「学び直しのスイッチ:脳はスーパーコンピュータだと知ったとき、僕の海外エンジニア人生が変わった」

「Forget everything you thought you knew about learning.」
このフレーズ、最初に読んだときに頭をガツンと殴られた気分になった。僕はずっと、学ぶっていうのは「時間をかけて」「反復して」「根性で」っていう昭和スタイルが正解だと信じて疑わなかったからだ。特に海外でエンジニアとして働きはじめたばかりのころ、英語も文化も、技術的なトレンドすらも、全部が自分にとって「追いつくだけで精一杯」の対象だった。

C# WPFの設計開発をやってきた僕にとって、コードを書くことやUIの設計をすることはある程度慣れていた。でも、海外に出た瞬間、そこに待っていたのは「技術力だけじゃ勝負にならない」現実だった。会議で意見を言うにも英語力が足りない。プロジェクトの進め方も日本と違う。設計レビューの文化もまるで別物。自分の「学び方」が根本的に間違っているんじゃないかって思う瞬間が何度もあった。

たとえば、最初のプロジェクト。ある金融系のクライアント向けにWPFベースのデスクトップアプリを開発していたときのことだ。設計レビューで、自分が描いたアーキテクチャ図をチームに説明しようとしたら、英語での説明がうまくできなくて、ただスライドを読み上げているだけになってしまった。すると、同僚から「So what’s the trade-off?」と質問が飛んできた。その瞬間、頭が真っ白。トレードオフ? 頭の中では「いや、ちゃんと考えたよ。でもそれを英語で説明する言葉が出てこない!」という葛藤が渦巻いた。

その日の帰り道、オフィスからアパートまで歩きながら、ずっと自己嫌悪していた。「自分は日本でそれなりに経験を積んできたのに、ここに来たら“学ぶこと”の基本からやり直しじゃないか」。本当に心が折れそうになった。

でも、そこで出会ったのが「脳はスーパーコンピュータ」という考え方だった。要するに、多くの人は脳のポテンシャルを1割も使っていない、という話だ。それを聞いたとき、僕の中でひとつのスイッチが入った。「自分の脳を今のまま“受け身の学習マシン”として使うんじゃなくて、“自分で最適化できるシステム”として扱えばいいんじゃないか?」と。

つまり、これまでは「暗記と反復」という旧世代OSのまま走らせていた学習を、「効率と仕組み化」でアップデートする必要があるんじゃないか。実際、海外で働く中で僕が気づいたのは、英語も、新しいフレームワークも、コミュニケーションの型も、“やり方次第で爆速に身につく”ということだった。

たとえば、僕は当時「TEDのプレゼンを丸暗記して英語を覚えよう」としていた。でも、それはめちゃくちゃ非効率だった。何十回も同じフレーズを繰り返しても、実際の会議で口から出てくることはほとんどなかった。それよりも、同僚がよく使うフレーズをチャットからコピペして、自分なりにちょっと変えて使ってみる方が圧倒的に早く身についた。これって「データセットを膨大に学習する」よりも「頻出データを最適化する」方が効果的って話で、まさにスーパーコンピュータのキャッシュ戦略みたいなものだと思う。

この気づきがなかったら、僕はいまだに「英語は苦手だから仕方ない」「海外のやり方は合わない」と言い訳して、技術のことだけに逃げ込んでいたかもしれない。

学び方を変えることは、自分のキャリアそのものを変えることに直結する。海外でのエンジニア生活は、言語・文化・技術のアップデートが同時進行で襲ってくる。だからこそ、「脳をどう使うか」「どう学ぶか」をチューニングすることが、実は最強の武器になる。

次のセクション(承)では、僕が実際に試した「学び方をチューニングする具体的な戦略」を紹介していく。言語の壁も、文化のギャップも、ただの“入力データ”に変えてしまう方法だ。

学び方を“アップデート”するという発想

「脳はスーパーコンピュータ」っていう考えに出会ってから、僕の中で「学ぶ」ことの意味がガラッと変わった。今までの僕は、勉強するって聞くと「机に向かって長時間やる」「単語帳やリファレンスを丸暗記する」「失敗しないように準備万端にしてから挑む」みたいな発想しかなかった。でも、それって実際の海外エンジニア生活ではまったく通用しない。

なぜかというと、インプットにかける時間よりも、アウトプットの速度が問われるからだ。
プロジェクトは待ってくれない。ミーティングで黙っていたら「意見がない人」になってしまう。レビューで自分の設計を説明できなければ「技術的に弱い人」だと思われてしまう。要するに、「学んでから使う」じゃなくて「使いながら学ぶ」がデフォルトになる。

そこで僕が取り入れたのが、いわば「スーパーコンピュータ流の学習ハック」だ。


1. アウトプット・ファースト

海外に出て最初に気づいたのは、完璧を目指してから発言すると永遠に発言できないということ。
僕は最初、英語で発表するとき「正しい文法で言わなきゃ」「ネイティブっぽい表現にしなきゃ」と思っていた。結果、頭の中でぐるぐる考えているうちに、議論が次に進んでしまい、結局何も言えずに終わることが多かった。

でもある日、思い切って「不完全でもいいから一言だけ言う」を徹底してみた。たとえば、設計レビューで「We should consider performance here.」だけ言う。すると、不思議なことにそれで会話が回りはじめるんだ。チームメンバーが「Good point, can you explain why?」と聞いてくれる。その流れに乗って、単語を並べるだけでも追加で説明できる。

つまり、“出す”ことで相手が“引き出して”くれる。これってインタラクティブなデバッグみたいなもので、コードを書いてコンパイルしてエラーが出て、そこから直す方が早いのと同じ。


2. 仕組み化学習:キャッシュを作る

次に僕が取り入れたのは「よく使うパターンをキャッシュ化する」ことだ。
英語だって、設計レビューだって、日常的に出てくるフレーズやロジックは限られている。全部を覚える必要はない。

例えば、同僚がよく使うフレーズをメモして、自分の「即答フレーズ集」を作った。

  • 「The trade-off here is …」
  • 「From a performance perspective, …」
  • 「It depends on …」

これをチャットやメールでまずはコピペして使ってみる。すると自然に口から出るようになる。これはプログラミングで言えば「ライブラリ化」みたいなものだ。毎回ゼロからコーディングする必要はなく、使い回せるコードを呼び出す方が効率がいい。


3. エラー駆動学習

もうひとつ僕が実践したのが「失敗ベースで学ぶ」という考え方。
普通、勉強って「正解を覚える」ことにフォーカスしがちだけど、実際の海外現場では失敗から得られる学びの方が大きい。

たとえば、あるとき「依存関係の分離」について議論していたとき、僕は「decoupling」という単語が出てこなくて、「separating modules」とか「making modules independent」と回りくどい説明をした。すると同僚が「Oh, you mean decoupling.」と自然に言い直してくれた。この瞬間、「あ、これが正しい言い方か」と一発で記憶に残る。

つまり、エラーは学習ログだ。コンパイルエラーを嫌う人はいないよね?それと同じで、間違いはむしろ最速で学びを刻んでくれる。


4. 学びを“プロジェクト”化する

もう一つ大事なのは、「学習を抽象的な目標にしない」こと。
「英語を上達させたい」とか「もっと設計力を高めたい」とかだと漠然としすぎる。だから僕は、学習そのものをプロジェクトとして扱った。

例を挙げると、当時「レビューで自分の設計を5分で説明できるようになる」というプロジェクトを作った。ゴールが明確だから、逆算して「よく使う設計用語を50個ピックアップする」「週に1回、同僚にダミー発表をする」みたいにタスク化できる。これはまさにソフトウェア開発のプロジェクト管理と同じで、タスク分解+イテレーションが効く。


学びの“アップデート”が与えた変化

これらの戦略を取り入れたことで、僕の海外エンジニア生活は明らかに変わった。

  • 会議で沈黙することが減った
  • 英語のフレーズが自然に口から出るようになった
  • 設計レビューで「トレードオフ」を議論できるようになった
  • 何より、「学ぶことが楽しい」と思えるようになった

「脳はスーパーコンピュータ」という言葉は、単なる比喩じゃない。僕にとっては「自分の使い方を変えれば結果は変わる」という実体験そのものだった。

学び方を変えると、キャリアの景色も変わる

アウトプット・ファースト、キャッシュ化、エラー駆動学習、プロジェクト化。こうした「スーパーコンピュータ流の学び方」を試していく中で、僕の中でいちばん大きく変わったのは、**「自己評価」と「チームからの評価」**だった。

以前の僕は「海外にいるけど、自分は英語も文化もまだまだで、迷惑をかけないように…」という思考回路だった。つまり、自分を小さく見積もっていたんだ。
でも、アウトプット・ファーストでとにかく一言でも言うようになってから、「あ、hiroは意見を持ってる人だな」と見られるようになった。実際、レビューやディスカッションで名前を呼ばれる頻度が明らかに増えた。

これがキャリアにどうつながったか?

  • プロジェクトの中で「設計レビューのファシリテーター」を任されるようになった
  • 新しいモジュールのアーキテクチャ設計をリードできるようになった
  • 他チームのメンバーから「相談役」として声をかけてもらえるようになった

つまり、「英語が下手だから」と自分で制限をかけていた枠を外したことで、チャンスが広がったんだ。


「忘れる勇気」の大切さ

でも正直に言うと、このプロセスでいちばん難しかったのは、「新しい学びを取り入れること」じゃなくて「古い学び方を捨てること」だった。

たとえば、僕はずっと「完璧に準備してから挑む」という日本的な価値観を持っていた。
学生時代も、仕事を始めた頃も、レビュー前は夜遅くまで資料を作り込んで、「これなら突っ込まれないだろう」という状態にしてから挑むのが普通だった。

でも海外に出たら、それが逆に仇になることが多かった。なぜなら、**レビューは「完成品を見せる場」じゃなくて「途中を議論する場」**だからだ。完璧に作り込んでから見せると、「なぜ早く相談しなかったんだ?」と言われる。

この価値観のギャップに気づいたとき、自分の中でめちゃくちゃ抵抗があった。「いや、未完成のものを見せるなんて恥ずかしい」「準備不足だと思われたらどうしよう」って。
でも、そこで思い切って「完璧にしないまま持っていく」を実験してみた。

あるとき、まだ半分しかできていない設計図をレビューに出して、「ここから先のアプローチについて意見が欲しい」と言った。するとチームが一気にアイデアを出してくれて、最終的には自分が考えていたよりも遥かに良い設計になった。

この経験から、「古いやり方にしがみついていたら、学びのチャンスもキャリアの成長も閉ざしてしまう」ことに気づいた。要するに、新しいことをインストールするためには、古いOSをアンインストールする勇気が必要なんだ。


「失敗を見せる」ことで信頼が生まれる

もう一つ予想外だったのは、「失敗や未完成をさらけ出すと信頼される」ということ。

日本にいた頃は「失敗=信用を失う」と思っていた。でも海外では、むしろ逆だった。
ある日、英語でのプレゼン中に言葉が詰まってしまったことがあった。昔ならそこで「しまった、やっちゃった」と顔を真っ赤にしていたと思う。でもそのときは、「Sorry, let me rephrase.」と言って深呼吸し、言い直した。

その後、同僚が「I like how you handled that.」と言ってくれた。失敗を隠さず、むしろオープンに扱う方が「こいつは信用できる」と思われる。
つまり、失敗を恐れて準備しすぎるよりも、失敗を前提に進めた方が結果的に評価が上がるんだ。


「学びの速度」が武器になる瞬間

こうして学び方をアップデートしていくうちに、もう一つ気づいたことがある。
それは、学習速度そのものが武器になるということ。

海外の現場では、新しい技術やツールの導入がとにかく速い。ある日突然「来月からUIフレームワークを切り替える」とか「クラウドのサービスを変更する」とかが決まる。最初は「え、また新しいの? まだ前のも理解できてないのに!」と焦った。

でも、「脳はスーパーコンピュータ」だと思えるようになってからは、「あ、これは自分のキャッシュを作るチャンスだ」と考えられるようになった。実際、僕は社内で新しいフレームワークを触るスピードが比較的早かったので、自然と「新技術のキャッチアップ役」みたいなポジションを得ることができた。

ここで感じたのは、**「知識量」じゃなくて「学びの速度」で勝負できる」ということだ。知識はググれば誰でも得られる。でも、新しいことを素早くキャッチして実践できる人は限られている。そこにこそ、海外エンジニアとしての差別化ポイントがある。


マインドセットの変化

まとめると、僕が「スーパーコンピュータ的学び方」にシフトしたことで得た最大の変化は、**「自己イメージのアップデート」**だった。

  • 英語が下手でも、発言できる自分
  • 未完成をさらけ出しても、信頼される自分
  • 新しい技術を早くキャッチして、周りにシェアできる自分

つまり、「学ぶこと」そのものが不安の種から、キャリアを切り拓く武器に変わった。

このプロセスを振り返って思うのは、**大事なのは「知識の多さ」じゃなくて「学び方そのものをアップデートする勇気」**だということ。

「学び方を変えること」はキャリアを変えること

ここまで振り返ってきた通り、僕が海外で働き始めたころは「自分には英語力も自信も足りない」「文化の違いに対応できない」と思い込んでいた。まさに「学びの壁」にぶつかっていたんだ。

でも、そこで「脳はスーパーコンピュータ」という視点を得て、学び方そのものをチューニングし始めたら、景色がガラッと変わった。

  • 完璧を目指すより、アウトプットを優先する
  • 知識を全部覚えるより、キャッシュ化して使い回す
  • 失敗を恐れるより、エラーを学びに変える
  • 抽象的な勉強より、プロジェクト化して目的に直結させる

この切り替えによって、僕の中で「学び」は義務ではなく、キャリアを推進するエンジンになった。

そして気づいたのは、海外で生き残るのに必要なのは、最初から完璧なスキルじゃなくて、“学び方をアップデートし続ける力”だということだ。


あなたの脳はまだ眠っている

もしこれを読んでいるあなたが「自分の英語はまだ不安」「海外の現場でやっていけるか心配」と感じているなら、声を大にして伝えたい。
**「それ、ぜんぶ学び方次第で変えられる」**ってこと。

僕だって最初は「Yes」しか言えない人間だったし、レビューでは頭が真っ白になって無言で立ち尽くしたこともある。でも、学び方を変えたら、少しずつ言葉が出るようになり、気づけばチームの議論をリードできるまでになった。

つまり、あなたの脳にはまだまだ余力がある。いや、ほとんどの人はそのポテンシャルを使えていない。スーパーコンピュータをワープロ専用機みたいにしか動かしていないんだ。

だからこそ、これから海外に出るなら「新しい知識を詰め込むこと」よりも「自分の学び方を変えること」にフォーカスしてほしい。


「忘れる」ことで未来が開ける

もう一つ大事なのは、転の部分でも触れた「忘れる勇気」だ。
僕たちはどうしても、これまでの経験ややり方にしがみついてしまう。特に日本的な教育や職場で染みついた「正確さ」「準備万端」「失敗しないこと」という価値観は、知らないうちに自分を縛っている。

でも、海外に出てから僕が学んだのは、**「それを一度忘れた方が、もっと遠くに行ける」**ということ。

  • 完璧に準備してから挑む、という習慣を忘れる
  • 失敗を恥と考える価値観を忘れる
  • 自分は“英語が苦手な人”というラベルを忘れる

忘れるからこそ、新しい学び方をインストールできる。古い常識を削除するからこそ、脳のリソースを新しい挑戦に割ける。これはまさに「システムのアップデート」と同じだ。


海外で働くあなたへ

最後に、これから海外で働こうとするエンジニアに伝えたいことがある。

海外での仕事は、確かにしんどい。
言葉が通じない。文化が違う。会議では一瞬で話題が切り替わり、気づけば置いていかれる。僕も何度も「ここにいるべきじゃないのかもしれない」と思った。

でも、そのたびに思い出してほしい。
あなたの脳はスーパーコンピュータで、まだ本気を出していない。

  • 言葉が出てこなくても、一言だけアウトプットする
  • 使えるフレーズをキャッシュ化して、即座に呼び出す
  • 失敗したら、それを学習ログとして記録する
  • 学びをプロジェクトにして、小さな成功体験を積む

この繰り返しで、必ず加速度的に成長できる。

そして、気づいたときには、あなたはもう「海外でやっていけるか?」と不安を抱えていた頃の自分を忘れているはずだ。代わりに、「次に何を学ぼうか」とワクワクしている自分がいる。


まとめ

海外で働くエンジニアとして僕が実感したのは、**「学び方を変えることは、キャリアを変えること」**という真実だ。
脳はスーパーコンピュータ。古いやり方を忘れて、新しい学び方をインストールすれば、想像以上のスピードで成長できる。

だからどうか、勇気を持って「忘れること」「試すこと」「失敗すること」を楽しんでほしい。
あなたの学びのアップデートが、必ずあなたのキャリアを次のステージに押し上げてくれるから。

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