“UI設計者としての価値”を英語の書類にどう落とし込むか?
1. 海外就職で最初の壁は「書類」
海外でUI設計やWPF開発のポジションを狙うとき、多くの日本人エンジニアが最初につまずくのは 「英語の職務経歴書」 と 「ポートフォリオ」 です。
面接以前に、書類の時点で落とされる。
これは「英語が下手だから」ではなく、ほとんどの場合 “価値の見せ方”が海外基準になっていない ことが原因です。
僕も最初、英語のレジュメを自作したときは、自分がやってきたプロジェクトを時系列で淡々と並べただけでした。
しかし数社応募しても返事すら来ない。
なぜなら、採用担当者は「職歴の歴史」ではなく「即戦力になる根拠」を見たいからです。
2. 「やったこと」ではなく「成果+再現性」
日本語の職務経歴書は「プロジェクト名」「期間」「担当業務」をしっかり書くのが主流ですが、海外ではこれだけでは弱いです。
求められるのは 「何を達成したか(成果)」 と 「そのスキルをまた使える根拠(再現性)」。
たとえば、日本的な書き方だとこうなります。
WPFアプリケーション開発(2021〜2022)
- 設計・実装・テストを担当
- MVVMパターンを採用し、保守性を向上
これを海外向けに書き直すと、こうなります。
UI/UX Designer & WPF Developer
- Designed and implemented a multi-tab financial dashboard using WPF and MVVM, improving usability for 300+ analysts.
- Reduced average task completion time by 40% through intuitive UI flow and real-time filtering features.
この差は、単に英語にしただけでなく 「成果の数字化」 と 「ユーザー価値」 を強調していることです。
海外の採用担当は、この「数字+影響範囲」が大好物です。
3. ポートフォリオは“スクショ集”ではない
WPFのUI設計ポートフォリオを作るとき、日本人エンジニアがやりがちなのは 画面キャプチャを並べただけの資料。
確かに見た目はわかりますが、それでは**「なぜそのUIになったか」** が伝わりません。
海外では「設計意図」や「ユーザー課題」まで説明するのが標準です。
僕が海外ポートフォリオに必ず入れる構成はこうです。
- プロジェクト概要(背景・対象ユーザー・目的)
- 課題(Beforeの状態、何が使いにくかったか)
- アプローチ(UI設計方針・工夫・使用技術)
- 成果(改善の効果・数字・フィードバック)
- 学び/再現可能性(他案件にも活かせる知見)
これを1プロジェクト=1〜2ページにまとめ、3〜5案件を載せるのがベスト。
これ以上長くすると読まれません。
4. 「設計意図の翻訳術」
特に日本語から英語にするときの落とし穴は、「設計意図」の翻訳です。
直訳すると説明がくどくなったり、逆にニュアンスが薄れたりします。
例えば、日本語で
「ユーザーが同時に複数のレポートを比較できるようにUIを再設計しました」
と書く場合、英語では
“Redesigned the UI to enable side-by-side report comparison, enhancing multi-task efficiency for analysts.”
とすると、「誰に」「何のために」まで明確になります。
この「目的+対象+効果」の3点セットで書くと、英語でも設計者の価値がしっかり伝わります。
スクリーンショットだけでは伝わらない理由
UI設計のポートフォリオを作るとき、多くの人がまずやるのは「画面のスクリーンショットを並べる」ことです。
もちろん見た目は重要ですが、採用担当者やクライアントが本当に知りたいのは、**「そのUIがなぜそうなったのか?」**という設計意図やユーザーへの理解度です。
英語圏の採用シーンでは、デザインの美しさだけではなく、
- ユーザー課題をどう発見したか(Problem Identification)
- どんな制約の中で設計したか(Constraints & Trade-offs)
- なぜそのUI構造を選んだのか(Design Rationale)
- どのような改善プロセスを経たか(Iteration & Feedback)
といった背景説明が必ず求められます。
例えば、
- 「I redesigned the WPF dashboard to reduce cognitive load by grouping related metrics and applying a consistent color hierarchy.」
のように、変更点+目的+効果を一文で表す構成にすることで、単なる見た目の紹介ではなく“設計者の思考プロセス”を伝えることができます。
この「意図を言語化するスキル」は、日本語では何となく説明できても、英語ではつい単語が出てこなかったり、文法を気にして曖昧になりがちです。
だからこそ、事前にポートフォリオの説明文を「短く・明確に」英語化しておくことが、海外応募では決定的に重要になります。
WPF UI設計ポートフォリオの英語テンプレ
ここからは、海外応募でそのまま使える英語ポートフォリオ構成例と例文フォーマットを示します。
WPF案件を例にしていますが、他のUIフレームワークにも応用可能です。
1. Project Overview(概要)
短く、何のプロジェクトで、何を担当したのかを明確に。
Example:
“Developed a WPF-based enterprise dashboard for monitoring system health across distributed environments, serving as the lead UI/UX designer.”
2. Problem Statement(課題)
現状の問題点や改善ポイントを1〜2文で説明。
Example:
“The original dashboard presented over 40 metrics on a single screen, overwhelming users and making critical status changes easy to miss.”
3. Design Goals(設計目標)
UI改善の目的を箇条書きで。
Example:
- Reduce cognitive load by simplifying layout
- Improve visual hierarchy to prioritize urgent alerts
- Enable faster navigation for power users
4. Solution & Design Rationale(解決策と設計意図)
どう設計し、その理由は何かを具体的に。
Example:
“Grouped related metrics into collapsible panels to reduce visual noise, applied consistent color coding for status levels, and introduced a modular layout adaptable to different screen sizes.”
5. Outcome & Impact(成果)
成果を定量・定性で示す。
Example:
“Reduced average time-to-detect critical issues by 35%, based on internal user feedback and incident response logs.”
6. Visuals + Captions(ビジュアルと説明文)
スクリーンショットに短い説明をつける。
Example Caption:
“Before: Flat layout with no grouping. After: Categorized metrics with collapsible panels and color hierarchy.”
7. Reflection & Next Steps(振り返りと次の課題)
改善後も残った課題や学びを簡潔に。
Example:
“While the redesign improved discoverability, further optimization is needed for mobile responsiveness.”
このテンプレを使うと、スクリーンショットに「設計意図」が乗り、英語圏の採用担当者が求める“UI設計者の価値”が一目で伝わるポートフォリオになります。
英語レジュメへの落とし込みと応募で響くキーワード集
ポートフォリオで見せたUI設計事例を、**英語レジュメ(CV / Resume)**に反映させるには、
採用担当が一瞬で「あなたの強み」を理解できる文章構造が必要です。
1. レジュメでの書き方例(WPF UI設計案件)
Before(ありがちな書き方)
Developed WPF applications for internal use.
After(採用担当が評価しやすい書き方)
Led UI/UX design for a WPF-based enterprise dashboard, optimizing information architecture and visual hierarchy. Reduced average incident detection time by 35% through improved layout, color coding, and component grouping.
✅ 改善ポイント
- 「何をしたか」だけでなく「なぜ」や「成果」をセットで書く
- 数値や具体的な改善効果を入れる(%や秒数は特に響く)
- 使用技術(WPF / MVVM / XAMLなど)も必ず明記
2. 英語圏で響くキーワード例(UI設計/WPF向け)
| カテゴリ | キーワード例 | 採用担当の印象 |
|---|---|---|
| UI設計手法 | Information Architecture, Visual Hierarchy, Interaction Design, Responsive Layout, Accessibility Compliance | 設計工程を理解している |
| 技術要素 | WPF, XAML, MVVM, Data Binding, Control Templates, Custom Styles, Resource Dictionaries | 実装力がある |
| 成果・効果 | Reduced cognitive load, Improved discoverability, Increased task efficiency, Minimized error rates | ビジネス価値を出せる |
| チーム連携 | Cross-functional collaboration, Agile/Scrum, Stakeholder alignment, User feedback integration | チーム内で動ける |
3. 応募前チェックリスト
- ポートフォリオURLをレジュメ上部に記載
- 各プロジェクト説明に成果と数値を入れたか
- 英語表現が「過去形」「能動態」になっているか
- 技術スキル欄にフレームワーク+関連技術を記載
- UI設計の意図と効果が一目でわかる構造か

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