「人生のビルドが通らない?」海外エンジニアが実践する、24時間を自動化する『生活のCI/CD』のススメ

海外でC# / WPFエンジニアとして働きながら、日々の「生活」という名の巨大なプロジェクトをどうメンテナンスしていくか。僕が海外の荒波に揉まれる中で辿り着いた、エンジニアらしい人生のハック術についてお話しします。


なぜ僕らのメンタルは「デプロイ前」のように常にパンクしているのか

ハロー!海外でC# / WPFをメインに、デスクトップアプリの設計開発をやっているエンジニアです。皆さんは、日々こんな感覚に陥ったことはありませんか?

「仕事のコードは綺麗に整理できているのに、自分の生活はスパゲッティコードみたいにぐちゃぐちゃだ……」

海外でエンジニアとして働き始めると、ぶつかる壁は技術だけではありません。ビザの更新、複雑な現地の税金システム、そして時差を超えて飛んでくる連絡。これらが、仕事の「高レベルな設計業務」の合間に、割り込み処理(Interrupt)として容赦なく差し込んできます。

[図解1:エンジニアの脳内リソース割り当てイメージ]

  • (左) 理想: 開発業務(80%)、休息(20%)のクリーンなスタック
  • (右) 現実: 開発業務の隙間に「ビザ」「家賃」「時差」などの割り込み(Interrupt)が乱立し、メインスレッドがフリーズ(デッドロック)している図

脳内の「コンテキストスイッチ」という隠れたコスト

C#のマルチスレッドプログラミングと同様、人間の脳も切り替え(コンテキストスイッチ)にはコストがかかります。「WPFのデータバインディングのバグを直そう」と集中した瞬間に「電気代の支払い」を思い出すと、思考のスタックが崩れ落ちます。

そこで提唱したいのが、**「CI/CD for Your Daily Life」**という考え方です。


生活のCI(継続的インテグレーション):情報の「マージ衝突」を防ぐ

生活におけるCI(継続的インテグレーション)の目的は、**「やるべきことを溜め込まず、日々少しずつスケジュール(メインブランチ)に統合し、破綻がないかを確認し続けること」**です。

1. 「脳内ブランチ」を禁止し、Single Source of Truthを確立する

情報の分散はコンフリクトの元です。思いついた瞬間にツールへ「Push」し、脳を「ストレージ」ではなく「プロセッサ」として使いましょう。

  • カレンダー: 時間を拘束するものすべて
  • タスク管理ツール: やるべきことすべて

2. 「アトミック・コミット」の原則

巨大なタスクは心理的なマージ拒否を起こします。タスクを極限まで小さく、アトミックに細分化しましょう。

[図解2:タスクの細分化(アトミック・コミット)の例]

  • 「ビザ更新」という巨大なコミット(1000行の変更)
  • ↓ リファクタリング
  • 「URLブックマーク」「PDFダウンロード」「写真撮影」という小分けのコミット(10行ずつの変更)

3. 「インテグレーション・テスト」としてのデイリー・レビュー

毎晩寝る前に5分、「明日の自分のリソースでビルドが通るか」を検証します。予定を無理に詰め込みすぎていないか、タスク同士が競合していないかを確認し、エラーがあればその場でリスケジュール(リベース)します。


生活のCD(継続的デプロイ):雑務を自動化し、脳の「空きリソース」を確保する

整理したタスクを、いかに「自分の意志力を使わずに」実行まで持っていくか。C#エンジニアらしく、生活のボイラープレートな雑務を徹底的に自動化しましょう。

1. 金融のデプロイ:Autopayの強制マージ

支払いの「手動デプロイ」はストレスの元です。家賃や公共料金はすべて自動引き落としに設定。自動化できない請求書があれば、メール受信時に自動でタスク生成されるようパイプラインを組みます。

2. インボックスのデプロイ:メールは「読む前」に処理する

受信トレイをパケットフィルタリングします。

  • 自分の名前がない通知は専用フォルダへ
  • 領収書は自動でクラウドへ転送
  • 不要なプロモーションは即座に削除

3. 健康とルーチンのデプロイ:スマートホームという名の「スケジューラ」

ルーチンを「Cronジョブ」化します。

  • 夜22時: 自動消灯(就寝シグナル)
  • 朝: コーヒーメーカーが自動稼働
  • Apple Watch: 「座りすぎ警告(ビルドエラー)」の発出

[図解3:生活のCI/CDパイプライン図]

  • 入力(メール・通知・予定) → フィルタリング → 自動化(CD) → 出力(クリーンな時間・深い集中)

自動化の先にあるもの:海外で生き抜くための「高価値」なアウトプット

自動化は目的ではありません。真の目的は、空いたリソースを使って**「君にしかできない、高付加価値なアウトプット」**を生み出すことにあります。

海外の実力主義の現場はシンプルです。「君は何をデプロイし、ビジネスにどんな価値をもたらしたか?」を問われます。生活をCI/CD化するのは、あなたが**ディープ・ワーク(深い集中)**に没頭できる時間を、強制的に作り出すためなのです。

確保したリソースをどこに「投資」するか

  1. アーキテクチャの深掘り: 長期メンテナンス可能な設計を考える。
  2. 現地の文化と人脈へのダイブ: 英語で異国のエンジニアと語り合う余裕を持つ。
  3. 自分だけの資産の構築: 経験を言語化し、発信する。

最後に:24時間は、君が設計する「最高のプロダクト」だ

生活の基盤が強固なパイプラインで守られていれば、海外という未知のバグだらけの環境でも冷静に対処できます。まずは今日届いたそのメールをフィルタリングすることから、人生の「継続的な改善(Continuous Improvement)」を始めてみませんか?

Happy Life-Engineering!

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