『聞き取れない』恐怖との向き合い方

― Fluentじゃなくていい。通じる英語で戦うエンジニア術 ―

  1. 「聞こえない」「理解できない」「ついていけない」その焦りの正体
      1. 📌“話せるようになっても、聞き取れないまま”問題
      2. 🧠「自分の耳がおかしいんじゃないか」って本気で悩んだ時期
      3. 🛠️「聞き取り」には“訓練”が必要。スキルと同じ
  2. “聞き取り地獄”から抜け出すために僕がやったこと
      1. 🔁1.「聞き取れない」を“当たり前”にするマインドセット
      2. 🗣2.「聞き取れないときの即レス英語」を準備した
      3. 🎧3. “実務系リスニング”を耳に慣れさせる訓練
      4. 📚4.「雑談」に慣れるには、雑談を“素材”にする
      5. 🛡️5.「沈黙」もコミュニケーションの一部と割り切る
    1. 🔚まとめ
  3. 聞き取れなかった“あの瞬間”、僕はこう乗り越えた
      1. 💥事件①:リリース日を1週間間違えた
      2. 🧠事件②:「黙ってたら何も伝わらなかった」
      3. 📉事件③:Slackの“皮肉ジョーク”が理解できなかった
      4. 📌小さな“事故”を重ねて見えてきたこと
  4. 「聞こえない」は武器になる:非ネイティブが“聞き取り恐怖”を手放す5つの思考法
    1. ✅1. 「聞けて当然」より「聞けたらラッキー」
    2. ✅2. 聞くより、「整理する」が先
    3. ✅3. 聞き取れない単語は“捨てる”
    4. ✅4. “聞く”のではなく、“聞き返せる距離感”をつくる
    5. ✅5. “わからない”を、むしろ可視化する
  5. 🎯まとめ:聞き取れなくても、仕事は進む。

「聞こえない」「理解できない」「ついていけない」その焦りの正体

正直言って、“話す”より“聞く”方が100倍ツラかった。

海外でエンジニアとして働き始めたばかりの頃、
英語で会話するってだけでもう緊張なのに、相手の言ってることが全然聞き取れない。

会議が始まると、ネイティブたちがマシンガンみたいに話し始める。
こっちは全力で耳を集中させても、こんな感じ:

“…mumble mumble…UI…mumble…deadline…mumble mumble…ASAP.”

ASAPだけわかった。でも他が何も入ってこない。
周りはうなずいてるのに、自分だけ“取り残されてる感”がやばい。


さらに厄介なのは、「聞き返せない」自分の心理ブロック。

  • 「何度も聞き返したら失礼かも…」
  • 「あの人の英語、早すぎてもう無理…」
  • 「次の話にいってるし、もう遮れない…」

結果、何も理解できないまま会議が終わる。
「今日の会議、何の話だったんだっけ?」と自分に問いかけるしかない帰り道。


📌“話せるようになっても、聞き取れないまま”問題

英語学習って、「スピーキング」にフォーカスしがちだけど、
実務では圧倒的に“リスニング”の方が重要だった。

  • クライアントの要望
  • チームリーダーの指示
  • デザイナーとの仕様すり合わせ
  • QAからのバグ報告

どれも、「まず聞き取れないと始まらない」。

しかも会議中は、話し手のアクセントもバラバラ。
イギリス英語、インド英語、オーストラリア英語、時にはフランスなまり…。
「これはもはや言語の戦場だ」と思った。


🧠「自分の耳がおかしいんじゃないか」って本気で悩んだ時期

僕が特に落ち込んだのは、ネイティブと話してるときじゃなくて、
他の非ネイティブ(例:インド、フィリピン、フランス)のメンバーの英語が聞き取れなかったとき。

「え、ネイティブじゃないのに、なんで聞き取れないの?」
「てことは、自分のリスニング能力が終わってるってこと…?」

この考えがグルグル回って、会議に出るのが怖くなったこともあった。

でも、そこでようやく気づいたんです。

「聞き取れないのはスキル不足じゃない。経験値不足だ。」


🛠️「聞き取り」には“訓練”が必要。スキルと同じ

話す力と同じで、**聞く力も“設計して鍛えるもの”**なんだと気づいてから、
僕のリスニングに対する考え方が変わりました。

それまでの僕は、ただ耳をダンボにして英語を聞いてただけ。
でも、それじゃ全然“実務の音”には対応できない。

そこで次回からは、

  • 英語が聞き取れなかった時にやって効果のあった3つの行動
  • “非ネイティブ英語”を聞き取るためにやった実践トレーニング
  • 「え、今なんて言った?」を乗り切る英語フレーズ集
  • 会議中、聞き逃しても“内容を掴むコツ”

…などをリアルな体験と一緒に紹介していきます。

“聞き取り地獄”から抜け出すために僕がやったこと

🔁1.「聞き取れない」を“当たり前”にするマインドセット

最初にやったこと。それは自分を許すことだった。

「英語が聞き取れない自分=ダメだ」と思い込んでいたけど、
それ、自分の耳が悪いわけでも、努力不足でもない。

だって、非ネイティブにとって“聞き取れない”は自然な現象
特に実務の会話は、

  • スピード早い
  • アクセント強い
  • 文法崩壊してる(「I has」みたいなやつ)
  • 固有名詞がバンバン出てくる

それを「一発で完璧に聞き取る」なんて、ネイティブでも難しい。

だから、まずこう自分に言い聞かせた:

「聞き取れなくてもいい。全部わからなくても、必要なところが掴めればOK。」

このマインドを入れた瞬間、英語の音への“恐怖感”がだいぶ減った。


🗣2.「聞き取れないときの即レス英語」を準備した

会議や雑談で聞き返したいのに、
「Sorry?」以外の言葉が出てこないという地獄、ありませんか?

僕はこれで何度も撃沈してきたので、“聞き返しテンプレ”を用意しました。

📌僕がよく使った3つ:

  • “Sorry, I didn’t catch that. Could you say it again?”
    (すみません、ちょっと聞き取れませんでした。もう一度お願いできますか?)
  • “I got the part about the schedule, but what did you say before that?”
    (スケジュールの話はわかったんですが、その前は何でしたか?)
  • “Just to confirm, you said the release is next Friday, right?”
    (確認ですが、リリースは来週金曜ってことで合ってますか?)

これ、準備しておくだけで聞き返しの心理的ハードルが激減します。
“英語でどう言えばいいか”を考えてる間に会話が先に進む、
という事故も減らせます。


🎧3. “実務系リスニング”を耳に慣れさせる訓練

英語の映画やドラマを見ても、
実際の会議の聞き取り力が上がらない――その理由、わかりますか?

答えは簡単:**“使われてる英語の種類が違う”**からです。

仕事で使う英語には独特の表現、語順、省略、略語があります。
だから僕は、“実務会話の素材”でリスニング訓練をやり直しました。

📌使ったリソース:

  • YouTube: Google I/O / Microsoft Build / AWS Summitのセッション
    → 開発者がリアルなスピードで話してるのが◎
  • ポッドキャスト: “Syntax.fm” / “Developer Tea”
    → 軽めの会話だけど、開発の話題中心
  • 英語字幕付きZoom録画(社内でOKが出た場合のみ)
    → 実際の会議内容を聞き直し、自分で「聞き逃した部分」を分析

ポイントは、「最初から聞き取れる」ことを目指さない。
聞き返して、止めて、巻き戻して、“何回も”聞く。
これで、英語の“リズム”と“意味のブロック”が見えてくるようになる。


📚4.「雑談」に慣れるには、雑談を“素材”にする

会議よりキツかったのが、ランチ時間の雑談Slackのチャンネル会話
特にネイティブ同士が話してると、スラングも混じって超高速。

そこで僕は、Slackのやりとりや、雑談の録音(OKな範囲で)を“教材”にしました。

  • 「え?今のってどういう意味?」
  • 「この略語、初めて見たぞ」
  • 「この表現って皮肉?それともジョーク?」

一つひとつを「調べる→使ってみる→覚える」サイクルに変換。
最初は全然意味わからなかったSlackのチャンネル(#random とか #watercooler)も、
半年後には普通にツッコミ入れられるくらいには慣れてきた。


🛡️5.「沈黙」もコミュニケーションの一部と割り切る

これは最後の砦だけど大事な話。

「聞き取れない → 黙る → 存在感がなくなる」
このループにハマって、自分を責めることが多かった。

でもあるとき、上司がこう言ってくれた。

“Silence is OK. You don’t have to talk all the time. You’re listening, and that matters.”

それで肩の力が抜けた。
“無理に全部理解しようとしない”ことが、逆に聞き取りの余裕につながった。


🔚まとめ

“聞き取れない”という感覚は、恥でも劣等感でもなく、グローバル現場での“通過儀礼”
僕自身、失敗と恐怖を何百回と繰り返しながら、少しずつ“聞こえるようになる耳”を育ててきた。

聞き取れなかった“あの瞬間”、僕はこう乗り越えた

💥事件①:リリース日を1週間間違えた

ある日、上司との1on1でこう言われた。

“Let’s aim for the release next Friday, and get QA involved by Tuesday.”

僕は「来週の金曜日にリリース」と思って作業を進めた。
でも、Slackで流れていたメッセージには「this Friday」とある。
慌てて確認したら、**実は“今週の金曜日”**だった。

聞き間違えた単語はたった一つ。
でも、納期を1週間勘違いする大事故に発展しかけた。

そのとき上司が言ってくれたのは:

“It’s OK. English tenses are confusing. Just confirm dates next time.”

以降、**「具体的な日付で確認する」**のが僕の習慣になった。

🗓️ たとえば:

“Just to confirm, you mean August 8th for the release, right?”

“聞こえたまま”を信じず、確認する癖が、ミスを減らしてくれた。


🧠事件②:「黙ってたら何も伝わらなかった」

会議中、プロジェクトの進行についての議論が始まった。

“timeline”とか“scope creep”とか、
わからない単語が飛び交いすぎて脳がフリーズ
「聞き返すタイミングも逃したし、もう黙っとこう……」

…と沈黙していたら、あとでPMからDMが。

“Hey, you didn’t say anything in the meeting. Is everything alright?”

この時、初めて気づいた。

「黙っていた=理解してると思われない」

それからは、たとえ聞き取れなくても、最低限こう言うようにした:

“Sorry, I lost track around the part about the risks. Could someone recap that briefly?”

**“黙る”のではなく、“追いつきたい意思を見せる”**だけで、
周囲のサポートもグッと得られるようになった。


📉事件③:Slackの“皮肉ジョーク”が理解できなかった

Slackで「うわー月曜最高!」というメッセージが飛んできた。

僕は素直に「へえ、珍しいな」と思ってスタンプを押した。
でもその直後、同僚たちが次々に “lol” や “😩” スタンプで返していて、

「あ…あれ…これジョークだったのか……」と気づいた時には遅かった。

英語の皮肉(sarcasm)って、本当に難しい。

でも、ここで学んだのは:

「意味がよくわからないリアクションは、ちょっと待つ or 聞く」

たとえば:

“Haha, I’m not sure if that was sarcasm or not 😅”
(今のって皮肉ですか?それとも本音?)

とフラットに聞いてみると、ネイティブも笑って教えてくれた。

失敗しても、“無知を笑う”文化ではないというのが救いだった。


📌小さな“事故”を重ねて見えてきたこと

  • 聞き取れなかったら、即・確認する
  • 黙るのではなく、状況を共有する
  • 笑われるより、無言で誤解される方が怖い

こうした経験を通して僕が得たのは、
**「完璧に聞く」より「聞けないことを開示する力」**の方が重要だということ。

「聞こえない」は武器になる:非ネイティブが“聞き取り恐怖”を手放す5つの思考法

聞き取れない瞬間は、恥ずかしさや不安よりも、
**「置いていかれる怖さ」**がいちばん大きい。

でも、あのヒヤリとした会議、
あのSlackの皮肉ジョーク、
あの納期ミスの瞬間を何度も経験して、

少しずつ、**「聞き取れない自分」**との付き合い方がわかってきた。

ここでは、実務で鍛えた僕なりの**“聞き取り思考術”5つ**を共有します。


✅1. 「聞けて当然」より「聞けたらラッキー」

ネイティブじゃないんだから、100%聞けるわけがない。

“わからない=自分が悪い”じゃない。
むしろ、聞き返す勇気を持った方が**「話を止める力」**がある人。

✍️マインドセット:

「英語は聞くものじゃなく、止めるもの。」


✅2. 聞くより、「整理する」が先

長い説明や議論が理解できないとき、
実は「英語力」じゃなくて「構造の整理」ができてないことが多い。

🧭だからまず、話を聞きながらこう分類する癖をつけた:

  • これは背景?目的?問題?提案?
  • 今、誰が何に困ってる?
  • 何を決めたい話?

整理できれば、単語がわからなくてもついていける。
構造を捉える力は、英語力より大きな武器。


✅3. 聞き取れない単語は“捨てる”

全部の単語を聞こうとするのは無理ゲー。
特にネイティブのスピード感では。

🪓そんなときは、あえてこう考える:

「今わからなかった単語は“意味のない飾り”かもしれない」

重要な単語は、だいたい何度も出てくる。
つまり、“拾えるタイミング”はまた来る。


✅4. “聞く”のではなく、“聞き返せる距離感”をつくる

一番大事なのは、英語力より人間関係だったりする。

「この人には聞き返しやすい」って思える関係性があると、
圧倒的に会話はラクになる。

僕がやっているのは:

  • 会議の前にSlackで軽く雑談を振っておく
  • 英語が早い人に**「よく聞き返してますが気にしないでくださいね」と先に宣言**
  • 自分が聞き返されたときに、全力で肯定的に返す

それだけで、「聞き返し=迷惑」じゃなくなる。


✅5. “わからない”を、むしろ可視化する

「聞き取れませんでした」って恥ずかしい言葉じゃない。
むしろ、プロジェクトを止めないための勇気ある報告

僕がよく使っているのは:

  • “I might have missed something, but…”
  • “Can I ask a quick clarification?”
  • “Let me double-check if I got it right.”

聞き返すのではなく、**“確認する姿勢”**を見せると、
相手も安心して話してくれるようになる。


🎯まとめ:聞き取れなくても、仕事は進む。

英語は「わかるかどうか」より、
**「わからないことをどう扱うか」**がすべて。

聞き取りの恐怖を乗り越えるには、
“英語力”ではなく、向き合い方を鍛えること。

完璧じゃなくていい。
でも、誤魔化さない。
正直に、構造的に、勇気を持って返す。

それだけで、聞こえなかった地獄は、
ちょっとずつ“聞き取れる世界”に変わっていく。

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