“心が折れそうだった”入社初期。英語が聞き取れない日々と、その乗り越え方

「わからない」が連続する現場で、どう立ち続けるか

  1. “何も聞こえない”という現実に、打ちのめされた日
    1. 「あれ…今、なんて言った?」
    2. 会議の90%が「聞いたふり」
    3. 自信が消えていくスピードに、心が追いつかない
    4. でも、“音”のせいじゃなかった
  2. 「聞き返すのが怖い」から、「聞き返さないと危険」へ
    1. 聞いたふりが招いた、小さな“事故”
    2. 「聞き返すのが怖い」の正体
    3. 救ってくれた「聞き返しのテンプレ」
      1. 🔹 丁寧に聞き返す:
      2. 🔹 一部だけ確認したいとき:
      3. 🔹 単語が聞き取れなかったとき:
      4. 🔹 曖昧な内容に釘を刺すとき:
    4. 聞き返すたびに、“信頼残高”が少しずつ回復した
  3. “音が意味に変わる”瞬間が、ある日突然やってきた
    1. 聞こえるようになったのは、英語力が伸びたからじゃなかった
    2. 「毎日が教材」だったことに気づいた
    3. 「聞き返す勇気」は「聞き取れる自信」に繋がっていた
    4. 英語を聞き取れるようになった“もうひとつのコツ”
  4. 聞き取れるようになった今、過去の自分に伝えたいこと
    1. “英語が聞き取れるようになった”というのは、静かな変化だった
    2. 聞き返すことは、コミュニケーションを止めることじゃない
    3. “聞こえなかった自分”に、ありがとうと言いたい
    4. 英語が聞き取れない日々の中で得た、いちばんのギフト
    5. 海外で、英語の壁にぶつかっているあなたへ

“何も聞こえない”という現実に、打ちのめされた日

「あれ…今、なんて言った?」

入社初日。チームミーティングで言われた。

“Let’s sync after standup and go over the backlog real quick.”

──何ひとつ聞き取れなかった。

知っている単語があるような気もした。
でも、繋がりが早すぎて、意味がまったく浮かばない。

「real quick…って何? backlogって何?」
「syncって、メールのこと? standupって立ちミーティング?」
──頭の中で疑問符が並ぶ間に、話は次に進んでいた。


会議の90%が「聞いたふり」

Slackでのやり取りは何とかなる。
でも、音声での会話になると、頭がフリーズする。

Zoomミーティングでは、相手が話し始めた瞬間からプレッシャーが襲ってくる。

✔ “言ってる意味が全然入ってこない”
✔ “聞き返すタイミングを逃した”
✔ “その場で質問する勇気がない”
✔ “聞き逃した内容が、あとでタスクになる”

そして、心の中でこう叫ぶ。

「俺、ここにいていいのか?」


自信が消えていくスピードに、心が追いつかない

技術には自信があった。
C#やWPFのコードなら、仕様を見ればある程度わかる。

でも、**言葉が聞き取れなければ“何もできない”**と実感する。

– 仕様の確認もできない
– チームの流れについていけない
– 課題が何かも把握できない

「英語が聞き取れないだけで、こんなに“無力感”を感じるのか」

自分の存在価値すらわからなくなった。


でも、“音”のせいじゃなかった

その後、帰宅してもう一度会議の録音を聞いてみた。

“Let’s sync after standup and go over the backlog real quick.”

…なんだ、ちゃんと聞こえるじゃないか。

単語は聞き取れる。
でも、そのときは**「予測」ができていなかった**だけだった。

✔「sync」は“軽く打ち合わせ”
✔「go over」は“見直す”
✔「backlog」は“未処理のタスク”

つまり、単語の意味を知っているだけじゃ、会話についていけない。
状況と文脈がないと、音がただの「ノイズ」になってしまう。

「聞き返すのが怖い」から、「聞き返さないと危険」へ

聞いたふりが招いた、小さな“事故”

ある日の朝会。リーダーからタスクの割り振りがあった。

“Hiro, can you take the validation logic? Just need to make sure we don’t double-trigger events.”

そのときも、うまく聞き取れなかった。
「validation…?イベント…?」ぐらいしか拾えなかった。

聞き返すべきだった。でも怖くて、こう答えた。

“Sure, I’ll take care of it.”

数日後、レビューで言われた。

“Wait… this isn’t what we discussed. It’s the opposite logic.”

完全に誤解していた。

しかも、レビューコメントには「Did we miscommunicate?」と書かれていた。

この一言が突き刺さった。

“ミスコミュニケーション”…聞き返せなかった自分のせいだ。


「聞き返すのが怖い」の正体

なぜあのとき聞き返せなかったのか。
それを自分なりに振り返ってみると、こんな理由があった。

  • 相手に「英語ができない」と思われそうで恥ずかしかった
  • 何度も聞き返したら迷惑がられるかもしれない
  • 一度で聞き取れない自分が“無能”に感じた

でも、後で先輩に言われた言葉がすべてを変えた。

“It’s more professional to ask again than to pretend you understand.”

「わかったふりは、プロとして一番危ないよ。」


救ってくれた「聞き返しのテンプレ」

その先輩が教えてくれた、実際に僕が助けられたフレーズを紹介したい。

🔹 丁寧に聞き返す:

“Sorry, could you say that again more slowly?”

🔹 一部だけ確認したいとき:

“Just to make sure I understood — we are talking about the validation on submit, right?”

🔹 単語が聞き取れなかったとき:

“Sorry, what does ‘double-trigger’ mean in this context?”

🔹 曖昧な内容に釘を刺すとき:

“Let me repeat what I understood, and you can tell me if I’m missing anything.”

これらを使うことで、「聞き返す=迷惑」ではないことを実感した。

むしろ、聞き返したことで相手が
「お、ちゃんと理解しようとしてるな」
という反応をしてくれる場面も増えた。


聞き返すたびに、“信頼残高”が少しずつ回復した

それからの僕は、「わからない」と思った瞬間に言うようにした。

“Sorry, can I ask again?”

するとどうだろう。

✔ 相手の声がゆっくりになった
✔ チャットで補足してくれた
✔ 時には画面共有して説明してくれた

そして何より、間違えることが減った。

つまり、「聞こえなかったけど質問しなかった自分」より、
「ちゃんと確認した自分」のほうが、よっぽど信頼されていたのだ。

“音が意味に変わる”瞬間が、ある日突然やってきた

聞こえるようになったのは、英語力が伸びたからじゃなかった

毎日ミーティングに出続けて、
毎日聞き返して、
毎日「やばい、またわかんない」と落ち込んで、
──それでも“慣れ”は少しずつ蓄積されていたらしい。

ある日、チームリーダーが何気なく言った。

“Let’s postpone the code freeze till Friday so QA can catch up.”

そのとき、不思議な感覚があった。

「え? 今の、全部意味がわかったぞ?」

しかも、頭の中で訳していない。
そのまま、言葉が意味として“耳に入ってきた”。

✔「postpone」=延期する
✔「code freeze」=コード凍結(開発停止)
✔「QA」=品質保証チーム
✔「catch up」=追いつく

どれも、今まで何度も聞いてきた表現だった。
でも、この日はなぜか“自然に”聞こえていた。


「毎日が教材」だったことに気づいた

このとき初めて、自分の中でピースが揃った気がした。

リスニングは、“耳の訓練”じゃなくて“文脈の経験値”だ。

毎日聞き流していたフレーズが、
自分の中で“意味のある文脈”として蓄積されていた。

そしてある日、それが**「あ、知ってる」→「聞こえる」**に変わる。

つまり、“リスニング力”とは、単語力+状況判断力の積み重ねだった。


「聞き返す勇気」は「聞き取れる自信」に繋がっていた

相手に聞き返して、
補足してもらって、
それを何度も繰り返すうちに、ある変化が起きた。

✔ 同じフレーズが出てきたとき、次は聞き取れる
✔ 聞き取れたとき、内容がスッと入ってくる
✔ 内容がわかると、逆に質問できるようになる

つまり、こういう流れだった。

「聞き返す勇気」 → 「理解の土台」 → 「聞き取れる瞬間」 → 「話せる余裕」

聞き返したからこそ、次に同じ話が出たときに理解できる。
理解できるから、余裕を持って聞ける。
そして、少しずつ“対話の中にいられる自分”になっていく。


英語を聞き取れるようになった“もうひとつのコツ”

実は、もう一つ大きなきっかけがあった。

それは──

「相手の“顔”を見ること」だった。

Slackやメールのやり取りでは気づけない、
ネイティブの“口の動き”や“表情”、“間の取り方”。

Zoomのカメラを「ON」にするようになってから、
発音や抑揚、キーワードの強調など、非言語のヒントが一気に増えた。

リスニングは、音だけのスキルじゃない。
視覚+背景+繰り返しで、ようやく「意味」として入ってくる。

聞き取れるようになった今、過去の自分に伝えたいこと

“英語が聞き取れるようになった”というのは、静かな変化だった

ある日、ふと気づいた。

あれ? 今日はミーティングで一度も「Sorry?」って言わなかったな。

最初の頃の僕だったら信じられない。
「どうせわからない」「どうせ聞き逃す」と思っていたのに──
今では、内容を理解しながらメモを取り、タスクを整理している自分がいる。

でも、それは一夜にして訪れた変化じゃなかった。

✔ 毎日のミーティング
✔ 聞き返す勇気
✔ ひとつひとつの会話の“意味”を積み重ねた日々

その積み重ねが、“いつの間にか聞こえる耳”を育てていた。


聞き返すことは、コミュニケーションを止めることじゃない

むしろ、聞き返すことで会話が“深まる”場面すらあった。

あるとき、こんなやりとりがあった。

“Let’s just patch the hotfix and move on.”

僕はすかさず聞き返した。

“Sorry, do you mean we deploy it today or after QA finishes testing?”

すると相手は笑ってこう言った。

“Good catch. Actually, yeah, let’s wait for QA first.”

──これが、チームのリスクを一つ減らした瞬間だった。

聞き返すことは、単に“自分の理解”を補う行為じゃない。
プロジェクト全体を正しい方向に保つ、大事な行動なんだと気づいた。


“聞こえなかった自分”に、ありがとうと言いたい

当時は、自分が情けなかった。

✔ 聞き返せない自分
✔ 内容を見失う自分
✔ 周囲についていけず、悔しさばかりが募る毎日

でも今は、その時間があったからこそ、
「伝わる」「伝える」ことの難しさも、価値も、痛いほど理解できる。

もし、最初から英語が得意だったら──
「わかるふりをしてスルーする危うさ」や
「“聞き返す勇気”がどれほど大事か」に気づけなかったと思う。


英語が聞き取れない日々の中で得た、いちばんのギフト

それは、“完璧じゃなくていい”ということ。

✔ 聞き取れなくても、聞き返せばいい
✔ 聞き返してもわからなければ、助けを求めればいい
✔ 英語がうまくなくても、意思があれば通じる

そして、誰かが聞き返したとき、今は僕がこう言える。

“No worries, I can repeat it.”

聞き返していた僕が、今は聞き返される側になった。
そして、笑って応えられるようになった。


海外で、英語の壁にぶつかっているあなたへ

英語が聞き取れない。怖い。自信がない。
──全部、痛いほどわかる。

でも、あなたに伝えたいのはただ一つ。

「聞き返すことは、勇気じゃなくて、責任です。」

あなたが聞き返すことで、
プロジェクトが守られ、
誤解が減り、
信頼が生まれます。

だから、聞き返していい。
何度でも、聞き返していい。

それが、ちゃんと戦っている証拠です。

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