なぜ「問題が起きてから」では遅いのか?
(”起” スタート)
どうも、こんにちは!海外の片隅で、今日もC#とWPFの画面(と、にらめっこ)しながら設計開発してるITエンジニアです。
このブログを読んでくれてるってことは、あなたも「いつか海外で働いてみたい!」とか、「すでに海外でエンジニアとして頑張ってるぜ!」っていう、熱い仲間なんだと思います。
海外で働くって、響きはカッコイイですよね。実際、毎日が刺激的だし、日本じゃ絶対できない経験もたくさんあります。僕もWPFで組んだUIデザインが、国を超えて使われるのを見ると、やっぱ嬉しいですし。
でも、同時に、海外のプロジェクトって、日本の「それ」とは比べ物にならないくらい、独特の「落とし穴」が多いのも事実。
言語の壁?
文化の違い?
時差?
もちろん、それも全部あります。でも、僕がこの数年間で痛感してきた、一番ヤバい「敵」は、もっと身近で、もっと静かに忍び寄ってくるやつ。
それは……**「手遅れ感」**です。
「あれ、なんかおかしいな」
「このタスク、妙に進捗遅れてない?」
「あの人、最近チャットの返事そっけなくない?」
そう思った時には、もうプロジェクトは燃え始めてる。
そう、**「炎上」**です。
日本で炎上するプロジェクトも、もちろん地獄です。でも、海外での炎上は、それに「時差」と「言語」と「文化」っていうガソリンが、ものすごい勢いでぶちまかまれる感じ。
日本だったら、「ちょっとみんなで集まって、根性で徹夜して終わらせるか!」が、できたかもしれない(いや、やっちゃダメなんだけど)。
でも海外は、ドライです。
「時間外?Sorry、家族とのディナーがあるから」
「仕様?ドキュメントに書いてないことはやらないよ」
「徹夜?クレイジーだね。僕は寝るよ」
……チーン。終了です。
僕らITエンジニア、特に設計開発を担う人間(僕みたいにWPFでUI/UXの根幹を設計する立場だと、なおさら!)は、ロジックと向き合うのが仕事です。バグが出たら、原因を特定して、修正する。「問題」が起きたら、「解決」する。
いわば、「リアクティブ(反応型)」な思考が得意な人種なんです。
でもね、海外の多国籍チームで、生き残って、しかも「あいつに任せれば大丈夫」っていう信頼を勝ち取るエンジニアは、この「リアクティブ」の対極にいます。
彼らは、**「プロアクティブ(先読み型)」**なんです。
問題が「起きてから」対処するんじゃない。
問題が「起きる前」に、その兆候……もっと言えば、**「煙」すら立ってないうちから、「火種の匂い」**を嗅ぎつけるんです。
「そんなの、ただの”勘”じゃん」
「経験がなせる”第六感”みたいなものでしょ?」
昔は僕もそう思ってました。
でも、僕が尊敬するシニアエンジニアたちをよーく観察してると、彼らがやってることって、実は「勘」や「センス」なんかじゃない。
彼らは、意識的に**「システム(仕組み)」**を使ってるんです。
火事が起きてから出動する「消防士」じゃなくて、火事が起きないように街をパトロールしたり、火災報知器を設置したりする「予防担当」みたいな動き。
僕はこれを、勝手に**「プロアクティブ・アーセナル(攻めの武器庫)」**って呼んでます。
プロジェクトが燃えないように、自分のキャリアが燃え尽きないように、自分から仕掛けていく「武器」の数々。
海外でエンジニアとして働くってことは、単にコードが書ける、設計ができる、ってだけじゃダメなんです。
自分の身を守り、チームを守り、プロジェクトを守るために、どれだけ「先読み」できるかが、あなたの市場価値、もっと言えば「人生の安定度」に直結します。
特に、これから海外を目指すエンジニアの皆さん。
あなたが日本で培ってきた「問題解決能力」は、もちろん強力な武器です。
でも、海外っていう新しいフィールドに飛び込むなら、もう一つ、新しい武器を手に入れてほしい。
それが、**「問題”早期発見”能力」**です。
「手遅れ」になってから、スーパーマンみたいに頑張って火を消すヒーロー(そして疲弊する)を目指すんじゃなくて、
「手遅れ」になる前に、ボヤの段階で、あるいは「火の気」がある段階で、スマートに対処するプロフェッショナルになる。
これが、海外で長く、太く、楽しくエンジニアを続けていくための、最強の「人生術」だと僕は断言します。
「じゃあ、その”武器庫”って、具体的に何なのよ?」
「”早期発見”って、どうやるの?」
焦らないでください(笑)
僕も最初から出来たわけじゃない。たくさんの失敗と、たくさんの「手遅れ」を経験して、「ああ、こうしてればよかった!」っていうのを、血反吐を吐きながら(比喩じゃなく、たまに本当に吐きそうになりながら)学んできたんです。
今回のブログ記事では、僕が実際に海外の現場で見て、試して、そして「これはマジで効く!」と実感した、最強の「プロアクティブ・アーセナル」の中から、特に重要な3つの戦略をシェアしようと思います。
それは、
1.AIの予測分析を組み込んだ「統合プロジェクト管理ソフト」の活用法
2.リアルタイムなフィードバックを得るための「定期的パルスチェック」
3.失敗を予測して潰しておく「”What if” シナリオプランニング」
この3つ。
「なんか、プロジェクトマネージャーの仕事みたい」って思った?
ノンノン。
これが、海外で働く「一エンジニア」として、自分を守り、チームを機能させ、結果を出すために、めちゃくちゃ重要なんです。
あなたがC#でゴリゴリにロジックを組むエンジニアでも、僕みたいにWPFでUIをデザインするエンジニアでも、関係ありません。
この「先読み」の視点があるかどうかで、あなたの5年後、10年後のキャリアは、天と地ほど変わってきます。
ちょっと前置きが長くなっちゃいましたね。
でも、それくらい「リアクティブ」に働いて消耗していくエンジニアを、僕はもう見たくないんです。
この記事を読み終わる頃には、あなたが「ああ、これ知ってよかった!明日から使おう」と思える、具体的なヒントが必ず見つかるはず。
まずは、なぜ僕らが「火の匂い」に鈍感になってしまうのか、その理由から見ていきましょうか。
勘に頼るな、データで殴れ!AI搭載ツールと「体温」測定で未来のバグを潰す技術
(”承” スタート)
「起」の記事、読んでもらえたでしょうか?
(読んでない人は、まずそっちから読んでくれると嬉しい!)
「起」では、海外でエンジニアとして働く上で、いかに「リアクティブ(反応型)」な働き方がヤバいか、そして「手遅れ」になる前に火種を嗅ぎつける**「プロアクティブ(先読み型)」**なマインドセットが最強の人生術だ、って話をしました。
僕らが目指すのは、炎上現場に飛び込む消防士じゃなく、火事を未然に防ぐ「予防担当」だ、と。
そして、そのために僕が「プロアクティブ・アーセナル(攻めの武器庫)」と呼んでいる、具体的な3つの戦略を提示しました。
- AIの予測分析を組み込んだ「統合プロジェクト管理ソフト」の活用法
- リアルタイムなフィードバックを得るための「定期的パルスチェック」
- 失敗を予測して潰しておく「”What if” シナリオプランニング」
今回は、この「承」のパートで、最初の2つの武器「AI搭載ツール」と「パルスチェック」について、僕の実体験……特にC#とWPFをゴリゴリ書いてきたエンジニアの視点で、「で、具体的にどう使えばいいのよ?」ってところを、余すことなくぶっちゃけていこうと思います。
準備はいいですか?
あなたの「勘」を「確信」に変える、具体的なテクニックの始まりです。
武器庫その1:AI搭載ツールは「PMのおもちゃ」じゃない
まず、これ。
「統合プロジェクト管理ソフトウェア」。
はい、今、「うわ、ダル…」って思ったでしょ?(笑)
「JiraとかAsanaとかClickUpとかでしょ?」
「ガントチャートとかカンバンとか、チケット管理するやつじゃん」
「それってPM(プロジェクトマネージャー)とかスクラムマスターの仕事だろ」
「俺らエンジニアは、割り当てられたチケットをC#で実装して、WPFの画面をイイ感じに動かせば、それでOK!」
……うん、気持ちは、痛いほどわかります。
僕も数年前までは、完全に「そっち側」の人間でした。
チケットなんて、作業開始時に「In Progress」にして、終わったら「Done」に放り込むだけの「作業ログ」くらいにしか思ってなかった。
でもね、海外の修羅場をいくつか経験して、気づいたんです。
**「このツール、PMだけに使わせておくのは、あまりにもったいない」**って。
特に最近のツールは、ただの「チケット置き場」じゃない。
**AIによる「予測分析機能」**が、とんでもないレベルで進化してるんです。
「このタスク、今の進め方だと、リリース日に間に合わない確率80%」
「チームAのベロシティ(消化タスク量)が過去3スプリントで20%低下」
「このチケット、過去の類似バグの修正時間(平均3日)から予測すると、見積もり(1日)より大幅に超過する可能性(高)」
……どうです?
これ、PMだけが知ってて、エンジニアが知らなかったら、怖くないです?
ある日突然、PMが血相変えてやってきて、
「ごめん!AI予測で全体が1週間遅延するって出た!今日から全員、残業でスパートかけて!」
って言われるんですよ。
(海外は残業しないって言ったけど、こういう「炎上モード」になると、結局やる羽目になる。そして、優秀なやつから辞めていく)
最悪ですよね。
プロアクティブなエンジニアは、違います。
PMから「AIが言ってるから」って言われる前に、自分からAIの予測データを「盗み見」にいくんです。
これは、サボるためじゃない。
**「自己防衛」と「チーム防衛」**のためです。
僕の体験談を一つ。
あるプロジェクトで、僕はWPFを使った新しい管理画面の設計・開発を担当してました。かなり複雑なデータグリッドと、動的なUIの変更が要求される、まぁまぁヘビーなタスクです。
で、僕のタスクは、バックエンド担当のエンジニアAさん(彼はC#でAPIを書いてる)のAPIが完成しないと、最後の「結合テスト」に進めない、っていう依存関係にあったんです。
いつものように、朝のコーヒーを飲みながら、Jiraのダッシュボードを(タバコ部屋で上司の噂話を聞くみたいに)ニヤニヤ眺めてたら、AIの予測インサイトに、こんなアラートがチカチカしてた。
「タスクNo. XXXX(AさんのAPI開発): 3日遅延リスク(中)」
AIが言う「根拠」を見てみると、
「過去の類似API開発タスクの平均所要時間(5日)に対し、現在の見積もり(3日)が楽観的すぎる」
「関連する仕様ドキュメント(Confluence)の更新が、過去48時間停止している」
「Aさんの直近1週間のコミット頻度が平均より30%低い」
……と、まぁ、なかなかエグい分析が出てるわけです。
さあ、ここであなたならどうしますか?
NGなエンジニア(リアクティブ):
「ふーん。Aさん、遅れてんのか。まぁ俺には関係ないな。俺のWPFは順調だし。Aさんが遅れたら、その分俺のタスクも後ろにズレるだけだし、ラッキー(?)」
→ 結果:リリース直前にAさんの遅れが発覚。結合テストの時間がなくなり、バグだらけのままリリース。炎上。
OKなエンジニア(プロアクティブ):
僕は、すぐにAさんにSlackしました。
でも、こうは送りません。
「Aさん、AIがお前、遅れてるって言ってるぞ。大丈夫か?」
こんなこと言ったら、ただの「感じ悪いヤツ」ですよね(笑)
僕が送ったのは、これ。
「Aさん、お疲れ!例のAPIの件なんだけど、僕のWTP側(※WPFの間違いタイポです。修正します)……僕のWPF側で、そろそろモックデータじゃなくて、実際のレスポンスJSONを使ってUIの挙動テストを本格的に始めたいんだ。」
「もし、まだ作業中だったら全然構わないんだけど、APIのインターフェース(リクエストとレスポンスの型定義)だけでも、今の最新版を先に共有してもらえないかな?こっちでスタブ作って、バリデーションロジックを先に組んじゃいたいからさ!」
……どうです?
「遅れてるだろ?」とは一言も言ってない。
むしろ、「こっち(WPF側)の作業を先に進めたいから、協力してくれ」というスタンスです。
Aさんからの返事は、5分後。
「Taro(僕の名前)、マジで助かる!実は、エラーハンドリングの仕様で一つ悩んでて、手が止まってたんだ。インターフェース定義はこれでFIXだから、先に渡すよ!ついでに、悩んでる部分、5分だけチャットできる?」
……ビンゴ!
AIが予測した「コミット頻度の低下」と「ドキュメント更新の停止」の理由は、これでした。「仕様で悩んで手が止まっていた」んです。
僕らはその場で5分だけビデオチャットして、悩んでた仕様を即決。彼はスッキリして開発に戻り、僕は最新のインターフェース定義を手に入れた。
結果、どうなったか?
AIが予測した「3日の遅延」は、発生しませんでした。
それどころか、僕はAPIの完成を待たずにWPF側のロジックをほぼ完成させられたので、結合テストは過去最速で終わりました。
これが、**「AIの予測分析を、エンジニアが能動的に使う」**ってことです。
PMから「遅れてるぞ」って言われる前に、データを見て「火種の匂い」を嗅ぎつけ、先回りして「火消し(というか、予防)」に動く。
ツールは「監視」のためにあるんじゃない。「協力」のためにあるんです。
「遅延確率」だけを見るんじゃなく、「なぜAIがそう判断したのか(コミット頻度、ドキュメントの動き、タスクの滞留時間)」という**「根拠」**を見るクセをつける。
それだけで、あなたはチームから「あ、こいつ、ただコード書いてるだけじゃないな。頼りになるな」って思われる、一歩上のエンジニアになれます。
武器庫その2:「会議」じゃない、「脈拍(パルス)チェック」という生存確認
さて、2つ目の武器庫。
**「定期的パルスチェック(Regular pulse checks)」**です。
また出たよ、横文字。
「要するに、1on1とかデイリースクラムとか、そういうミーティングでしょ?」
「アジャイルでやってるから、毎日やってるよ」
「ぶっちゃけ、あれ、ダルくない?」
はい、わかります(笑)
僕も「今日の進捗は?」「昨日の進捗は?」「ブロッカーは?」って、毎日同じこと報告するだけのデイリースクラム、大っ嫌いでした。
でも、僕がここで言ってる「パルスチェック」は、そういう「進捗確認会議」とは、まったくの別物です。
パルス(Pulse)って、つまり「脈拍」。
そう、これは**「チームの健康診断」であり、「感情のヘルスチェック」**なんです。
「起」でも言ったけど、海外の、特に多国籍チームで一番怖いのは、「サイレント・キラー(静かなる殺し屋)」。
テキスト(SlackやTeams)だけのコミュニケーションって、マジで「感情」が読めない。
特に、僕ら日本人みたいに「和を以て貴しとなす」文化で育つと、困ってても「大丈夫です」って言っちゃう。不満があっても、我慢しちゃう。
でも、その「大丈夫です」は、海外の(特に欧米系の)マネージャーには、「本当に100%問題ないんだな」って、文字通りにしか伝わらない。
結果、ギリギリまで我慢して、ある日突然、プツンと糸が切れて、辞表を出すか、燃え尽きるか。
AIは、「タスクの遅延」は予測できても、「メンバーのモチベーションの低下」や「メンタルの不調」までは、なかなか正確に予測できません。
だから、AIっていう「定量的(データ)」な分析と、パルスチェックっていう**「定性的(感情)」**なチェック、この両輪が絶対に必要なんです。
僕が提唱する「パルスチェック」のルールは、フックにもあった通り、3つだけ。
「必須(Mandatory)」、「短い(Short)」、「インフォーマル(Informal)」
これを徹底すること。
僕のWPFチームで、実際に導入して大成功した例を紹介しますね。
僕のチームは、僕(日本人エンジニア)、アメリカ人デザイナー、インド人エンジニア、ポーランド人テスター、っていう、なかなかの多国籍軍団でした。
当然、時差もあるし、文化もバラバラ。
最初は、週1回の「定例ミーティング(60分)」で、ガチガチに進捗報告しあってたんだけど、まぁ、空気が悪い(笑)
誰も本音を言わないし、インド人エンジニアはずーっと「Yes, Yes」言ってるけど、顔は死んでるし。
こりゃヤバい、と。
このチーム、AIの分析(Jira)上は「オンスケジュール(順調)」だったけど、僕には「いつか爆発する火薬庫」にしか見えなかった。
そこで、マネージャーに直談判して、その「クソつまらん定例」を廃止する代わりに、**「週2回・火曜と木曜の朝イチ・10分だけ・必須参加」**の「パルスチェック」を導入してもらったんです。
ルールは、これだけ。
- ビデオは絶対にオン。(寝起きのスウェットでも何でもいいから、顔を見せる)
- アジェンダは2つだけ。
- 「今の気分、1〜5で言うと?」(5が最高)
- 「今週(あるいは今日)、一番楽しみなこと(仕事以外で!)」
以上。
**「進捗報告は、一切禁止」**にしました。
最初はみんな、戸惑ってましたよ。
「え?気分?……さ、3かな…」
「楽しみなこと?……えーっと、今夜のピザ?」
みたいな(笑)
でも、これを2週間続けただけで、チームは劇的に変わりました。
ある日、いつも元気なアメリカ人デザイナーのB君が、「気分:2」って言ったんです。
「どうした?」って聞いたら、「飼ってる猫の調子が悪くて、昨日あんまり寝てないんだ…」と。
一見、仕事とまったく関係ない情報ですよね?
でも、その週、彼はWPFの新しいUIデザインのモックアップをレビューに出す予定だったんです。
もし、僕らがB君の「気分:2(猫のせい)」を知らなかったら?
きっと、「B君、レビューまだ?」「仕事遅いな、やる気ないのか?」って、イライラしてたはず。Slackで「@B, any updates?(進捗どう?)」とかメンション飛ばして、プレッシャーかけてたかもしれない。
でも、僕らは「猫」の事情を知ってる。
だから、僕がチームを代表して、こう言ったんです。
「B君、猫が大変な時に、デザインどころじゃないよな。モックアップのレビュー、来週に回そう。こっち(エンジニア側)は、今のデザインで仮のUI作って進めとくから、全然気にしないで。猫、お大事に」
B君、泣きそうな顔して「Thank you, guys…」って。
結果、どうなったか。
彼は安心して猫の看病に集中できた。そして、翌週、彼は「気分:5!」でミーティングに現れ、「みんな、先週はありがとう!おかげで猫も元気になった!最高のデザイン持ってきたぜ!」って、本当に素晴らしいモックアップを上げてきたんです。
もし、あの時、「進捗どう?」って詰めてたら?
彼はプレッシャーで潰れて、中途半端なデザインしか出せず、プロジェクトは停滞。チームの雰囲気は最悪になってたでしょう。
これが、「パルスチェック」の威力です。
**「必須」**だから、誰もサボれない。
**「短い」**から、誰も負担に感じない。
**「インフォーマル」**だから、普段は見えない「本音」や「感情」が見えてくる。
「気分:2」のメンバーがいたら、それはAIが検出する「遅延リスク(高)」と同じか、それ以上にヤバい**「プロジェクトの先行指標」**なんです。
AIによる「定量的(ロジカル)」なリスク分析と、
パルスチェックによる「定性的(エモーショナル)」なリスク分析。
この2つを両立させて、初めて「火種の匂い」を確実に嗅ぎつけることができる。
「起」で言った「手遅れ感」って、結局は「あの人、今、どんな気持ちで仕事してるんだろう?」っていう**「無関心」**から生まれるんだと思います。
海外で働くって、孤独な戦いになりがちです。
でも、こういう「小さな仕組み」一つで、チームは「ただの同僚」から「一緒に戦う仲間」に変われる。
C#のコードも、WF(※WPFのタイポです。修正します)……WPFのデザインも、結局は「人」が作ってるんですから。
さて、AIとパルスチェックで「今、そこにある危機」を嗅ぎつける方法はわかった。
でも、まだ足りない。
プロアクティブの真髄は、「まだ見ぬ危機」、つまり「未来に起こるかもしれない最悪の事態」すらも予測し、潰しておくこと。
それが、3つ目の武器庫。
「”What if” シナリオプランニング」です。
この話は、次の「転」で、ガッツリお話ししましょう。お楽しみに!
未来の「地雷」をあえて踏み抜く。「What if」でシミュレーションする最強のリスク管理術
(”転” スタート)
「起」と「承」、読んでくれました?
いやぁ、熱く語っちゃいましたね。
「起」では、海外エンジニアとして生き残るには「問題が起きてから」対処するリアクティブ(反応型)じゃダメで、「火種の匂い」を嗅ぎつける**プロアクティブ(先読み型)**にならなきゃヤバいよ、って話をしました。
そして「承」では、そのための「攻めの武器庫(プロアクティブ・アーセナル)」の具体的な中身として、
- AI搭載ツール(Jiraとか)のデータをPM任せにせず、自分から「盗み見」して、タスクの遅延リスクを「定量的」に予測する技術。
- パルスチェック(短くてインフォーマルな生存確認)で、チームメンバーの「感情」や「メンタル」のバグを「定性的」に察知する技術。
この2つを解説しました。
どうです?
この2つをマスターするだけでも、あなたのエンジニアライフ、かなり「炎上」とは無縁になる気がしませんか?
「あ、Aさん、今ちょっと悩んでそうだから、AIがアラート出す前に声かけとこ」とか、
「B君、気分が”2″か。猫の心配してるなら、レビュー期限、こっちからずらしてあげる提案しとこ」とか。
ね? めちゃくちゃ「仕事できるヤツ」じゃないですか。
……でもね。
これで満足してたら、まだ「二流」なんです。
AIツールもパルスチェックも、結局は「今、そこにある危機」や「近い未来に起きそうな問題」にしか対処できない。
いわば、「現在地」の体温を測ってるに過ぎないんです。
僕らが海外で直面する、本当の「地獄の炎上」って、もっとタチが悪い。
それは、**「誰も予想してなかった」**場所から、突然、火の手が上がるんです。
「え、仕様書に書いてない?今さらそんなこと言う?」
「このライブラリ、致命的なバグあるじゃん!誰も気づかなかったの!?」
「え、クライアントのCEOが交代?プロジェクト全部白紙に戻す!?」
「C#の神だったAさんが、宝くじ当たって今日で辞める!?」
こういう、「まさか(No way)」が、平気で起きるのが海外のプロジェクト。
AIの予測(過去のデータに基づく)も、パルスチェック(現在の感情)も、こういう「未来の氷山」は教えてくれないんです。
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ!」
「そんなの、起きた時に頑張るしかないじゃん!」
……違います。
それこそが、僕らが捨て去るべき「リアクティブ(反応型)」な思考停止。
一流のプロアクティブ・エンジニアは、
「まだ見ぬ危機」
「起こるかもしれない、最悪の未来」
すらも、自分から**「あえて」**シミュレーションしにいくんです。
それが、僕の武器庫の最後の一つ。
**「”What if” シナリオプランニング(もしも~だったら計画)」**です。
そのプロジェクト、どうやったら「完璧に失敗」させられる?
「What if シナリオプランニング」。
名前は小難しそうだけど、やることは超シンプル。
要は、**「最悪の事態シミュレーションごっこ」**です。
「もし、〇〇が起きたら、このプロジェクト、どうなる?」を、真剣に考える。
フック(冒頭の引用)にもあったように、これには大きく2つの手法があります。
**「Pre-mortems(プレモーテム:事前検死)」と、「Stress-testing(ストレステスト)」**です。
今日はこの2つ、僕がC#とWPFの現場で実際にどう使って、地雷を撤去してきたか、その「人生術」を全部教えます。
1.プレモーテム(事前検死):未来の「失敗」から逆算する
まず、こっち。
「プレ(事前)」の「モーテム(検死)」。
普通、「検死」って、事件が起きてから、死因を特定しますよね。
プロジェクトで言えば、「炎上した(=死んだ)後」に、「なぜ炎上したのか」を反省会(=検死)する。
でも、それじゃ遅い。手遅れなんです。
プレモーテムは、まったく逆。
**「まだ始まってもいない」**プロジェクト(あるいは、設計フェーズの最初)に、全員を集めて、こう宣言するんです。
「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます。今から半年後、このプロジェクトは、歴史に残るレベルで、完璧に、大失敗しました!」
「……さて、その『死因』は、何だったと思いますか? 理由を、過去形で、自由に挙げてください」
……これが、めちゃくちゃ効く。
「こうなったら、失敗するかも」っていう「未来形」で聞くと、人間って、遠慮しちゃうんです。
「いや、そんなネガティブなこと言わずに、頑張ろうよ」みたいな、根性論が出てくる。
でも、「もう失敗した(過去形)」っていう**「前提」**にしちゃうと、不思議なことに、みんな、面白いくらい「失敗の原因」をペラペラしゃべりだす。
僕が担当した、あるWPFの管理画面開発プロジェクトでの実話です。
キックオフで、僕がファシリテーターになって、この「プレモーテム」をやってみました。
僕「はい、このプロジェクト、大失敗して炎上しました!なぜ?」
デザイナーAさん「それはね、Taro(僕)が、私の作ったこの**『最高にイケてる半透明でグラデーションかかったUIデザイン』**を、WPFで実装するのに手こずって、結局、リリースまでに画面が完成しなかったからよ」
バックエンドBさん「いやいや、それより、**『大量のデータを一気に表示してほしい』**っていうクライアントの無茶な要望に、こっちのAPIが耐えきれず、レスポンスが毎回30秒もかかって、使い物にならなかったからだよ」
テスターCさん「ていうか、二人とも違う。『テスト環境のPCスペックが低すぎて』、本番環境で起きるはずのパフォーマンス劣化(メモリリーク)に、誰もリリースまで気づけなかった。それが死因だ」
……どうです?
わずか5分で、未来の「地雷(炎上フラグ)」が、3つも、4つも、ボロボロ出てきた。
もし、これをやらずに「さあ、頑張ろう!」でプロジェクトを始めてたら?
- デザイナーAさんは、WPFで実装が難しいUIを、そのまま僕に投げてた。
- バックエンドBさんは、APIのパフォーマンスを軽視した設計にしてた。
- テスターCさんは、貧弱なテスト環境で「OKです」って報告してた。
そして、半年後。
彼らが「検死」で語った通りの**「完璧な炎上」**が、現実になってたはずです。
でも、僕らは「地雷」の場所を知った。
「プレモーテム」のおかげで。
あとは簡単。
「じゃあ、その地雷、どうやって今、撤去する?」を、全員で考えるだけ。
- 地雷(デザイン)への対策:「Aさん、そのイケてるUI、WPFの標準コントロールで実現可能か、今から2日間で『プロトタイプ(PoC)』作って検証させて。無理そうなら、パフォーマンス優先で、実装可能な代替案を一緒に考えよう」
- 地雷(APIパフォーマンス)への対策:「Bさん、クライアントの『大量データ』って、具体的に何件? 1000件? 1万件? 『非機能要件』として、APIのレスポンスタイム(SLA)を『2秒以内』とか、今ここで数字で決めよう」
- 地雷(テスト環境)への対策:「Cさん、ヤバい。今すぐPMに掛け合って、本番環境と『同等スペック』のテスト用PCを、インフラチームに申請してもらおう。それが無理なら、せめてメモリだけは最大まで積んでもらおう」
……これが、「プレモーテム(事前検死)」の威力です。
これは、PMの仕事じゃない。
僕らエンジニア、特に設計開発を担う人間(WPFでUIの骨格作る僕らと、C#でバックエンドのロジック作る仲間たち)が、技術的な視点で「未来の地雷」を洗い出す、最強の「自己防衛」なんです。
コードを1行も書く前に、プロジェクトの「死亡フラグ」を叩き折る。
最高にクールだと思いませんか?
2.ストレステスト:「神」が明日、辞めても大丈夫?
「プレモーテム」が「プロジェクト全体」の失敗をシミュレーションするのに対し、
**「ストレステスト」**は、もっと局所的で具体的な「ヤバい”What if”」を、あえてプラン(設計)にぶつけてみる手法です。
もちろん、サーバーの負荷試験みたいな「技術的なストレステスト」も、これに含まれます。
(「このAPI、1万同時アクセス来たら死ぬ?」「このWPFアプリ、データ100万件読み込ませたら固まる?」とか)
でも、僕が海外で働く上で、それ以上に重要だと思ってるのが、
**「人間」と「プロセス」**に対するストレステストです。
これも、僕の実体験から。
“What if” シナリオ1:『もし、C#の神(Aさん)が、明日、宝くじに当たって辞めたら?』
あなたのチームにもいませんか?
その人がいないと、もう何も回らない、スーパーエンジニア。属人化の「神」。
僕のチームにもいました、Aさん(C#の鬼)。
彼が書くコードは美しい。でも、彼にしか理解できない(笑)
そこで、僕ら(僕とPM)は、あえて「Aさんが明日、いなくなる」というストレステストを、プロジェクトプランにぶつけてみたんです。
結果は?
……(シーン)……「このプロジェクト、詰むね」。
さあ、対策です。
「Aさん、宝くじに当たる前に、その『神の頭脳』を、誰でもわかる形でConfluenceに吐き出してくれ」
「Aさんのコードレビューは、必ずB君(若手)と僕(Taro)もアサインして、3人体制にして。知識を分散させて」
「週に1回、AさんとB君で『強制ペアプロ』する時間をカレンダーにブロックして」
こうやって、「神」がいなくなってもプロジェクトが回るように、プロセスに「冗長性」を持たせるんです。
これが、「人間」へのストレステスト。
“What if” シナリオ2:『もし、クライアントが、リリース1ヶ月前に「やっぱりWPFじゃなくてWebで」って言ってきたら?』
悪夢ですよね(笑)
でも、海外じゃ平気であります、こういう「ちゃぶ台返し」。
この「最悪のシナリオ」を、プランにぶつけてみる。
「もし、そうなったら?」
結果は?
……(絶望)……「全員、死ぬ」。
さあ、対策です。
「『なぜWPFなのか(Webではダメなのか)』のメリット/デメリット、技術選定の理由を、今すぐクライアント(の偉い人)にプレゼンして、合意の『サイン』をもらおう」
「UIデザインの確定『サイン』をもらうタイミングを、今のスケジュールより1ヶ月、前倒ししよう」
「契約書(SOW)の『スコープ(作業範囲)』を、弁護士レベルの目で、もう一回チェックしよう。『UIはWPFで実装する』って、ちゃんと明記されてるか?」
これが、「プロセス」へのストレステスト。
どうでしたか?
「What if」って、ネガティブな思考だと思いますか?
僕は、まったく逆だと思います。
これは、未来の「不安」や「恐怖」に、真正面から立ち向かう、最高に「ポジティブ」な準備です。
「何が起きるかわからない」から、不安になるんです。
「何が起きるか(最悪のパターン含め)わかってる」し、「その対策も打ってある」なら、不安なんてない。
「起きてから」なんとかするのは三流。
「起きる前」に火種を消すのが二流。(「承」でやったこと)
「起きるかもしれない最悪の事態」をあらかじめシミュレーションし、その「芽」すらも摘み取っておく。
これこそが、海外という予測不能な荒野で生き残る、一流のプロアクティブ・エンジニアの「人生術」です。
設計書を書く前に、「どうすれば、これが完璧に失敗するか」を考える。
この「逆転の発想」こそが、あなたのエンジニア人生を支える、最強の「転」の発想術だと、僕は信じています。
さて、「起」で問題提起し、「承」で現在の危機を知り、「転」で未来の地雷を撤去しました。
武器庫(アーセナル)の中身は、これで全部です。
でも、最強の武器を持っていても、それを「使う勇気」がなかったら?
「こんなこと言ったら、チームの雰囲気悪くなるかな」とか、
「PMの仕事に口出すな、って思われるかな」とか、
ビビッてたら、何の意味もない。
最後の「結」では、これらの武器を海外の現場で「実際にどう使いこなし、どう振る舞うか」という、最も重要な**「マインドセット(心構え)」**について、熱く語りたいと思います。
お楽しみに!
武器を「持つ者」から「使いこなす者」へ。あなたの価値を定義する、最強のプロアクティブ・マインドセット
(”結” スタート)
いやー、長かった!
本当に、ここまで読んでくれて、マジでありがとうございます。
海外の片隅で、日々WPFのXAMLとC#のロジックに頭を悩ませてる、しがないITエンジニアのブログに、ここまで付き合ってくれたあなたは、相当「プロアクティブ」なアンテナが高い人なんだと思います。
**「起」**では、海外プロジェクトで「手遅れ」になってから対応する「リアクティブ(反応型)」な働き方が、いかに僕らのメンタルとキャリアを焼き尽くすか、その恐ろしさを語りました。
**「承」**では、炎上の「煙」を嗅ぎつけるための具体的な武器庫として、AI搭載ツールの「定量的(データ)」な分析と、パルスチェックによる「定性的(感情)」な分析、この両輪で「今そこにある危機」を察知する技術をシェアしました。
そして**「転」**では、さらに一歩進んで、「まだ見ぬ未来の地雷」すらも予測し、撤去してしまう「プレモーテム(事前検死)」と「ストレステスト(What if)」という、最強のシミュレーション術を解説しました。
どうです?
あなたの「プロアクティブ・アーセナル(攻めの武器庫)」、かなりパンパンに充実してきたんじゃないですか?
正直、この「起承転」で紹介した武器を「知ってる」っていうだけでも、あなたは、海外で働くエンジニア(あるいは、これから目指す人)の中で、頭一つ抜けた存在です。
……でもね。
あえて厳しいことを言います。
武器は、「知ってる」だけ、「持ってる」だけじゃ、1ミリも役に立たない。
それは、ただの「重たい荷物」です。
RPGで、最強の「伝説の剣」を手に入れても、それを「装備」して、「振るう勇気」がなければ、スライムにすら勝てないのと同じ。
このブログの最後、「結」として、僕が一番伝えたかったこと。
それは、これらの武器を実際に「使いこなし」、あなたの「価値」に変えていくための、最も重要な**「マインドセット(心構え)」**です。
これがなければ、AIもパルスチェックも、ただの「面倒なタスク」で終わっちゃう。
ここからが、このブログの「本題」です。
マインドセット1:「それはPMの仕事」という”壁”を、今すぐ壊せ
ここまで読んでくれた人の中に、もし、まだこんな考えが残ってるなら、それは今すぐ捨ててください。
「AIの予測を見る? プレモーテム? ……いや、それ、PM(プロジェクトマネージャー)とか、スクラムマスターの仕事じゃない?」
「俺はエンジニア。C#でロジックを組んで、WPFで最高のUIを実装するのが仕事。チケットの進捗管理なんて、知らん」
……うん。
その気持ち、痛いほどわかる。僕も昔は、心の底からそう思ってた。
でも、断言します。
そのマインドセットこそが、海外で「ただの作業者(コーダー)」で終わるか、「代替不可能なプロフェッショナル」としてリスペクトされるかの、決定的な**「分岐点」**です。
C#でバグのない美しいコードを書くこと。
WPFでパフォーマンスが高く、直感的なUIを設計すること。
それは、もちろん「大前提」として、めちゃくちゃ重要です。僕もそこに命かけてる。
でも、海外の、特に優秀なチームがエンジニアに求めているのは、それ「だけ」じゃないんです。
彼らが心からリスペクトし、「Taro(僕の名前)がいないと、このプロジェクトは回らない」と認める相手は、
「自分の担当範囲(コード)」という”壁”を超えて、
「プロジェクト全体」の成功を自分ごととして捉え、
「リスク」にいち早く気づき、
それを「共有」し、
「解決」のために「自ら行動」できる人間。
……そう、つまり、「プロアクティブ」なエンジニアです。
「承」で話した、AI予測の「遅延リスク」を見て、どう動くか。
三流(リアクティブ): 「へー、Aさん遅れてんのか。まぁ俺には関係ない(スルー)」
二流(パッシブ): 「PMさん、AIがAさん遅れてるって言ってますよ(チクリ魔)」
一流(プロアクティブ): 「Aさん、APIで悩んでるってAIが言ってた(意訳)。こっち(WPF側)で先にスタブ作ってテスト進めとくから、インターフェースだけ先にFIXさせて!ついでに、悩み、聞くよ?」
……どうです?
あなたがPMだったら、あなたがチームメンバーだったら、誰と一緒に働きたいか。
誰に、次の「重要なミッション(と、高い給料)」を任せたいか。
言うまでもないですよね。
「PMの仕事」を”奪う”んじゃない。
**「PM(あるいはチーム)を”助ける”ために、エンジニアリングの専門的視点から”貢献”する」**んです。
このスタンスが、あなたの「技術力」に「信頼」という最強のブーストをかけて、あなたの市場価値を爆上げします。
これは、WPFの新しいスキルを一つ学ぶより、よっぽどあなたのキャリアに効く「人生術」です。
マインドセット2:「ネガティブな予測」は、最強の「ポジティブな準備」だ
「転」で紹介した「プレモーテム(事前検死)」や「ストレステスト」。
「もし、このプロジェクトが大失敗したら?」
「もし、C#の神が明日、宝くじに当たって辞めたら?」
……こういう「What if」を考えること、特に日本人の感覚だと、「縁起でもない」「やる気を削ぐ」「ネガティブだ」って、敬遠されがちです。
「大丈夫!俺たちならできる!なんとかなる!」
「そんな最悪なことばっかり考えてないで、前を向いて頑張ろうぜ!」
みたいな、根性論(笑)
でも、海外のビジネスシーンは、真逆です。
(もちろん、テンションは大事だけど)
「なんとかなる(Hope)」は、「戦略(Strategy)」とは呼ばない。
それは、ただの「ギャンブル(Gamble)」だ。
これが、グローバルスタンダードな感覚。
「リスク」を直視せず、根性論だけで突き進むチームは、「未熟なチーム」だと見なされます。
逆に、「最悪の事態」をあえてテーブルに乗せ、それを「全員で」オープンに議論し、
「じゃあ、その最悪の事態が”起きないように”、今、何をすべき?」
「万が一”起きた時”に、どう動くか、決めておこう」
と、対策(Action Plan)を準備できるチームこそが、「成熟したプロフェッショナルなチーム」として、最高にリスペクトされるんです。
あなたが、「転」でやったみたいに、
「このWPFのUIデザイン、最高にイケてるけど、実装負荷が高すぎて、リリースに間に合わない、っていう『死因』が今、見えました」
って、「プレモーテム」で発言したとします。
それは、「ネガティブな発言」でも「デザイナーへの文句」でも、まったくない。
それは、プロジェクトが半年後に「手遅れ」になるのを防いだ、**「チームを救う、最高にポジティブな貢献」**なんです。
「ネガティブな予測」は、決して「不安」を煽るためじゃない。
「不安」の正体をあぶり出し、それに「対策」という名前の光を当てることで、
チーム全員が**「最悪の事態は、もう対策済みだ」**という「絶対的な安心感」を持って、目の前のコードに100%集中するために行う、最強の「ポジティブな儀式」なんです。
このマインドセットに切り替わった瞬間、あなたの「What if」は、ただの「心配性」から「最強のリスク管理」に進化します。
マインドセット3:”Speak Up”(声を上げる)ことを、絶対に恐れるな
そして、最後。これが一番、大事。
日本人エンジニア(かつての僕も含め)が、一番、一番、苦手なこと。
それは、**”Speak Up”(スピークアップ:声を上げること)**です。
せっかく、あなたの「プロアクティブ・アーセナル」が、危険信号をキャッチしても。
(……あ、AIの予測、ヤバいな)
(……B君のパルスチェック、”気分:2″だったな。大丈夫かな)
(……このWPFの設計、将来、絶対パフォーマンスで問題になるな)
その「火種の匂い」を嗅ぎつけても、
「……でも、これ、僕が言うことじゃないかな」
「……僕の勘違いだったら、恥ずかしいしな」
「……今、これ言ったら、会議の雰囲気、悪くなるかな」
「……あのシニアエンジニア、機嫌悪くなりそうだな」
そう思って、口をつぐんでしまう。
……その「小さな沈黙」。
それが、数週間後、あるいは数ヶ月後に、あなたの想像を絶する「巨大な炎上」になって、全部、自分自身に返ってくるんです。
海外で働く上で、僕が自分自身に、毎日、言い聞かせている言葉があります。
「沈黙は、”金” ではない。沈黙は、”リスク” だ」
あなたが感じた「小さな違和感」。
あなたが察知した「火種の匂い」。
それは、あなたが「面倒くさいヤツ」だからじゃない。
それは、あなたの「エンジニアとしての経験と勘」が教えてくれた、**「プロジェクトにとって、最高に価値のある情報(アセット)」**なんです。
それを、チームに「共有」しないのは、
C#のコードに「致命的なバグ」を見つけたのに、誰にも報告しないで「コミット」するのと同じくらい、罪深いことなんです。
もちろん、「言い方」は、めちゃくちゃ大事。
「この設計、クソですね」なんて言ったら、ただのバカです(笑)
「すみません、ちょっと懸念があるんですけど…(Excuse me, I have a small concern…)」
「もしかしたら、僕の勘違いかもしれないんですが…(This might be just my misunderstanding, but…)」
「もし、このパターンだと、将来こういうリスクがありませんかね?(What if this pattern causes X risk in the future?)」
そうやって、勇気を持って「手を挙げる」こと。
“Speak Up” すること。
たとえ、それが杞憂に終わったとしても、
「Taroは、ちゃんとプロジェクト全体のこと考えてくれてるな」
「あいつ、うるさいけど、信頼できるな」
と、あなたの「評価」が上がることはあっても、
「余計なこと言うな」と評価が下がることは、まともなチームなら、絶対に、絶対に、ありません。
WPFの難解なバグをデバッグするのと同じくらい、
いや、それ以上に、
「どうやって、この”懸念”を、”建設的”にチームに伝えようか」
を悩んで、工夫して、そして「実行」してください。
その「一声」が、未来のあなたと、チーム全員を救うことになるんですから。
結び:あなたの「人生術」として
長々と語ってきました、僕の「プロアクティブ・アーセナル」。
AIツールで「データ」を読み、
パルスチェックで「感情」を読み、
「What if」で「未来」を読む。
これって、もう、ただの「プロジェクト管理術」じゃないですよね。
これは、予測不能で、ストレスフルな(でも、最高にエキサイティングな!)海外生活とキャリアを、
「運命」や「上司」や「炎上」に振り回されるんじゃなく、
自分自身で「コントロール」下に置くための、
僕が知る限り、最強の**「人生術」**そのものです。
「起きてから」なんとかする、リアクティブな働き方で疲弊し、消耗していく人生か。
「起きる前」にすべて手を打ち、プロアクティブに価値を生み出し、
チームから「絶対の信頼」を勝ち取り、
その結果として、「余裕」を持って、プライベート(と、好きなC#の勉強)も思い切り楽しむ人生か。
……どっちのエンジニアライフがいいかなんて、もう、聞くまでもないですよね。
この記事を「あー、いいこと書いてあったな」で閉じて、明日から「いつも通り」のリアクティブな日常に戻るのは、簡単です。
でも、この記事をここまで読んでくれた「あなた」は、そんな人じゃないと信じてる。
明日から、何か一つ。
本当に、小さなことでいい。
JiraのAI予測を、こっそり覗き見することからでもいい。
Slackで、いつもと違う同僚に「(インフォーマルに)調子どうよ?」って、パルスチェックしてみるでもいい。
自分が今書いてるC#のコードに、「もし、ここでとんでもないデータが来たら?」っていう「ストレステスト」の”What if”を、いつもより3個多く仕込んでみるでもいい。
その「小さな一歩」が、あなたの「プロアクティブ・マインドセット」を鍛える、最高の一撃になります。
海外で働くって、孤独で、大変なことも多い。
でも、最高にエキサイティングで、あなたの人生を、間違いなく豊かにしてくれる「冒険」です。
その「冒険」を、「炎上」なんかに邪魔させちゃ、本当にもったいない。
あなたのエンジニアライフが、もっと「攻め」で、もっと「クール」で、もっと「信頼」に満ちたものになることを、
海外の片隅のWPFデザイナー(兼エンジニア)として、本気で応援しています。
最後まで読んでくれて、本当に、本当に、ありがとうございました!

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