がないエンジニアへ

最後に、
かつての自分と同じように
悩んでいる人に伝えたい。

英語が苦手でも、
世界で価値を出すことはできる。
むしろ、その方が強いこともある。

流暢さより、明確さ。
饒舌さより、構造。
完璧さより、誠実さ。

あなたが今日、
一つでも「分かりやすさ」を持ち込めたなら、
その瞬間から、
**あなたは“明確さのアンバサダー”**です。


行動への一歩(Call to Action)

明日のミーティングで、
これだけやってみてください。

最初に、結論を一文で言う。

それだけで、
世界は少し動き始めます。

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