仲良くならなくていい。信頼されればいい。
「ネイティブとうまくやっていけるかな?」
海外チームに入る前、僕が一番不安だったのは英語力じゃなかった。
**“関係性を築けるかどうか”**だった。
雑談もスモールトークも苦手。
ましてや、それを英語でやるなんて無理ゲー感しかない。
でも実際に入ってみてわかったのは、
英語が流暢じゃなくても、ちゃんと信頼は築ける。
仲良くならなくても、「仕事相手として頼れる人」にはなれる。
その鍵は、話し方ではなく**「関わり方」**にあった。
🤝「話せる=信頼される」ではない
多国籍チームに入った当初、最も話していたのはインド人の同僚だった。
彼は母国語訛りの英語で、早口かつとにかく饒舌。
でも、会議が終わったあとアメリカ人リーダーが言った。
“I’m not sure I really follow what he’s saying.”
逆に、ほとんど話さないルーマニア人エンジニアについてはこう言った。
“She doesn’t talk much, but she always delivers. You can count on her.”
このとき僕ははっきりと理解した。
信頼とは、“量”ではなく“質”で築かれるものだ。
🧭 ネイティブとの関係を作るには、「英語力」より「見せ方」
英語ができなくても、「この人、頼れる」と思われる人には共通点がある。
それは、以下のような小さな振る舞いの積み重ねだった。
| 行動 | 相手に与える印象 |
|---|---|
| 話を最後まで聞く | 忍耐力・理解力がある人 |
| 要点を短く返す | 考えてから話す人 |
| 返信が一言でも丁寧 | 丁寧で気配りのある人 |
| わからないことを聞ける | 素直で誠実な人 |
| 自分から確認する | 仕事の信頼が置ける人 |
これらはすべて、流暢な英語である必要はない。
大事なのは、「この人と一緒に仕事をしたら安心」と思わせること。
🧠 「ネイティブに好かれたい病」から抜け出す
海外で働く日本人エンジニアの多くが、初めてグローバルチームに入ったときに陥る落とし穴がある。
それは、「ネイティブに嫌われたくない」「ネイティブに気に入られたい」という心理。
でも、ネイティブ側はそんなにこちらを気にしていない。
むしろ彼らが求めているのは、
“ちゃんと話が通じて、成果が出せる人”だけ。
たとえ多少英語がぎこちなくても、下記のような行動のほうがよっぽど信頼に直結する:
- 「I’m not sure. Can I check and get back to you?」と正直に言える
- 質問をする前に、きちんと調べている
- Slackでの説明がクリアで、返信が丁寧
こういう人に対しては、ネイティブもちゃんと向き合ってくれる。
🔍 “信頼される非ネイティブ”が持っている3つの武器
僕が見てきた中で、特に評価されている非ネイティブの特徴を3つにまとめると、こうなる。
① 反応が的確(≠ 早口)
- 無理に速く返そうとしない
- ちゃんと理解した上で、短く要点を返す
例:
“Thanks – let me double-check and get back to you.”
“Got it. I’ll take care of it.”
② 自分から動く姿勢がある
- 依頼されたら待つのではなく、自分から進捗を報告
- 不明点があれば質問をため込まずに相談
例:
“Quick update on the task — I’ve finished the logic, testing next.”
“Is this the approach we want for the UI? Just double-checking.”
③ “わからない”を言える勇気がある
- プライドより理解を優先
- チームの理解度を上げることを優先できる人
例:
“Sorry, just to clarify — by ‘streamlining’, do you mean removing steps?”
“I might need a bit more context here — could you explain briefly?”
📘 雑談しなくても、信頼は築ける
「ネイティブと英語で雑談できないと仲良くなれないのでは…?」
実は、これは思い込みにすぎない。
僕は、アメリカ人の上司と1年間以上一緒に働いて、スモールトークをした回数はたったの3回だった。
でも、その上司は僕に「次の案件のリードを任せたい」と言ってきた。
理由はシンプルだった。
“You’re consistent, you ask the right questions, and you never leave things unclear.”
つまり、信頼を積み重ねるために必要なのは「英語力」でも「ノリ」でもなく、「関わりの質」だったのだ。
“話せない”を恐れない:ネイティブと信頼を築く日常アクション
ネイティブと信頼関係を築くと聞くと、多くの人がこう考える。
「英語で雑談できるようにならなきゃ」
「間違ったら恥ずかしい」
「会話を盛り上げなきゃいけない」
でも、そのどれもが必要条件ではない。
僕が実際に経験してきた中で、非ネイティブとしてネイティブに信頼されている人たちは、みんな“ある共通点”を持っていた。
それは、「日々のちょっとした関わり方」で信頼を積み上げていたこと。
ここでは、英語に自信がなくてもすぐ実践できる「日常アクション術」を紹介する。
🧊 雑談が苦手でも、「観察」と「一言」で距離は縮まる
英語でスモールトークができない。
これは多くの非ネイティブにとってハードルのひとつだ。
でも、「会話を盛り上げる」必要なんてない。
観察して、“一言だけ”添える。
それだけで、関係性は自然と動き出す。
🔹 SlackやZoomでの「観察+一言」の例:
- 相手が新しいアイコンに変えていた
→ “Nice new profile pic!” - 画面越しにペットが映った
→ “Is that your cat? So chill.” - カジュアルな服装でミーティングに参加していた
→ “T-shirt Friday look — love it.”
✅ ポイント:内容より、「あなたに関心があります」のサインが大切
✉️ Slackやメールの「返信力」が信頼を生む
「英語が得意じゃないから、必要最低限しか書かない」
気持ちはわかる。でも、その“最低限”に、あと一言足すだけで印象がガラッと変わる。
🔹 BEFORE:
OK.
🔹 AFTER:
OK – thanks for the heads up.
Got it – I’ll take care of it.
Sounds good – appreciate the update.
たったそれだけで、「無機質な人」から「丁寧で感じのいい人」へと印象が変化する。
🧱 “報連相”の代わりに“プロアクティブな通知文化”を使う
日本の「報・連・相」文化では、上司に報告して指示を仰ぐのが定番だが、
グローバルチームではむしろ**「指示される前に、現状を透明にする」**ことが評価される。
🔹 使えるフレーズ例:
- “Quick update on the progress: […]”
- “Just letting you know that I’m working on […] and aiming to finish by […]”
- “Running into a small blocker on [X]. Looking into it now.”
✅ 重要なのは、「問題があるかどうか」ではなく**“状況を把握して動いていること”を相手に伝えること**
🧠「わからない」と言える人が、一番信頼される
ネイティブと話すとき、「わからない」と言っていいのか、すごく悩んでいた。
でも本当は、“聞ける人”こそが一番安心される。
なぜなら、「そのまま理解したふりをする人」が一番危険だからだ。
🔹 安心感のある聞き返しテンプレ:
Sorry – just to make sure I understand, when you say “X”, do you mean […]?
I think I missed a part – could you clarify what you meant by […]?
That’s a new term for me – could you explain briefly?
こう言える人は、**“誤解を恐れず、確実に進めようとする姿勢”**が伝わる。
🧭「自己紹介」に力を入れると信頼貯金がたまる
意外と見落とされがちなのが、「初対面の挨拶」の重要性。
非ネイティブとしてチームに入るときは、最初の数秒で“信頼の土台”が決まる。
🔹 例:Slackで初めて自己紹介する場合
Hi all, I’m Hiro from Tokyo – excited to work with you!
I’ve mainly worked on WPF/C# for UI-heavy apps, and I’m looking forward to collaborating.
Feel free to reach out anytime – and I’ll do my best with English 😊
✅ ポイント:
- 自分の得意分野を一言入れる
- 英語に自信がなくてもオープンに伝えることで、**“安心して話せる人”**になる
🔁 失敗したときほど、挽回チャンス
英語でのやり取りで、誤解を生んでしまった。
返信を忘れていた。
返事が遅くなってしまった。
そんなときほど、関係を深めるチャンスでもある。
🔹 誤解のフォローアップ例:
Apologies – I realized my earlier message might have been unclear.
To clarify, what I meant was […]
🔹 返信が遅れたときの一言:
Sorry for the delay – catching up now!
Appreciate your patience 🙏
こうした一言があるだけで、「信頼しても大丈夫な人だ」と思われる。
🧩 信頼とは、“理解してくれる人”のこと
最終的にネイティブとの関係性に一番効くのは、「共感力」だと僕は思う。
- 相手の発言に“ちゃんと反応する”
- スタンプだけじゃなく、“短い感想”を添える
- 困ってる様子の人に“ひとこと声をかける”
どれも、語彙力より**「人間力」**でできることだ。
“味方”ができると世界が変わる:ネイティブと協働するための信頼構築術
信頼される非ネイティブには、必ずと言っていいほど“味方”がいる。
- Slackでよく助けてくれる人
- 会議で補足してくれる人
- 技術的に困っていたらDMをくれる人
そういう味方が1人でもいると、
「外国人」としての緊張感が一気にやわらぐ。
そしてその味方の存在こそが、
自分の信頼をチームに伝播させる媒介になる。
では、どうすればネイティブの中に“味方”をつくれるのか?
ここでは、僕自身や他の非ネイティブ同僚が実践していた「ネイティブとの信頼構築テクニック」を紹介しよう。
🧲 1対1の時間が「関係性」を生む
グループチャットや会議では、言語の壁を越えにくい。
でも1対1なら、話のスピードも落ちるし、相手の顔色もわかる。
僕が最も信頼されたネイティブの同僚との関係も、Slack DMでの1対1会話から始まった。
🔹 きっかけになった一言:
Thanks for the explanation earlier – I’m still learning some of the terminology, so that really helped!
この一言から、相手が「気にかけてくれるようになった」。
✅ ポイント:
- 感謝+自分の学びの姿勢をセットで見せると、相手は支援しやすくなる
🤝 “ミスの共有”は、信頼の加速装置
信頼関係が生まれるのは、完璧なパフォーマンスからではない。
むしろ、失敗や不安を共有できたときに深まる。
たとえば、バグを見逃していたとき:
🔹 正直に伝えた一言:
Apologies – I missed this edge case in testing. I’ve fixed it and added a unit test to avoid this next time.
Thanks for catching it!
これに対して、相手が言ってくれたのは:
“No worries at all – really appreciate how you handled this.”
✅ ポイント:
- 失敗自体より、それをどう扱うかが信頼につながる
🛠️ 「質問の質」が信頼をつくる
ネイティブの味方を得たいなら、“頼り方”にも技術がいる。
ただ「教えてください」と言うのではなく、
- 自分で何を試したか
- どこで止まっているのか
- 何がわからないのか
これを1〜2文でまとめる。
🔹 実際に使っていたテンプレ:
I was going through the component logic, and I think I get the main flow – but I’m not sure how X is triggered. Does it come from the API or user interaction?
Just wondering if you’ve seen this before?
こう言えると、相手は**「一緒に考えるパートナー」**として受け止めてくれる。
💬 返信しやすい相手になる:”受信力”の磨き方
信頼は“話し方”だけでなく、“返し方”にも宿る。
- 相手の意見に対して何も言わない
- Yes/Noだけで終わる
- 自分の話ばかりする
これでは「この人とは会話が続かない」と思われてしまう。
🔹 例:Slackでの受信力ある返信
Got it! Makes total sense.
Also, thanks for flagging that. I’ll keep it in mind when working on the next part.
✅ ポイント:
- “理解+感謝+行動”の流れをワンセットで返す
これができると、ネイティブの中で**“話しやすい非ネイティブ”**というラベルがつく。
💡 “英語”じゃなく“空気”を読む
非ネイティブが得意とする力のひとつが、「場の空気を読む力」。
ネイティブがちょっと疲れているように見えるとき、
返事がそっけないとき、
何か言いたそうなとき。
言葉よりも“相手の状態”に反応できると、信頼度は一気に上がる。
🔹 例:
Hey, totally fine if now’s not a good time – we can touch base later!
You seem busy – let me know if I can support on anything.
こういう気配りができる非ネイティブは、「この人、ちゃんと見てくれてるな」と思われる。
📈 「信頼されるポジション」は、静かに築かれる
英語がうまくなくても、
雑談ができなくても、
「この人と働くと安心する」という評価は得られる。
- Slackで一貫した反応をする
- 小さな確認を怠らない
- 失敗を隠さず、素早くフォローする
- 時には他の人の意見をサポートする
こうした日常の積み重ねが、**“信頼されるポジション”**をつくっていく。
📘 ネイティブに頼られる非ネイティブの特徴チェックリスト
| 行動 | 効果 | 英語例 |
|---|---|---|
| 感謝+学びの姿勢 | 支援されやすくなる | “Thanks – I learned a lot from this.” |
| 状況を共有して質問 | パートナー扱いされる | “I’m stuck here — tried X, but still unsure about Y.” |
| 丁寧なフォロー | 安心される | “Fixed the issue and tested again — let me know if anything still looks off.” |
| 小さな気配り | 好感と信頼を得る | “You seem busy — happy to wait or circle back.” |
“ネイティブとの壁”を超えた先にある、新しい働き方
ある日、チームのアメリカ人リードがSlackで僕にメンションを飛ばした。
“Let’s have Hiro take the lead on this one. He’s been solid.”
一言だけだったけど、心の中で静かにガッツポーズをした。
英語はまだ拙い。でも、信頼は築けていた。
そしてその日から、僕の働き方は少しずつ変わっていった。
🧭 英語が不利だったはずの僕が、“頼られる側”に回った理由
最初は、英語が怖かった。
- 会議でうまく話せない
- 雑談には入れない
- 自信のなさが顔にも声にも出ていた
でも、少しずつ“英語で話す”ことよりも、“信頼を積み上げること”に集中するようになった。
そして気づいた。
ネイティブが僕を信頼したのは、「英語ができたから」ではない。
「仕事の“見える化”ができる人」「問題があっても逃げない人」だったから。
💡 英語ができないからこそ、見えていたもの
僕のような非ネイティブは、「空気を読む」「気配りする」ことを日常的にやっている。
- 話についていけない誰かに気づく
- 意見が通らなかった人をSlackでフォローする
- あえて静かな人にも「どう思う?」と振る
こういう“感度”こそ、ネイティブにない強みだった。
特に多国籍チームでは、
**「全員が対等であるための設計者」**のような存在が、重宝される。
そして、それは**流暢な英語よりも“配慮力+行動力”**でつくれる役割だった。
🌱 グローバル環境で見つけた“自分の価値”
ネイティブが得意なことと、僕が得意なことは違う。
でも、それぞれが必要とされる場面がある。
- 複雑な仕様を丁寧に文書化する → 僕の得意
- ユーザーの目線で気づくUXの違和感 → 僕の得意
- みんなの進捗を把握してサポート → 僕の得意
そんな「自分の強み」を積極的に出していった結果、
**「英語は得意じゃないけど、チームを支えてくれる人」**という評価がついてきた。
🧱 “言葉の壁”は、壁じゃなくなる
あるイギリス人エンジニアが僕に言ったことがある。
“Honestly, your English isn’t perfect. But you always check, follow up, and never leave things hanging. That’s rare – and super helpful.”
僕が感じていた「壁」は、向こうから見たら“誠実さの証”だった。
完璧じゃないからこそ、伝えようとする努力が見える。
伝わらないことがあるからこそ、確認を怠らない。
そしてその姿勢が、逆に信頼につながっていた。
🔄 “翻訳機のような人”より、“対話の設計者”になる
英語力だけで勝負していたら、ネイティブにはかなわない。
でも、会話の前後を整えたり、
情報の抜け漏れを防いだり、
誰かの意見をつなげたり、
“言葉のインフラ”を整えることは、非ネイティブの僕の方が得意だった。
たとえるなら、
- ネイティブ:会話のドライバー
- 非ネイティブの僕:チームのナビゲーター
どちらが欠けても、チームはうまく進まない。
📘 英語で信頼されるとは、「安心して一緒にいられる人」になること
信頼とは、評価でも、実績でもなく、**「この人と仕事をするのが安心」**という感覚。
そして、その安心感はこうやって生まれる:
| 振る舞い | 相手に伝わること |
|---|---|
| わからないことを聞ける | 誠実さ・リスクを減らしてくれる人 |
| 丁寧な言葉で返す | 相手を尊重できる人 |
| 小さなことでも報告する | 管理のしやすさ・安心感 |
| 他人の言葉を拾う | チーム全体を見ている人 |
🎯 “英語の上達”より、“信頼のデザイン”を目指そう
もちろん、英語力は少しずつでも磨いていくべきだ。
でも、英語が流暢になるまで待つ必要はない。
それよりも今できるのは:
- 伝わるように構成する
- 相手を気遣う言い回しを選ぶ
- 対話の“場づくり”を担う
それが、**非ネイティブでもできる“信頼される関わり方”**の本質だ。
📎 まとめ|非ネイティブ × ネイティブの協働を支える3つの柱
| 視点 | 具体的行動 | 得られる評価 |
|---|---|---|
| 誠実さ | ミス・不明点の共有 | 隠しごとのない信頼できる人 |
| 設計力 | 会話・仕様・プロセスの見える化 | チーム全体を支える人 |
| 配慮 | Slackでの一言、確認、質問の仕方 | コミュニケーションしやすい人 |

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