時差と仕事にやられて気づいた“体の悲鳴”
アメリカでエンジニアとして働き始めた頃、僕の毎日は“コード、コーヒー、椅子”の無限ループだった。
朝から晩までWPFのUI設計とバグ修正、時には深夜までZoomミーティングでチームとディスカッション。
「海外で働くって、もっとキラキラしてると思ってた…」
そんな淡い期待は、時差ボケと腰痛、肩こり、そして謎の目の乾燥にかき消された。
最初の1か月、正直いって体調は最悪だった。
コンビニで手に入るおにぎりもないし、日本のように気軽に整体にも行けない。Uber Eatsの誘惑は強すぎるし、英語で「プロテイン少なめの食事を」なんて注文する余裕もなかった。
気づけば、夜は眠れず、朝は起きられず、心は常に不安定。
技術のキャッチアップどころか、自分の身体がついていかない。
「このままじゃ、仕事もパフォーマンスも、全部ガタガタになる…」
そう思ったとき、自分に問い直したんだ。
「アメリカでの“健やかなルーティン”って、どうやって作ればいいんだろう?」
最初にやったのは「とにかく歩くこと」
日本では通勤の中で自然と運動できてたけど、アメリカ郊外の生活は車移動が基本。
まじで、全く歩かない生活が当たり前になる。
だから、まずは「歩く習慣」を自分に課した。
Apple Watchで“スタンド通知”が来たら、5分でもいいから外に出る。
ランチのあと、近所のトレイルをぐるっと一周。
最初は「こんなんで意味あるのか?」って思ったけど、頭がリフレッシュされて、午後の集中力が全然違った。
そして出会った“アメリカ流フィットネス”
次に挑戦したのが、ローカルのジム。
職場の同僚に誘われて行ったのがきっかけだった。
アメリカのジムって、日本とちょっと文化が違う。
誰も人の目を気にしないし、自分のペースでやるのが基本。
**「今日は筋トレ1種目だけ!」**って人も普通にいて、逆に続けやすい空気があった。
しかも、24時間営業。
夜型エンジニアには最高だった。
“ウェルネス”は運動だけじゃないと気づいた瞬間
ある日、近所のWhole Foods(オーガニック系スーパー)で、「Mindfulness Workshop」のチラシを見かけた。
アメリカでは“ウェルネス”って言葉が、ただの健康体じゃなくて、心の健康=マインドフルネスを含む概念として定着してるんだって、ここで初めて知った。
この体験を通して、僕の中の「健康」っていう定義が、ぐっと広がっていくことになる。
フィットネスだけじゃない。
食事、呼吸、リズム、そして孤独との付き合い方まで――。
忙しいエンジニアでも続けられた“リアルな健康ルーティン”
最初に言っておきたいのは、**「頑張りすぎないことが続けるコツ」**ってこと。
SNSで見る“意識高い系”ルーティンって、毎朝5時起きでランニング→グリーンスムージー→瞑想30分…みたいなのが多いけど、
現実には、納期に追われて深夜2時までWPFのバグと格闘したあと、そんなルーティンは無理。笑
だから僕は、自分の生活スタイルに“無理なくフィットする形”で健康習慣を組み立てた。
ここでは、実際に僕がやって効果があったアメリカ発・実践型ウェルネス習慣を3つ紹介するよ。
1. 15分“マイクロジム”戦略:自宅+ジムのハイブリッド活用
「時間がない」っていうのは、みんな同じ。
だから僕は、**“15分だけでも運動すればOK”**というルールを作った。
自宅では:
- ダンベル1組とヨガマットだけ用意
- YouTubeで「15-Min Full Body Dumbbell Workout」を検索して即スタート
- 体を動かすだけで、脳がスッキリして、午後の集中力もUP
週2くらいはジムで:
- フリーウェイト中心に1時間
- アメリカのジムは混雑時間を避ければ快適(朝6時 or 夜9時が狙い目)
- 職場の福利厚生でジム費用が一部支給されるのもありがたかった(※これは企業による)
効果:
- 姿勢が改善して腰痛が減った
- デスクワーク後の頭のぼんやり感が減った
- 夜の入眠がスムーズになった
2. “食事の質”は1日1食だけ意識するルール
アメリカ生活では、とにかく外食と加工食品の誘惑が強い。
最初は「とりあえずチキンナゲットでいいか」って日が続いてたけど、さすがに身体が重くなっていった。
そこで僕が採用したのが、「1日3食全部は無理でも、1食だけ“丁寧に選ぶ”」ルール。
実践していたのはこんな感じ:
- 朝:簡単なオートミール+バナナ
- 昼:ランチ外食(自由)
- 夜:栄養重視。自炊 or Whole Foodsのサラダ+サーモン
あと、アメリカでは冷凍ベジタブルが豊富で便利。
冷凍ブロッコリーや枝豆をストックしておくだけで、栄養バランスがだいぶマシになる。
効果:
- 肌の調子がよくなった(モニター焼け?がなくなった)
- 食後に眠くならなくなった
- 「食べる=ケアする」って感覚が身についた
3. ウェルネス・タイマーで“デジタルデトックス習慣”をセット
長時間の集中、Slack通知、エラー音…
アメリカの開発現場でも、**「情報疲労(information fatigue)」**は確実にある。
そこで役立ったのが、**“ウェルネスタイマー”**という時間管理ツールの導入。
僕がやっていた方法:
- 1日3回、25分の集中+5分の休憩をループ(Pomodoro)
- 5分休憩の間はスマホを見ない。代わりに深呼吸 or 軽ストレッチ
- 夜9時以降は「スマホを別の部屋に置く」ルール
効果:
- 睡眠の質が上がった
- 朝の目覚めが明確になった(アラームより早く起きられる日も)
- “常に情報に追われる感覚”が減った
“ルーティン”は固定しすぎず、変化させていい
これはアメリカ生活で学んだことの一つだけど、
健康習慣も仕事と同じで、“アジャイル”でいい。
今日は疲れてるからストレッチだけにしよう
明日はやる気あるから30分筋トレしよう
そんなふうに、自分の気分や体調に合わせて“改善”していく柔軟さこそが、続ける秘訣だと気づいた。
フィットネスじゃ救えない、心の落とし穴に気づいた日
どれだけ運動しても、どれだけ健康的な食事をしても、
ある日、ふと感じたんだ。
「なんか…虚しい」
たとえば、週末の大型スーパーで見かける家族連れの笑顔。
オフィスの雑談で出てくる、誰もが知ってるアメリカンジョーク(全然わからない)。
Slackで交わされる「週末どうだった?」のフレーズに、
自分だけが“話題ゼロ”なのを気にして、毎回「Just chilled」って返してた。
異文化の中で、心が“浮いている”感じ
海外生活って、自由で刺激的な反面、
**「自分の当たり前が、ここでは当たり前じゃない」**ということに何度もぶつかる。
- 冗談が通じない
- 同僚との会話に深く入れない
- “距離感”が合わない(フレンドリーだけど、急にドライ)
- 「自分のことをどう説明すればいいか」毎回悩む
しかも、相手に悪気があるわけじゃない。
ただ文化が違うだけ。
でも、その違いに“ひとりで毎日対応し続ける”のは、地味に心にくる。
“孤独”は、静かに確実にパフォーマンスを蝕む
ある月曜日、いつも通り出社して、自分のデスクについたとき。
手が動かなかった。
コードを見る気がしない。タスクはたまってるのに、何から始めればいいかわからない。
「昨日、誰とも話してないな…」
「このまま、アメリカにいて意味あるんだろうか…」
フィジカル面ではそこそこ健康になってたはずなのに、
心の重さに足を引っ張られている感覚。
これが、“文化的ストレス”の正体だった。
僕を救った、マインドケアの3つの習慣
ここからは、実際に僕が試して効果があった“心のウェルネス習慣”を紹介する。
これがあったから、僕はもう一度、前を向けた。
1. ジャーナリング(毎日3行でも、書く)
感情を“言語化”することで、客観視できるようになる。
やったことはシンプル:
- ノート or Notion に「今日感じたことを3行書く」
- 例:「チーム会議で話せなかった。悔しい。来週は一言でも話そう」
- ポイント:うまく書こうとしない。正直に、ざっくりでOK
効果:
- モヤモヤの正体が見える
- 自分に優しくなれる
- 翌日の行動が前向きになる
2. 言葉に頼らない“つながり”を持つ
言葉が壁になるとき、人とつながる手段は他にもある。
僕は、地元のドッグシェルターで週末ボランティアを始めた。
犬に話しかけるのは言語じゃなくて“態度”だし、
スタッフとの交流も、「言葉の上手さ」じゃなくて「存在のあたたかさ」だった。
効果:
- 自分の存在が、誰かの役に立っている実感
- 孤独感がやわらいだ
- 「英語が完璧じゃなくても、人と関われる」ことに気づけた
3. メンタルヘルスサービスの利用
アメリカでは、セラピーやカウンセリングは全然特別なことじゃない。
職場の福利厚生(EAP)で、無料で数回カウンセリングを受けられることも多い。
僕も、勇気を出して一度カウンセリングを受けた。
英語で気持ちを伝えるのは大変だったけど、
「大丈夫、その気持ちは多くの人が持ってるよ」という一言に、思わず泣きそうになった。
効果:
- 「自分はおかしくない」と思えるようになった
- すぐに解決しなくても、少しずつ整える姿勢を持てた
“心の健康”が、仕事のパフォーマンスを底上げする
それからの僕は、無理してハイパフォーマンスを出すより、
自分の“ベースライン”を安定させることに集中した。
すると不思議と、コードレビューでも頭がスッキリしてるし、
同僚の何気ないジョークにも「ふふっ」と返せる余裕ができてきた。
「文化の壁は乗り越えるんじゃなく、ゆっくり慣れていけばいい」
そんなふうに、自分を許せるようになったのが、最大の変化だったかもしれない。
エンジニアの“健康”は、ライフデザインそのものだ
アメリカで数年働いて、気づいたことがある。
それは、健康って単なる“体調管理”じゃない。
人生そのものの土台だってこと。
コードの品質、仕事のスピード、チームとの信頼関係、そして何よりも「自分を信じられる感覚」――
全部、心と体の状態に直結していた。
日本とアメリカ、両方を知って見えた“健康観”の違い
日本:
「頑張りすぎて、壊れるまで耐える」ことが美徳になりがち。
通勤電車で見る疲れた顔、職場での“遠慮文化”、自分のケアは後回し。
アメリカ:
「無理せず、休むこと」が当たり前。
カウンセリングは日常だし、午前休を取ってヨガに行く同僚もいた。
Slackのステータスに「Mental Health Day」って書いてあるのを見たときは、衝撃だった。
「これでいいの?」「甘えすぎじゃない?」と最初は思った。
でも、結果的にその方が生産的で、人として健やかなんだと気づいた。
僕が今、実践している“海外エンジニアの健康レシピ”
- 朝は5分でもいいから「陽を浴びる」
→ 体内リズムを整えるには、太陽光が最高のスイッチ。 - 夜はスマホをベッドから追放
→ SNSやメールを寝る前に見ないだけで、睡眠の質が激変。 - 週に1日は“オフラインな日”をつくる
→ 情報断食の日。自然と向き合うだけで、回復力が上がる。 - 「1人で頑張らない日」を持つ
→ 同じく海外で働く仲間と定期的にZoomで雑談。テーマなし、目的なし。ただ話すだけ。 - “うまくやる”より“長くやれる”ルールを選ぶ
→ 健康習慣も、自己管理も、完璧より継続。
海外で働くこれからのエンジニアへ:本当に伝えたい3つのこと
① 「技術」より「自分のコンディション」を信用しろ
技術は学べば身につく。でも、自分の健康が崩れたら何もできない。
バグより先に、自分の状態をデバッグしよう。
② “健康”は、努力じゃなく“設計”だ
意思の力だけでは続かない。
だから、仕組み化しておくことがカギ。
- 歩かざるを得ない生活動線
- ストレス発散できる趣味を仕組みに組み込む
- Slackで“昼寝タイム”のステータスをセットしておく etc.
③ 誰かの“理想”より、自分の“心地よさ”を選ぼう
SNSやYouTubeで見かける“意識高いルーティン”は参考にはなるけど、正解じゃない。
自分の体が、心が、「いいな」と思えることが最強の健康法。
終わりに:PCの前のあなたへ
今、あなたがもし日本から海外に飛び出そうとしていたり、
すでに海外での孤独やプレッシャーに悩んでいるなら、伝えたい。
あなたはひとりじゃない。
そして、完璧である必要もない。
海外で働くって、確かに挑戦の連続だけど、
その過程で“自分を大切にする”という人生最大のスキルを学べるチャンスでもある。
このブログが、ちょっとでもそのヒントになっていたら嬉しいです。
あなたの“健やかな冒険”を、心から応援しています。
💡補足:使ってみてよかった健康系サービス(アメリカ生活編)
- Headspace(マインドフルネス瞑想アプリ)
→ 朝晩5分のガイド瞑想でメンタル安定 - MyFitnessPal(食事管理アプリ)
→ 外食でもカロリーがざっくりわかるのが便利 - ClassPass(フィットネスレッスンのサブスク)
→ ヨガ・キックボクシング・ピラティスなど、気分で選べる - Apple Health / Fitbit
→ 睡眠、歩数、心拍数チェックに使える

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