座りっぱなし地獄から抜け出したら、世界が変わった話
海外でエンジニアとして働き始めてから、思ったことがある。
「なんでこんなに一日中座ってるんだ、自分」って。
朝イチでPCを開き、コードを書き始め、
ランチもデスクでサクッと済ませ、
午後もそのまま会議とデバッグで座りっぱなし──
気づけば1日10時間以上イスに張りついている。
それなのに、“仕事した感”があまりない。
むしろ、なんかずっと疲れてる。
- 肩が凝る
- 腰が重い
- 集中が続かない
- 頭がぼーっとする
海外でエンジニアとしてバリバリやっていくぞ!と意気込んでたのに、
身体が思うように動かない。
集中したいのに、脳が働いてくれない。
で、気づいたんですよ。
「もしかして、“ずっと座ってる”のが原因じゃない?」って。
海外では当たり前?スタンディングワークカルチャー
そんなとき、あるヨーロッパの企業に出向した際、衝撃を受けた。
フロアを見渡すと──
めっちゃ立ってる人が多い!
- デスクが上下に動くのは当たり前
- 会議もスタンディングで
- コードレビューも、立ち話で済ませる
「ずっと座ってるのは身体に悪いよ」
「午後は立ってるほうが集中できるし」
「立ちミーティングのほうが話が早い」
彼らにとって、立って仕事をするのは“健康”だけじゃなく“効率”のためだった。
この時、僕は決めた。
「帰国したら絶対スタンディングデスク導入しよう」
「まずは、立ってコーディングしてみよう」
最初の立ち仕事は、意外と過酷だった
いきなりAmazonで昇降式デスクをポチり、翌週には自宅に設置完了。
「これでバリバリ立って働くぞ!」
──そう意気込んで始めたものの、初日で撃沈。
足がだるい、膝が痛い、集中できない。
1時間も持たなかった。
「こんなのムリだよ…」と心が折れかけたけど、
少しずつ時間を延ばしながらやっていくうちに、身体が慣れてくる。
そして2週間ほど経った頃から、明らかな変化が出てきた。
- 午後の眠気が激減
- 長時間の集中が続くように
- 頭の回転が早くなった気がする
- 腰痛が軽くなった
コードの質まで上がったかは分からないけど、
少なくとも**「仕事をしてる感」=没入感**が、段違いに変わった。
なぜ“立つだけ”でそんなに変わるの?
この感覚の変化、ちゃんと調べてみたら、科学的な裏付けもあることが分かった。
✅ 集中力の向上
- 立っているとき、血流が増え、脳への酸素供給がアップ
- その結果、注意力・作業効率が高まる
参考:Harvard Business Review|Standing Desks Are Overrated
✅ メンタルの安定
- 長時間の座位は、ストレスホルモン(コルチゾール)増加と関連
- 定期的に立つことで、気分のリフレッシュやストレス軽減につながる
参考:British Journal of Sports Medicine|Sedentary behavior and mental health
✅ 身体への好影響
- 腰痛・肩こりの改善
- 血糖値・血圧のコントロール
- 長期的には、糖尿病や心血管リスクの低下にも
「集中力が続かない…」の根本は、“座りっぱなし”かもしれない
集中力が落ちるのって、
タスクの難易度とか、気持ちの問題とか、いろいろ言われるけど──
意外と身体の姿勢や血流の問題だったりする。
特に、僕らエンジニアは“思考”で戦う職種。
なのに、その思考を生み出す脳の環境(=身体)を無視してることが多い。
- 頭がボーッとする
- 眠気がひどい
- 午後になると集中が切れる
- レビューの指摘が刺さる
- 思考がネガティブになる
そんなときに試してほしいのが、
**「とりあえず立ってみる」**っていう最小のアクションなんです。
スタンディングデスクを取り入れてわかった5つのリアル
スタンディングワーク、確かに良さそう。
でも、「実際のところどうなの?」って気になりますよね。
僕も導入する前は、以下のような疑問だらけでした。
- 立ってるだけでそんなに集中できるの?
- 腰痛とか肩こりって本当に良くなる?
- そもそも長時間立ってられるの?
- 周りから「意識高い系」って思われない?
- 作業効率は落ちないの?
…で、実際に導入してみた。
**3ヶ月、本気で運用して見えてきた「リアルな変化」**をお伝えします。
① 午後の“集中切れゾーン”が消えた
もともと、14〜16時って鬼門でした。
昼食後の血糖値の乱高下、室内の空調、同僚の雑談──
何もかもが集中力を奪ってくる。
でも、午後イチから立ち仕事モードに切り替えるようにしてから変化が。
- 頭がスッキリ
- 眠気が出にくい
- 気づいたら2時間集中してた、なんてことも
立ってるだけでなぜここまで変わるのか、最初は信じられなかった。
でも「姿勢」と「脳のパフォーマンス」がこんなにリンクしてるんだと実感。
② 「疲れ方の質」が変わった
これは特に印象的でした。
以前は1日仕事を終えると、“脳みそがベタベタに疲れる”感じがしてた。
けど、立ち仕事に切り替えてからは、
**身体の“心地よい疲労感”**に変化。
もちろん最初のうちはふくらはぎがパンパンになります。
でも、ちゃんと座る時間と交互にすれば、筋肉痛も数日で消える。
なにより、夜の睡眠の質が上がった。
これは多くの海外エンジニアも言っていて、
「適度に立ってた日は、明らかによく眠れる」
というのは割と“あるある”なんです。
③ 腰・肩・首の慢性的なこりが改善した
長時間のデスクワークでつらいのが、
- 腰の違和感
- 肩から首にかけての重さ
- ストレートネックによる頭痛
これらが、立ち仕事メインにして1ヶ月ほどで明らかに改善。
実はこれ、座っているときの姿勢の悪さが原因なんです。
- 腰を丸めて座る
- 首が前に出る
- 背中が猫背になる
スタンディングデスクを使うと、これらが自然と改善されます。
なぜなら立ってると、サボれないから。
骨盤を立てて背筋を伸ばす=正しい姿勢を意識しやすくなるんです。
④ 作業スピードは「若干落ちる」けど、質が上がる
これは正直な話。
- 立ってると集中力は続くけど
- 細かい操作(ショートカット多用とか)はやややりにくい
特に長時間のタイピングや、デバッグのループ作業など、繊細な作業は座ってやるほうがやりやすいというのが僕の感想です。
だけど、考える作業、設計、仕様検討、レビュー対応など
「頭を使う系」にはスタンディングが圧倒的に向いてる。
つまり、
| タイプ | おすすめ姿勢 |
|---|---|
| コーディング(量産) | 座り作業(集中モード) |
| 設計・レビュー | 立ち作業(思考モード) |
| 会議 | 立ち作業(テンポ重視) |
こんなふうに**“作業に応じて姿勢を使い分ける”のがベスト**です。
⑤ スタンディングデスク導入のハードルは意外と低い
最後に気になる「設備まわり」について。
昇降式デスクって高そう…と思いきや、
最近は1万円台〜の手動モデルや、
デスク上に載せる「卓上昇降スタンド」もある。
また、職場で導入が難しい場合でも、
- 折りたたみ式の脚台を使ってノートPCを高くする
- 外付けキーボード・マウスを活用して立ち仕事スタイルに変える
──など、工夫次第で十分対応可能です。
会社によっては「健康促進」や「働き方改善」の補助金で買える場合もあるので、上司やHRに相談してみる価値アリ。
ミニTips|僕がやってる“ゆるスタンディング術”
導入に迷ってる人に向けて、ゆるく始める方法を紹介します。
🕐 1日15分×2セットから始める
→ 朝と午後の作業タイムを、15分だけ立ち作業に切り替える
🪑 会議だけ立ちでやってみる
→ 立って会議するとテンポが良くなるし、姿勢が整う
🔁 “ポモドーロ”で姿勢を切り替える
→ 25分座る → 5分立つ → 繰り返す
→ 長時間集中の疲労感が減る
🎧 BGMを変えて「立ちモード」スイッチON
→ Lo-Fiやアンビエント系BGMで気分転換を図る
なぜ“立つ”ことで脳が覚醒するのか? 科学とエンジニア脳の深い関係
スタンディングワークを実践してみてわかったのは、
「立つだけで、明らかに頭の回転が速くなる」という実感でした。
ただ立ってるだけ。なのに、なぜこんなにも集中できるのか?
この体感を裏付ける科学的な視点と、
エンジニアならではの「脳の使い方」にフォーカスして、掘り下げていきます。
🧠 立つと“脳”に何が起きるのか?
まず大前提として知っておきたいのが、
**「脳はめちゃくちゃ“血流”に敏感」**だということ。
脳は体重のたった2%の重さしかないのに、
全身の酸素の20%を消費する“超エネルギー食い”の臓器。
つまり、
✅ 脳への血流が増える → 酸素と栄養が増える → パフォーマンスUP
✅ 脳への血流が滞る → 酸素不足 → 思考力ダウン、眠気、イライラ
この血流の大部分は、姿勢と運動に強く影響されるのです。
🪑 座りすぎは「現代病」
現代人、1日平均で7〜10時間座ってると言われています(特にIT職はもっと)。
問題は、長時間座ることで…
- 心拍数が落ちる
- 呼吸が浅くなる
- 下半身の筋肉が使われなくなる
- 代謝が落ち、脳が“省エネモード”に入る
こうなると、脳の覚醒レベルが下がり、思考が鈍るんです。
これはまさに、OSがスリープに入る瞬間と同じ。
省エネモードでは、コンパイルもビルドも遅くなる。
立つという行為は、エンジニアにとっての「CPUクロックを元に戻す」ようなもの。
💥 立つと、ノルアドレナリンが出る
もうひとつ大きなポイントは、
立つことで**「ノルアドレナリン」という神経伝達物質**が分泌されること。
これは「やる気」や「集中」を司る物質で、
軽い運動や姿勢の変化で自然と分泌されます。
- やる気スイッチが入る
- 注意力が増す
- 作業効率が上がる
つまり、「立つだけでやる気が出る」のは、
脳内物質的にも正解なんです。
⚡️「情報処理系の脳」と「空間認知系の脳」が活性化
立つことで刺激されるのは、前頭前野(PFC)や頭頂葉。
- PFC(前頭前野):論理的思考・判断・意志決定を担当
- 頭頂葉:空間把握や作業メモリを司る
特にWPFやUI設計をしているエンジニアには、
「レイアウトや状態遷移を頭の中でシミュレートする」能力が求められますよね。
この空間的イメージ処理は、
座ってボーっとした状態ではなかなか活性化されません。
だからこそ、「立って体を使いながら思考する」ことが、
WPFなどのビジュアル設計やUX思考に好影響を与えるのです。
🧩 “脳疲労”とスタンディングの関係
脳疲労の最大要因の一つが「姿勢固定による筋緊張と血流不足」です。
- 同じ姿勢を続ける
→ 筋肉が動かず、酸素が行き届かない
→ 乳酸などの疲労物質が溜まる
→ 脳の処理能力が落ちる
これが続くと、「考えたくない…」という状態になり、
エンジニアとしての生産性は一気に下がります。
スタンディングで姿勢を変えることで、
筋ポンプが働き、血流が回復し、脳が再起動する。
ちょっと立つだけで「もうひと頑張りできる」のは、
脳に再び電源を入れるような効果なんです。
👨💻 エンジニアは“脳を仕事道具”として扱うべき
僕たちの武器は、マウスでもキーボードでもなく、「脳」です。
ならば、それをメンテナンスしない手はない。
- 疲れに気づいたら立つ
- アイデアが出ないときは歩く
- レビューで詰まったら姿勢を変える
こういう小さな脳ハックを積み重ねていくことで、
エンジニアとしての思考力・集中力は確実に伸びていきます。
立ち上がれ、エンジニア。スタンディングを“習慣化”する技術
ここまで、「立つことで得られる集中力・体調・思考の明確な向上」を解説してきました。
でも実際は…
- 朝はバタバタで、立つ余裕なんてない
- 気づいたら1日座りっぱなし
- 立つのを忘れてる
そんなことも多々ありますよね。
僕も最初は完全に「3日坊主」でした。
でも、ちょっとした仕組み化と工夫で、
自然に「立つ」が日常の一部になっていきました。
この「結」では、エンジニアとして習慣化する技術と、
海外で出会った“立ち仕事エンジニア”たちのリアルエピソードを紹介します。
🧰 習慣化Tips:僕が試して“効いた”方法ベスト5
1. 時間で区切る:ポモドーロ+姿勢チェンジ
王道の「25分集中→5分休憩」のポモドーロテクニックに、姿勢チェンジを組み合わせ。
- 25分 座りで集中
- 5分間 スタンディング or 軽く歩く
これを4セットやるだけでも、「体のだるさ」と「脳の疲れ」がかなり軽減されます。
🔧 ツール例:
- Focus To-Do(アプリ)
- シンプルなスマホのタイマーでもOK
2. “会議=立ち”ルールを作る
ミーティングの時に、あえて「立って参加する」と決めておくと自然に習慣になります。
ZoomならカメラオフにすればOK。
対面会議でも「自分だけ立っても案外誰も気にしない」ってわかってきます。
📣 海外ではむしろ立って会議するほうが「積極的」と評価される文化も。
3. 仕事環境に“物理的仕掛け”をつくる
- スタンディングデスク(昇降式 or 卓上スタンド)を用意
- デスク横に小さなステップ台を常設(足を乗せて疲れ軽減)
- 「立ち時間専用のスピーカー」「立ち作業用BGMプレイリスト」を設定
→ “立ちスイッチ”が入る環境を作っておくのがポイントです。
4. 週に1日「立ち中心の日」をつくる
すべてを毎日やろうとしなくてもOK。
たとえば水曜日だけは「午後は基本立ち作業」にすると決めてしまう。
これだけで意識がガラッと変わります。
5. “ごほうび”を設定する
立ち時間が30分超えたら…
- コーヒー休憩OK
- 好きなおやつを食べてOK
- アプリのスタンプを貯める(ゲーム感覚)
自分だけの“ゲーミフィケーション”を導入すると楽しく続きます。
🌍 海外のエンジニアはどうしてる?
実際に僕が海外で出会ったエンジニアたちの“立ち習慣”、印象的だった例を紹介します。
👨💻 スウェーデンのUXデザイナー:マッツ(30代)
「毎朝、立ち作業からスタートするのが“儀式”。座るときは“覚悟”を決める時だけ」
→ 午前はずっと立ち、午後はタスクによって調整。体調もメンタルも安定してる印象。
👩💻 シンガポールのPM:アナ(40代)
「立ってると“しゃべりすぎ”が減るのよ(笑)会議のテンポが良くなるから」
→ オフィスの会議室は立ち会議仕様になっていた。効率とクリアな思考が目的。
🧔♂️ カナダのシニアSE:ジョン(50代)
「腰をやられてから始めたけど、今は“思考を切り替える装置”として使ってる」
→ 立つことで“自分のモード”を切り替えるトリガーとして利用しているのが印象的でした。
🎯 最後に:立つことは「自己メンテナンス」
僕たちは毎日、エンジニアとしてコードを書く脳・考える脳を酷使しています。
スタンディングワークは、言ってみればその脳に対するメンテナンス手段の一つ。
- 腰痛・肩こりを防ぐ
- 集中力を高める
- メンタルのブレを減らす
- 脳のパフォーマンスを安定化する
この4つが、ただ「立つ」だけで手に入るなんて、正直やらない手はない。
📝 実践ガイド:まずはここから
| ステップ | やること |
|---|---|
| Step 1 | 卓上スタンドや箱で即席スタンディングスペースをつくる |
| Step 2 | 午後だけ、会議だけ、など“限定導入”してみる |
| Step 3 | 1週間に1日“スタンディングメインデー”を設ける |
| Step 4 | 快適さを追求し、ツール・机・タイマーを導入 |
| Step 5 | 気づいたら“自然と立ってる”状態を目指す |
🧘 まとめ:立ち上がれ、あなたの脳のために
エンジニアとして、僕たちは日々“目に見えない戦い”をしています。
仕様変更、バグ、コミュニケーション、集中力との戦い。
その全てにおいて、“脳”というハードウェアをフル稼働しているのです。
スタンディングワークは、そんなハードウェアを守り、強化する最強の選択肢の一つ。
ぜひあなたも、次のタスクを「立って始めて」みてください。

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