カンファレンス=地獄? 内向型エンジニアが抱える「あの恐怖」の正体
さて、いきなりネガティブなタイトルでごめんなさい(笑)
でも、正直に言いません? 海外のITカンファレンスとか、テック系のミートアップって…ぶっちゃけ、**「地獄」**じゃないですか?
特に僕みたいな内向型タイプにとって、あれはもう試練の場ですよ。
会場に着いた瞬間、まず、あの「圧」にやられる。
広い会場、鳴り響くBGM、やたらキラキラしたブース。そして何より、そこら中で形成されてる「輪」。みんな、片手にドリンク持って、めちゃくちゃ楽しそうに、流暢な英語で盛り上がってる。
「うわ…なんかスゴイとこ来ちゃった…」
まず、これが第一関門。
僕はC#でWPFっていう、いわゆるクライアントアプリ、デスクトップアプリをメインにやってます。これ、エンタープライズ(企業向け)の世界ではまだまだ現役バリバリなんですけど、こういう「イケてる」カンファレンスに来ると、どうしてもアウェイ感がすごい。
周りの会話を盗み聞きしても、「AIがどう」「サーバーレスの新しいフレームワークが」「Web3.0のポテンシャルが」みたいな、最先端のバズワードが飛び交ってる。
(あ、僕、WPFでMVVMパターンとかの話しかできないんですけど…大丈夫そ?)
この時点で、すでに「社会的なHP」がゴリゴリ削られていくんすよ。
これが「起」の段階。つまり、イベント開始直後の**「圧倒的疎外感」**フェーズです。
海外で働こうって思ってるくらいだから、皆さんも技術力には自信があると思うし、英語の読み書きや、仕様に関する「業務上の」会話はできるはず。でも、ネットワーキングで求められる英語って、種類が違いますよね。
そう、**「スモールトーク」**っていう名の、中身のない雑談。
天気の話し、さっきのキーノート(基調講演)がどうだったか、どこの国から来たのか。
これ、僕らにとって一番キツくないですか?
- 「あのセッション、どう思いました?」
- 「いやー、インスパイアされましたね(具体的に何に?)」
- 「(何を言えばいいかわからん…とりあえず笑っとこ)Ah, yeah, great, great! Haha.」
これで会話、終了。
気まずい沈黙。
相手は「こいつ、中身ねーな」って顔して、”Anyway, nice to meet you.” とか言って去っていく。
あああああ、もう帰りたい……。
僕も最初の頃は、これが本当に苦痛でした。
せっかく高い参加費払って、勇気を出して来たのに、結局誰ともまともに話せず、ブースでもらってきたステッカーとTシャツだけをカバンに詰め込んで、そそくさ退散。
「コミュ強」の陽キャなエンジニアたちが、セッション登壇者と肩組んで写真撮ってるのを横目で見ながら、「自分には向いてなかったな…」って落ち込む。
で、家に帰ってから思うわけです。
「あのカンファレンス、行く意味あったか?」と。
持って帰った名刺の束を見ても、誰が誰だか思い出せない。フォローアップのメールを送る気力も起きない。これじゃ、ただ疲弊しに行っただけ。
でもね、これって「内向型だからダメ」とか「英語がネイティブじゃないからダメ」って話じゃないんですよ。
僕も何年もこの「地獄」を経験して、ある時ふと気付いたんです。
これ、**「戦略」**の問題だ、と。
僕ら内向型エンジニアは、陽キャな人たちと同じ土俵で戦っちゃダメなんです。
彼らが「瞬発力」と「勢い」で人脈を広げていくタイプなら、僕らは「事前準備」と「戦略」で、彼らとは違う「質」の繋がりを作るべきなんです。
彼らが「狩猟型」なら、僕らは「農耕型」。いや、もっとエンジニアっぽく言うなら、彼らが「アドホックなスクリプト」なら、僕らは「綿密に設計されたアーキテクチャ」で勝負する。
このブログで伝えたいのは、まさにそこ。
「陽キャになろうぜ!」っていう精神論じゃありません。
「内向型のままで、どうやって海外のITイベントを攻略するか」っていう、超具体的な「技術(テクニック)」の話です。
僕がやってるのは、イベント当日までに「ほぼ勝負を決めておく」っていうやり方。
当日は、その「仕込み」を回収しに行くだけ。
この「仕込み」こそが、フックにもあった**「デジタル・ディープダイブ」**なんです。
次の「承」のパートでは、この「仕込み」の具体的な中身、つまり、どうやってイベント前に「ハッカー」のように情報を抜き出し、何を準備しておくのか。
そして、僕が「必殺の質問」と呼んでる、絶対に会話が途切れない魔法のフレーズについて、詳しく解説していきます。
ハッカーのように準備せよ!「デジタル・ディープダイブ」と「必殺の質問」
「起」で書いたあの「地獄」のような状況、もう味わいたくないですよね。
じゃあ、どうするか。
答えはシンプルです。僕ら内向型エンジニアは、「イベント当日に頑張る」のを、まず諦めましょう。
え?って思いました?
いや、マジでそうなんです。当日に、いきなり知らない人に「Hi!」とか言って、気の利いた雑談なんてできるわけがない。それは「コミュ強」の陽キャたちが得意な「RTA(リアルタイムアタック)」です。
僕らがやるべきは、「事前準備」。
それも、生半可な準備じゃない。
例えるなら、システムに侵入する「ハッカー」が、ターゲットの情報を徹底的に洗い出すような、綿密で、ちょっとオタクっぽい、あの作業です。
これを僕は勝手に**「デジタル・ディープダイブ」**と呼んでます。
イベント当日は、この「ディープダイブ」で仕込んだ「戦略」を実行するだけ。
いわば、僕らにとってイベント当日は「本番」じゃなくて「成果発表会」みたいなもんです。
具体的に何をやるか。僕が実際にやってる「ディープダイブ」の手順を、ステップ・バイ・ステップで全部バラします。
ステップ1:ターゲット(セッションと登壇者)の徹底分析
まず、イベントの公式Webサイトを開きます。タイムテーブルと登壇者リストを穴が開くほど見ます。
ここで、多くの人がやる「自分の仕事(C# / WPF)に直結するセッションだけ探す」っていうのは、半分正解で半分間違いです。
もちろん、ドンピシャのセッションがあれば最高です。
例えば「Building Modern Desktop Apps with .NET MAUI & WPF」みたいなのがあれば、それはもう最優先でマークします。
でも、海外の「イケてる」カンファレンスって、悲しいかな、WPFみたいな「渋い」技術のセッション、少なくないですか?(泣)
だいたいがAI、クラウド、Webフロントエンド、サーバーレス。
ここで「あー、俺の技術、オワコンなのかな…」って落ち込む必要は一切ありません。
むしろチャンスです。
僕らWPFエンジニアは、「ユーザーに一番近いところ」、つまりUI/UXやクライアント側のパフォーマンスっていう、超重要な部分を握ってるわけです。
だから、セッションを選ぶ視点をちょっとズラします。
- 「コンセプト」で選ぶ:例えば「The Future of UI/UX in the AI Era」みたいなセッション。登壇者がWebの人でも、その「考え方」や「デザイントレンド」は、WPFの画面設計(XAML)に絶対に応用できます。「あのWebのイケてるUI、WPFでどうやって再現するかな?」って考えながら聞くと、めちゃくちゃ面白い。
- 「アーキテクチャ」で選ぶ:「Event-Driven Architecture with Kafka」とか「Microservices Best Practices」とか。「え、WPFと関係ないじゃん」って? いやいや、大ありです。僕らが作ってるデスクトップアプリは、結局こういう「バックエンド」と通信するわけですよね。バックエンドの連中(笑)が何を考えて、どういう設計でデータを作ってるのかを知らないと、最適なクライアント(WPF)は作れません。
- 「純粋な好奇心」で選ぶ:ぶっちゃけ、これが一番大事かも。仕事と全く関係なくても、「量子コンピューティングの基礎」とか、自分が「なんか面白そう」って思うもの。こういう時じゃないと、体系的に学ぶ機会ないですからね。
さて、こうして「聞きたいセッション」をいくつかピックアップしたら、次が本番です。
そう、**「登壇者(スピーカー)」**のディープダイブです。
- LinkedInをチェック: どんな会社で、どんなキャリアを歩んできた人なのか? 前職は? 大学は?
- X (旧Twitter)をチェック: これが一番の宝庫。彼/彼女が最近何にハマってるか、どんな技術的議論をしてるか、どんなミームで笑ってるか。リプライ欄まで見ます。「この人、こういう質問には丁寧に答えるタイプだな」とか「こういう煽りにはスルーするんだな」とか、性格まで見えてきます。
- GitHubをチェック: エンジニアならコードを見ます。どんなリポジトリをスターしてるか、どんなプルリクを投げてるか、どんなIssueを立ててるか。
- 個人ブログをチェック: ここには「思想」が書かれてます。技術選定の理由、キャリアの悩み、ポエム。
これを、マークしたセッションの登壇者、最低でも3〜5人分、徹底的にやります。
まるで、好きなアーティストの昔のインタビュー記事を読み漁るファンみたいに(笑)
これをやると、どうなるか。
イベント当日、その登壇者がただの「英語喋ってる偉い人」じゃなくて、**「ああ、あのXで猫の画像ばっか上げてる、〇〇社のリードアーキテクトの人ね」**っていう、「知ってる人」に変わるんです。
この「知ってる感」、これがめちゃくちゃ大事。
これだけで、当日の心理的ハードルが、エベレストから高尾山くらいまで下がります。
ステップ2:会うべき「参加者」に目星をつける
登壇者だけじゃありません。僕らと同じ「参加者」も、ディープダイブの対象です。
- イベントの公式ハッシュタグ(例:
#TechConf2025)をXで検索。 - 「I’m excited to attend #TechConf2025!」みたいにポストしてる人を探します。
- その人のプロフィールをチェック。
- 「.NET Developer」「C# Lover」「WPF」みたいな、**「仲間」**のキーワードが入ってたら、即リストアップ。
- あるいは、自分が今まさに悩んでる技術(例: 「Kafka」とか「Azure DevOps」)をバリバリやってそうな人。
こうやって、「会うかもしれない人」のリストを事前に作っておくんです。
(上級編としては、勇気を出して「私も#TechConf2025に参加します! あなたのプロフィールを見たらC#を使ってるみたいで、もしよければ会場でWPFの未来について(笑)少しお話できませんか?」ってリプライやDMを送っちゃう。これで1人でも「会う約束」ができたら、そのイベントはもう「勝ち」です)
ステップ3:最強の武器「必殺の質問」を仕込む
さて、ステップ1と2で「ディープダイブ」が完了しました。
集めた情報(相手の興味、専門分野、最近の悩み)を使って、僕ら内向型エンジニアの最強の武器を作ります。
それが、**「相手が喜んで語りだす、ユニークなオープン・エンディッド・クエスチョン(Open-ended question)」**です。
「起」で書いた、あの気まずいスモールトークを思い出してください。
「セッション、どうでした?」「Great!」…(終了)。
これは「クローズド・クエスチョン(Yes/Noや一言で終わる質問)」だからダメなんです。
僕らが用意するのは、ディープダイブした情報(=リスペクト)をベースにした、**「あなただからこそ聞きたい」**という質問。
【悪い例(そのへんのコミュ強)】
- 「やー、いい天気ですね」
- 「どのセッションが良かったですか?」
- 「名刺交換しませんか?」(目的が透けすぎ)
【良い例(戦略的な内向型)】
- (登壇者Aさんに対して)「Aさん、セッション最高でした。特にデータ可視化の部分ですが、あれって、あなたが先月ブログで書かれていた『ReactとD3.jsのパフォーマンス比較』の実験結果が、かなり反映されてますよね? あの時ブログでは触れてなかった『WPFみたいなデスクトップ環境』で同じことをやるとしたら、どのライブラリが一番筋が良いと『今』思いますか?」
- (参加者Bさん(XでKafkaの運用に悩んでた人)に対して)「すみません、Bさんですか? Xでいつも投稿拝見してます。私もC#エンジニアです。いきなりですが、あなたがXで悩んでた『Kafkaのコンシューマーが時々詰まる件』、さっきの〇〇のセッションで解決のヒントありました? 僕も似たような問題で悩んでて、Bさんの見解が聞きたいんですが…」
どうです?
この質問、相手は「Great!」の一言で終われますか?
まず、終われないですよね(笑)
ポイントは3つ。
- **「私はあなたのことを見てますよ(リサーチしました)」**という、相手への最大級の敬意が伝わる。
- 「Yes/No」ではなく、**「相手の意見や思考」**を引き出す質問になっている。
- **「WPF」や「C#」**といった、自分の土俵のキーワードをこっそり混ぜ込むことで、自己紹介も同時に済ませている。
相手は「お、こいつ、わかってるな」となります。
「いやー、ブログ読んでくれたんだ、ありがとう! デスクトップ環境なら、実はね…」と、喜んで語り始めてくれる可能性が非常に高い。
ここまで来たら、もうこっちのもんです。
僕らは、ペラペラと気の利いた雑談をする必要はないんです。僕らは**「聞き上手」**に徹すればいい。
相手が7割、自分が3割。相手が気持ちよく話せるように、ディープダイブで得た情報を「相槌」や「深掘りのための次の質問」として使っていきます。
あえて「話さない」戦略。最強の武器「内向型エスケープルート」
さて、「承」のパートで、僕らはハッカーのように「デジタル・ディープダイブ」を敢行し、ターゲット(登壇者や参加者)の情報を丸裸にし、最強の「必殺の質問」を仕込みました。
準備は、完璧。
手元のメモ帳(あるいはスマホのメモアプリ)には、会うべき人のリストと、彼らの心に突き刺さるはずの質問が、びっしり書き込まれている。
よし、これで勝てる。
そう思って意気揚々と会場のドアをくぐった瞬間…
…無理。
そう、あの「圧」です。
「起」のパートで書いた、あの地獄の光景。
すでに最高潮に盛り上がってる会場の熱気、鳴り響くデカい音楽、強すぎる照明、そして、四方八方から飛び交う、聞き取れないほどの速さの英語の雑談。
この「刺激の洪水」。
これこそが、僕ら内向型エンジニアにとっての「最大の敵」です。
僕ら内向型って、別に「人が嫌い」なわけじゃないんですよね。そうじゃなくて、「外部からの刺激」に対して、めちゃくちゃ敏感なんです。
だから、こういう「刺激過多」な場所にいるだけで、「社会的なバッテリー」とか「HP(ヒットポイント)」が、スマホの電池みたいに急速に減っていく。
外向型(陽キャ)の人たちは、不思議なことに、この「刺激」の中で人と話すことで「充電」されていくんですよ。信じられない「仕様」ですよね(笑)
でも、僕らは逆。
人と話せば話すほど、いや、その場に「いる」だけで、バッテリーは消費されていく。
「承」でせっかく準備した「必殺の質問」リスト。
これ、HPが満タンの状態で、狙いを定めてターゲットにぶつけるから「必殺」になるんです。
想像してみてください。
すでに会場の雰囲気だけでHPが残り10%になった状態で、やっとの思いでターゲットのAさんを見つけた。
「(うわ、なんか偉い人たちと盛り上がってる…今話しかけたら邪魔かな…)」
勇気を振り絞って話しかける。
「あ、あの、Aさん…ブログ、読みました…えっと、WPFの、あの…」
これじゃダメだ。
声は小さいし、目は泳いでるし、自信なさげ。相手にも「こいつ、大丈夫か?」って不安が伝わっちゃう。これでは、せっかくの「必殺の質問」も、ただの「変な質問」で終わってしまう。
だから、「転」のパートで僕が声を大にして言いたいのは、これです。
「逃げる」ことを、戦略として組み込め。
そう、「逃げる」は恥でもなんでもない。
僕ら内向型にとっては、**「エネルギー管理(HP管理)」**こそが、イベントを生き抜くための最重要戦略なんです。
「頑張って、ずっと会場にいなきゃ」
「せっかく高い金払ったんだから、元取らなきゃ(=人と話しまくらなきゃ)」
この「べき論」が、僕らを殺すんです。
初日の午前中で燃え尽きて、午後のセッションは頭に入らず、夜の懇親会(ネットワーキング・パーティ)なんてもちろん欠席。これじゃ、準備した意味がない。
だから、僕は必ず「逃げ場所」=**「内向型エスケープルート」**を、事前に特定しておきます。
これも「デジタル・ディープダイブ」の一環です。
ステップ1:「逃げ場所」をハックする(事前準備)
イベントのWebサイトで、タイムテーブルと一緒に必ず「会場マップ(Floor Plan)」をチェックします。
僕が見るのは、セッション会場の場所じゃありません。そんなのは後でいい。
僕が探すのは、**「刺激を合法的にシャットアウトできる場所」**です。
- 公式の「Quiet Zone(静かなエリア)」: デカいカンファレンスだと、最近はこういうのが用意されてることも多い。最高。絶対場所を覚えておく。
- 「Prayer Room(祈祷室)」: これ、意外な穴場です。もちろん本来の目的で使う場所ですが、宗教関係なく「静かに瞑想したい人」にも開放されてることが多い。ここは絶対に「静か」です。
- 使われていない小会議室: マップ上で、特定のスポンサー名が入ってない、ただの「Meeting Room 1」みたいな部屋。当日は鍵がかかってるかもしれないけど、その「前」の廊下やソファは人が少ない可能性大。
<h4>ステップ2:「逃げ場所」を下見する(当日・朝イチ)</h4>
会場に着いたら、僕はキーノート(基調講演)に直行しません。
まず、事前にマップで確認した「エスケープルート」候補地を、全部「下見」しに行きます。
「うん、ここのソファは窓際で日当たりはいいけど、メインの動線に近すぎてうるさいな…却下」
「お、あの階段の踊り場、充電ポートもあるし、人も来ない。完璧だ。ここを今日の『拠点キャンプ』にしよう」
会場内にいい場所がなければ、**「会場の外」が最強のエスケープルートになります。
ロビー、中庭、隣の建物のスタバ(ただし混んでる)。
僕の一番のおすすめは、「会場のWi-Fiがギリギリ届く、会場の外のベンチ」**です。
<h4>ステップ3:「戦略的撤退」と「マインドフル・ブレイク」</h4>
イベントが始まったら、無理をしない。
セッションを1個聞いたら、もうそれだけで結構疲れてますよね。
特に英語の技術セッションって、集中力が半端なく必要だから。
セッションが終わって、みんながゾロゾロと次の会場やコーヒーブレイクに向かう。
あの「人ごみ」が一番HPを削る。
だから、僕は逆流します。
人の波が引くまで、セッション会場の椅子に座ったまま、PCを開く。
あるいは、すぐに「拠点キャンプ(さっきのベンチ)」に直行します。
そして、そこで「休憩」するんです。
この「休憩」が、ただのサボりじゃない、「戦略的」な休憩です。
- 絶対にやること(回復):
- 目をつぶる。 視覚情報をシャットアウトする。これだけで脳が休まります。
- 水を飲む。 コーヒーやエナドリは、交感神経をぶち上げて無理やりHPを「前借り」するだけ。後で地獄を見ます。飲むなら水か、カフェインレスのお茶。
- 深呼吸する。
- 絶対にやらないこと(消耗):
- スマホでSNSを見ること。特にダメなのが、X(旧Twitter)でイベントのハッシュタグ(#TechConf2025とか)を追うこと。「うわ、〇〇さん、登壇者と写真撮ってる…」「みんな、めっちゃ楽しそう…それに比べて俺は…」これが一番ダメ。自己肯定感が下がって、HPがさらに減ります。スマホは機内モードにするか、カバンにしまってください。
<h4>ステップ4:「休憩」から「戦略」へ(エネルギー回復後)</h4>
「拠点キャンプ」で10分〜15分、完全に「無」になる。
騒音と情報から遮断されて、少しずつ「社会的なバッテリー」が回復してくるのを感じます。
(…ふぅ。だいぶ落ち着いた)
HPが30%くらいまで回復したら、そこで初めて、スマホの「メモアプリ」を開きます。
そう、「承」で作った「必殺の質問リスト」です。
- 「よし、HP回復。次のミッションは、Bさんだ」
- 「Bさんは、XでKafkaの運用に悩んでたC#エンジニア」
- 「次のコーヒーブレイクは15分後。ラウンジAに出没する可能性が高い」
- 「彼を見つけたら、この質問をぶつける。『Bさん、さっきのイベント駆動アーキテクチャのセッション、BさんがXで悩んでたKafkaの件、あれで解決しそうですか?』」
ほら。
これって、もはや「ネットワーキング」っていうか、「タスク」ですよね。
あるいは「クエスト」。
僕らエンジニアは、「仕様が曖昧」で「アドリブ」を求められる「雑談」が苦手なだけ。
「ターゲット」が明確で、「実行すべきタスク(質問)」が定義されてて、「実行タイミング(次の休憩時間)」が決まっていれば、できるんです。
なんなら、僕の場合、エスケープルートでPCを開いて、さっきのセッションで見たイケてるWeb UIを「これ、WPFのXAMLでどうやってControlTemplate使って再現するかな…」とか考えたりしてます(笑)。
そうやって、一度自分の「ホームグラウンド(=コード、設計)」に思考を戻すことで、一気に心が落ち着く。
この「エスケープルート」という「心理的安全性」を確保していること。
「俺には逃げ場所がある」「いつでも休んでいい」と思えていることが、逆に「よし、HPも回復したし、もう一仕事(=次のターゲットに話しかけに)行くか」という勇気を生み出すんです。
HPが10%のヘロヘロの状態で100人と名刺交換するより、
HPを80%に回復させた万全の状態で、たった1人に「必殺の質問」をぶつける。
どっちが「意味のある」繋がりになるか、もうわかりますよね?
名刺の数より「濃い1人」を。明日から使える、自分らしい繋がり方
さて、「起承転」と、僕ら内向型エンジニアが海外ITイベントという「地獄」をどう生き抜くか、その超具体的な戦略について話してきました。
- 「起」で、僕らが感じる「圧倒的疎外感」と「刺激の洪水」という「敵」を定義しました。
- 「承」で、陽キャとは戦う土俵を変え、ハッカーのように「デジタル・ディープダイブ」を行い、相手の心に突き刺さる「必殺の質問」を準備する、という「武器」を手に入れました。
- 「転」で、僕らの最大の弱点である「社会性バッテリー」の消耗を防ぐため、「エスケープルート」を確保し、「戦略的撤退」でHPを管理するという「防具(アーマー)」を装備しました。
武器も防具も手に入れた。
さあ、これで僕らはイベントを「攻略」できる。
でも、最後に一番大事な「マインドセット」の話をさせてください。
それは、**「そもそも、このゲームの『勝利条件』って何だっけ?」**という話です。
イベントが終わった夜。ホテルの一室で、疲れ果ててベッドに倒れ込む。
陽キャのAさんは、カバンからパンパンになった名刺入れを取り出し、満足げにニヤニヤしています。「いやー、今日も100人と繋がったわー。LinkedInの友達申請、50件来てるし!」
一方、僕らのカバン。
交換した名刺は…たったの3枚。
LinkedInの友達申請は…ゼロ。
さあ、この勝負、僕らの「負け」でしょうか?
もし、このゲームの勝利条件が「集めた名刺の数」や「LinkedInの友達の数」であるなら、僕らは永遠に彼らには勝てません。
でも、そんな土俵で戦う必要は、最初からなかったんです。
僕らが「承」でやった、あの地味でオタクっぽい「ディープダイブ」を思い出してください。
あれは、不特定多数に「数打ちゃ当たる」ための準備じゃなかったですよね。
あれは、**「本当に話す価値のある、たった1人」**を見つけるための、超高精度な「フィルタリング」作業だったはずです。
僕らが「転」でやった、あの「エネルギー管理」を思い出してください。
あれは、どうでもいいスモールトーク100回のために、HPを温存したんじゃない。
あれは、あの「たった1人」との、濃密な20分間のディープ・トークのために、**「社会性バッテリーの全リソースを集中投下する」**ための戦略だったはずです。
僕ら内向型は、浅く広いコミュニケーションが苦手です。
でも、その代わり、深く狭いコミュニケーション、つまり、一つのテーマ(それが技術であれ趣味であれ)を、とことん掘り下げる「集中力」を持っています。
これこそが、僕らの「専門性」であり、陽キャにはない「最強の武器」です。
僕がやってるC#やWPFの世界も、ちょっと似ています。
今どきのキラキラしたWeb技術みたいに、カンファレンスで誰も彼もが話題にする「派手さ」はないかもしれない。
でも、エンタープライズの現場や、医療機器、産業用ロボットの制御画面みたいに、「絶対に止まっちゃいけない」ミッション・クリティカルな現場で、深く、静かに、確実に動いている。
そういう「深さ」と「信頼性」が僕らの土俵なんです。
僕がイベントで探すのは、そういう「深さ」を理解してくれる人。
僕が準備した「必殺の質問」に、嬉々として技術的な深掘りで返してくれる人。
イベントで交換した名刺が、たった3枚だとしても。
- 1枚は、「Kafkaの詰まり」について20分議論した、あのBさん。
- もう1枚は、「WPFでのUI再現」について「面白い視点だね」と笑ってくれた、登壇者のAさん。
イベントの翌日、僕が送るフォローアップ・メールは、定型文じゃありません。
「Aさん、昨日はありがとうございました。例のWPFの件ですが、セッションであなたが言及していた『状態管理』を、MVVMパターンに適用するとしたら…(以下、技術的な提案が続く)」
こうして始まった関係は、「名刺交換しただけの人」100人より、はるかに価値がある。
半年後、Aさんから「今度、うちの会社でデスクトップアプリのリプレイスがあるんだけど、君のWPFの知見、貸してくれない?」って連絡が来るかもしれない。
Bさんとは、週末にオンラインで、一緒にサイドプロジェクトのコードを書いてるかもしれない。
これこそが、僕ら内向型エンジニアが目指すべき「ネットワーキング」の「勝ち」じゃないでしょうか。
名刺の数で勝負するな。繋がりの「深さ」で勝負しろ。
海外で働くということは、常に「アウェイ」で戦うということです。
そんな時、本当に自分を助けてくれるのは、パーティで乾杯した100人の「知り合い」じゃなく、技術的な悩みを本気で相談できる、たった1人の「戦友」です。
このブログで紹介した戦略は、その「たった1人」を見つけ出し、確実に仕留めるための、内向型エンジニアによる、内向型エンジニアのための「サバイバル術」であり、僕なりの「人生術」です。
次にあなたがカンファレンスに行く時、もう「陽キャのフリ」をしなくていいんです。
無理して雑談の輪に入らなくていい。
自分の「土俵」で、自分の「武器」を持って、堂々と「たった1人」を狙い撃ちしに行きましょう。
その「1人」との出会いが、あなたの海外でのエンジニア・キャリアを、想像もつかないくらい豊かにしてくれるはずですから。

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