- そもそも “シンプル” に設計するとは何か
- 分ける勇気とつなぐ設計 ― マイクロサービスを“動かす”ための思考法
- ◆ サブタイトル:分けることは、切り離すことじゃない
- ◆ サブタイトル:サービス境界の見極め方 ― “ビジネスの言葉”で線を引け
- ◆ サブタイトル:つなぐ技術 ― REST, gRPC, Messaging Queue の選び方
- ◆ サブタイトル:分散しても“一貫性”を守る工夫
- ◆ サブタイトル:複雑さを“構造で抑える”という考え方
- 複雑さとの戦い ― マイクロサービスが“理想から現実”に変わる瞬間
- ◆ サブタイトル:理想と現実のギャップ ― “マイクロ”のはずが“メガサービス”に
- ◆ サブタイトル:チーム間の壁 ― “組織構造がそのままアーキテクチャに現れる”
- ◆ サブタイトル:通信の爆発 ― “パフォーマンス劣化”という落とし穴
- ◆ サブタイトル:最終的にたどり着いた“シンプルの本質”
- シンプルを守る勇気 〜変化に耐えるアーキテクチャを育てる〜
そもそも “シンプル” に設計するとは何か
海外で設計開発をしてきた僕(C#/WPFをメインとするバックエンド・UI設計者)が、最近改めて実感していることがある。それは――**「マイクロサービス」というワードを聞くだけで“複雑になるだろうな”と身構えてしまう、その前にまず“設計をシンプルに保つ”という視点を持とう」ということだ。今回は、その“起”として考えておきたいマインドと背景を、海外で働くエンジニア視点で語ってみたい。
なぜ「シンプル」が大事なのか
まず、そもそも「マイクロサービス設計でシンプルに保つ」って何だろう? ということを整理しよう。世の中には「マイクロサービス最高!」「すべてをサービス化しよう!」という議論もあれば、「いや、マイクロサービスにしたらむしろ犠牲も多いよ」という慎重論もある。実際、最近の解説では「マイクロサービスは万能薬ではない(No Free Lunch)」という指摘も出ています。 (arXiv)
では、設計をシンプルに保つとはどういうことか?
・サービス(マイクロサービス)の責任を明確に保つこと(つまり“こいつはこれをやる”という役割をシンプルに)。 (Semaphore)
・サービス間の結合をゆるく、独立にしておくこと。 (microservices.io)
・データ管理、通信パターン、デプロイ/スケーリングの戦略を、無理なく保守できるレベルに設計しておくこと。 (vFunction)
特に海外/多文化な開発環境では、伝達コスト・共通認識を作るコスト・サポート体制などが“地理的・時間帯的”な制約を持つことも多い。だからこそ、「設計が複雑で誰も追いかけられない」状態=リスクに直結しやすい。そこで、「シンプルに保つ」ことがより重要になるのだ。
海外で働くC#/WPFエンジニアとして意識すべきポイント
僕がWPF/C#を使ってUIから設計・開発をしていた時にも、モノリシックな設計、UI層・バックエンド層・データ層がどんどん絡み合ってしまい、「ちょっと変更したらマルチモジュールが影響を受ける…」という経験をした。海外の環境では、「仕様の微妙な違い」「英語でのコミュニケーション」「複数拠点にまたがるチーム」など、設計がクリアでないと“迷子”になる要因がたくさんある。
たとえば:
- 「このUIイベントが起きたらバックエンドのどのサービスを呼べばいいのか」 → ぼやけていると、ドキュメント確認・問い合わせで手間が増える。
- 「この機能の変更で、別のサービスのデータに影響が出るのでは?」という疑念が常につきまとう。
- 多拠点/時差チームでは「なんでこのサービスがこう動いてるんだ?」という問いが生まれると、即時対応/昼会議がつかえるわけではない。
そういう観点で、「シンプルに設計しておく」ことが、日々の“迷走”を防ぐ盾になってくれる。特にマイクロサービスのように“分散・独立”を謳う設計ほど、逆に“分散しすぎて誰も理解しきれない”状態に陥る可能性があるからだ。
“シンプル”のためにまず抑えたい“つかみ”
では、具体的に「この設計シンプルだな」と感じられるための最初のつかみとして、僕の経験をもとに3つの観点を紹介する:
- 役割分離(Single Responsibility for Service)
各サービスが「自分のビジネス機能」を担っており、他の機能と混ざっていない状態。多くの“ベストプラクティス”で最初に出てくる項目です。 (osohq.com) - サービスの独立性とチームの自律性
サービスが独立してデプロイできたり、チームが他のチームに依存せず作業できる設計。海外で働く際には“誰かが海外時間で対応してくれる”という甘えが通じないことも多いので、自律性=リスク低減にもつながります。 (microservices.io) - 通信とデータのやりとりを意識した設計
サービス間でどう通信するか(同期/非同期)、データはどう分散/整合性を保つか。これを初期段階で“ざっくり設計”しておくことで後から無駄な議論を防げます。 (vFunction)
これら3つを「設計をシンプルに保つための“足場”」として、今日から少しでも意識を向けてほしい。あくまで“起”なので、次回以降で「通信パターンをどう選ぶか/データ整合性をどう担保するか/ベストプラクティスの落とし穴」などを深掘りします。でも、まずこの“土台”を固めておくことで、次の話が入ってきやすくなります。
分ける勇気とつなぐ設計 ― マイクロサービスを“動かす”ための思考法
「起」では、“シンプルに設計することの重要性”をお話ししました。
ここから「承」として、実際にどうやってシンプルさを保ちつつ、マイクロサービスを設計していくのか――その中核となる「分け方」と「つなぎ方」について、僕の実体験を交えながら掘り下げていきます。
◆ サブタイトル:分けることは、切り離すことじゃない
マイクロサービス設計を学び始めたとき、最初に誰もがぶつかるのがこの壁です。
「どこまでを分けるべきなのか?」
「分けすぎると管理が大変にならない?」
これは、実際に僕が海外で設計レビューに参加していたときにも、頻繁に議論されたテーマでした。
特に英語圏のチームでは「Decouple(疎結合)」という言葉がよく出てくるのですが、Decouple=完全に切り離すことではないんですよね。
正確に言うと、“相手の中身を知らなくてもやりとりできる関係”をつくることなんです。
たとえば、人間関係で言えば、
「相手の考えてること全部知らなくても、“これお願い”で通じる関係」
これが理想のチーム関係ですよね(笑)
システム設計も同じ。
「このAPIを叩けばこの結果が返ってくる」と決まっていれば、内部がどう動いていようが関係ない。
それが“よい分け方”です。
◆ サブタイトル:サービス境界の見極め方 ― “ビジネスの言葉”で線を引け
僕が最初にマイクロサービスを設計したとき、つい“技術的な構成”でサービスを分けようとして失敗しました。
- 「ユーザー管理」
- 「ログ管理」
- 「認証」
- 「画面設定」
一見まともに見える構成なんですが、ビジネスロジックがあちこちに散ってしまったんです。
たとえば「ユーザーが初回ログインしたときに、初期設定を作成する」という処理が、3つのサービスを跨いで存在してしまい、結果的に“どこを直せばいいか分からない”状態になった。
ここで学んだのは、サービスの境界は技術単位ではなく「ビジネス単位」で区切るべきだということ。
つまり、「このサービスは“何を実現するための存在か”」を明確に定義する。
「ユーザー初期化サービス」「課金処理サービス」「レコメンドサービス」など、ビジネスの言葉で名前をつけると、チーム全員が目的を共有しやすくなります。
この考え方は、海外でもよく言われる「Bounded Context(境界づけられた文脈)」というDDD(ドメイン駆動設計)の基本原則に通じます。
参考:microservices.io – Bounded Context Pattern
◆ サブタイトル:つなぐ技術 ― REST, gRPC, Messaging Queue の選び方
分けたら、次は「どうやってつなぐか」です。
マイクロサービスの世界では、通信パターンをどう選ぶかでアーキテクチャの安定性が決まります。
ここで、僕が実際のプロジェクトで学んだ「通信選択のリアルな判断基準」を紹介します。
| 通信方式 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| REST API | 一番ポピュラー。HTTP/JSON。シンプルでツールも豊富。 | 外部公開API、軽いリクエスト応答、他言語連携 |
| gRPC | バイナリ通信。高速・型安全。C#との相性が良い。 | 内部サービス間通信、大量リクエスト処理 |
| Message Queue(Kafka / RabbitMQ など) | 非同期通信。疎結合で、送信側は応答を待たない。 | イベント駆動設計、スケーラブルなシステム |
僕が担当したプロジェクトでは、
「外部API → REST」「内部サービス → gRPC」「非同期イベント処理 → RabbitMQ」
という組み合わせが最も安定しました。
海外チームとの協業では、通信仕様を明文化しておくことが極めて重要です。
英語で「I thought this endpoint would return 200, but it returns 404…」みたいなやりとりが増えると、それだけで時間を食われます(笑)
仕様ドキュメントを整備し、OpenAPI(Swagger)で自動化できる環境を作ることが、地味だけど“チームの幸福度”を上げるポイントです。
◆ サブタイトル:分散しても“一貫性”を守る工夫
マイクロサービスの世界で一番難しいのが「データ整合性」です。
複数のサービスがそれぞれのデータベースを持つため、1つの処理が複数サービスを跨ぐことがあります。
たとえば、「ユーザーが商品を購入 → 決済サービス → 在庫サービス → 通知サービス」という流れ。
ここで途中のサービスが失敗したらどうするのか?
僕の経験では、以下の3つを意識するだけで、かなり運用が安定しました。
- トランザクションをまたがない設計にする(1サービス1DB原則)
- イベント駆動設計を導入し、処理を非同期で再試行できるようにする
- **補償トランザクション(Sagaパターン)**を考慮する
特に3番目のSagaパターンは、実際に海外のプロジェクトで重宝されました。
「もし途中で失敗したら、前段階を取り消すイベントを発行する」――この考え方が、データ整合性を現実的に保つ鍵です。
参考:Chris Richardson – Saga Pattern
◆ サブタイトル:複雑さを“構造で抑える”という考え方
ここまで紹介した内容をまとめると、こうなります。
- サービスはビジネス単位で分ける
- 通信方式は目的に応じて選ぶ
- データ整合性は「再試行できる設計」で守る
そして何より大事なのは、複雑さをゼロにすることではなく、“複雑さを構造でコントロールすること”。
シンプルな設計とは、「理解できる複雑さを保つ」ことなんです。
海外チームと仕事をしていると、ドキュメントの粒度や設計思想の違いがよく浮き彫りになります。
でも、どの国のエンジニアとも共通しているのは、
“複雑なものを誰でも理解できるように構造化する力”
です。
それこそが、シンプルな設計の本質だと感じます。
複雑さとの戦い ― マイクロサービスが“理想から現実”に変わる瞬間
「起」でシンプル設計の重要性を、「承」で分け方とつなぎ方の実践を紹介しました。
でも、実際にマイクロサービスを運用し始めると――理想はきれいに崩れます。
“サービスを分けたのに、逆に管理が大変になった”
“チーム間の連携が追いつかない”
“通信が増えて、システム全体が遅くなった”
ここからは、僕が実際の海外プロジェクトでぶつかった“落とし穴”と、それをどう乗り越えたかをリアルに紹介します。
きっと「これ、今まさにうちでも起きてる…!」と共感できるはずです。
◆ サブタイトル:理想と現実のギャップ ― “マイクロ”のはずが“メガサービス”に
マイクロサービス導入直後、僕のチームでは10個ほどの小さなサービスを設計していました。
ところが、開発が進むにつれ「この機能も必要」「このデータも共有したい」という要望が増え、いつの間にか依存関係がぐちゃぐちゃに。
気づけば、
- AサービスがBとCを呼び、
- BがCを参照し、
- CがまたAにイベントを返す…。
結果、デプロイするたびに全体を巻き込む“メガサービス”状態に。
このとき感じたのは、「分ける勇気」よりも「止める勇気」のほうが難しいということです。
マイクロサービス設計では、“分ける”よりも“これ以上は分けない”を判断するほうが大事。
特に海外のチームでは、それぞれの開発者が独立して動くため、誰も“全体の依存構造”を完全に把握できなくなります。
▶ 対策:依存関係を**「可視化」して、放置しない**
僕が導入したのは、Dependency Graph(依存関係マップ)。
GitHubやJetBrains系ツールには、マイクロサービスのAPI依存を自動でマッピングできる機能があります。
さらに、コードレビュー時に必ず次のチェックを入れました:
- 「この呼び出しは本当に必要か?」
- 「データを共有するより、イベント発行で済ませられないか?」
こうして、“分ける自由”よりも“つなぐ責任”をチーム全員で意識するようにしました。
◆ サブタイトル:チーム間の壁 ― “組織構造がそのままアーキテクチャに現れる”
これは、マイクロサービスを海外チームで進めるときに最もリアルな問題です。
“マイクロサービスの数だけ、チームが分かれる”
つまり、チーム間のコミュニケーション=サービス間の通信に直結するということ。
コンウェイの法則(Conway’s Law)ですね。
たとえば、僕が関わっていたイギリス本社+アジア開発拠点のプロジェクトでは、
「決済サービスはロンドン」「在庫サービスはシンガポール」「通知サービスは東京」みたいな分担をしていました。
結果どうなったか?
- 時差で同期的な打ち合わせが困難。
- 仕様変更がSlack経由で流れてこない。
- 誰が“どこまで”責任を持ってるか不明確。
これが積み重なって、“技術的なバグ”より“伝達ミス”が原因の障害が多発しました。
▶ 対策:“技術的境界”だけでなく“コミュニケーション境界”を設計する
僕たちは、単にサービス境界を明確にするだけでなく、
「このサービスに関する問い合わせ窓口」も明文化するようにしました。
- 「Billing Service → Owner: UK Team」
- 「Inventory Service → Owner: SG Team」
- 「Notification Service → Owner: JP Team」
これをドキュメントにし、API仕様書と同じリポジトリに格納。
「このサービスについて聞く相手がわからない」問題を撲滅しました。
また、全員が英語ネイティブではないため、**“伝える英語をテンプレート化”**したのも効果的でした。
たとえば、仕様変更リクエストの冒頭に以下の定型文を置く:
Change Request Summary
Purpose: (Why change is needed)
Impact: (Which services are affected)
Deadline: (When to deliver)
こうすることで、「伝え方の個人差」を減らせます。
◆ サブタイトル:通信の爆発 ― “パフォーマンス劣化”という落とし穴
もう一つ現実的な問題が、“通信地獄”です。
マイクロサービスを導入して1年後、システムログを見たら、
1つのユーザー操作で100以上の内部API呼び出しが発生していました。
これは僕が実際に関わった案件で、特にWPFクライアントからバックエンドを叩く構成では顕著でした。
UIの更新イベントが多く、毎回APIを再呼び出ししていたのです。
結果、
- 通信遅延
- ネットワークコスト増
- データ不整合のリスク増加
と、踏んだり蹴ったり。
▶ 対策1:Aggregated API(集約API)を設ける
複数のマイクロサービスを1回のリクエストで束ねる“ファサード層”を設計しました。
C#で言えば、Gateway Serviceを作って、
[HttpGet("dashboard")]
public async Task<DashboardData> GetDashboard()
{
var user = await _userClient.GetUserAsync();
var orders = await _orderClient.GetRecentOrdersAsync();
var notifications = await _notificationClient.GetUnreadAsync();
return new DashboardData(user, orders, notifications);
}
のように、UIが複数のAPIを直接叩かず、1回の呼び出しで全データを取得できる構造に変更。
これだけで通信回数を7分の1に削減できました。
▶ 対策2:キャッシュと非同期更新の導入
さらにRedisキャッシュを導入して、即時反映が不要なデータはキャッシュから返すように変更。
バックグラウンドジョブで更新イベントを処理し、ユーザー体験を損なわずにパフォーマンスを改善しました。
◆ サブタイトル:最終的にたどり着いた“シンプルの本質”
こうして紆余曲折を経て、僕が感じた結論はこうです。
マイクロサービスとは、構造を分ける技術ではなく、責任を分ける文化である。
どんなに綺麗な設計でも、
- 責任が曖昧
- 意思疎通が遅い
- 「自分の範囲外」と考える文化
この3つがある限り、システムはすぐ複雑化します。
逆に言えば、
- チームごとに責任を明確にする
- コミュニケーションを定型化する
- 仕様変更を“見える化”する
この3つを徹底すれば、どんなに分散した環境でも安定する。
これが、僕が海外で学んだ「シンプルに設計する」という言葉の真意です。
シンプルを守る勇気 〜変化に耐えるアーキテクチャを育てる〜
エンジニアとして海外で働いていると、プロジェクトの規模も、チームの構成も、日本とは大きく違う場面が多い。
マイクロサービスを導入している企業では、「スピード」「独立性」「拡張性」が重視される一方で、誰もが陥る共通の罠がある。
それが── “複雑さが増殖していくこと” だ。
■ マイクロサービスは「自由」ではなく「責任」
マイクロサービスを導入した当初、私は「これでチームごとに自由に動ける!」と感じていた。
確かに、開発スピードは最初こそ上がる。各チームが独自にAPIを定義し、必要な機能を素早くリリースできる。
しかし、数ヶ月も経つと、別の現実がやってきた。
- API仕様がチームごとに微妙に違う
- どのサービスがどのDBを参照しているのか追えない
- 依存関係がスパゲッティのように絡み合う
最終的には「このサービス、誰が作ったの?」という質問がSlackに流れ始めた。
それを見た時、私は痛感した。
マイクロサービスは“自由を与える設計”ではなく、“責任を伴う設計”なんだ、と。
■ シンプルを守るには「削る勇気」が必要
多くのエンジニアが、機能を追加することで問題を解決しようとする。
「じゃあ新しいAPIを作ればいい」「このケース用に別のサービスを立てよう」──。
でも、本当にそれで良いのか?
海外でのプロジェクト経験を通して気づいたのは、
“優れた設計とは、増やすことではなく、削ること”
だということ。
私が所属していたチームでは、半年に一度「Service Audit Day」という日を設けていた。
すべてのサービスを一覧にし、こう問いかける。
- このサービスはまだ必要か?
- 他のサービスと統合できないか?
- 誰も使っていないAPIはないか?
結果、毎回2〜3個のサービスが削除された。
削るたびに、デプロイ時間が短くなり、障害対応も減っていった。
“複雑さ”は自然には消えない。
意識的に「削る文化」を作ることが、シンプルさを維持する唯一の方法だ。
■ 変化を受け止める「柔軟な土台」
システムは生き物のように変化し続ける。
新しいビジネス要件、法改正、技術アップデート──。
完璧な設計を目指しても、1年後には必ず何かが変わっている。
だからこそ、私は「柔軟性を優先する設計」を信条にしている。
海外の同僚に教わった言葉がある。
“Don’t design for perfection. Design for change.”
(完璧を設計するな。変化に耐える設計をせよ。)
たとえば:
- DBスキーマを疎結合にしておく(外部キーよりイベント駆動で整合性を保つ)
- 新しいサービスを試験導入できる環境(Feature FlagやCanary Release)を整えておく
- コードレビューで「なぜこれを分離したのか」をチーム全員で理解しておく
こういった小さな“余白”が、後々大きな変化に対応する力になる。
■ 最後に:シンプルとは「意図が伝わる設計」
私がこれまで見てきた優れたエンジニアたちは、共通して「説明できる設計」をしていた。
どんなに複雑なシステムでも、「なぜこの構造にしたのか」を一言で言える。
それが“シンプル”の本質だと思う。
シンプルな設計とは、誰もが「なぜこうなっているか」を理解できる設計のこと。
もしあなたが、これから海外でマイクロサービスの設計を始めるなら、
「どんなに綺麗なアーキテクチャでも、チーム全員が理解できなければ失敗だ」と心に刻んでほしい。
コードはいつでも書き換えられる。
でも、設計思想はチーム文化として受け継がれる。
だからこそ、“シンプルで伝わる設計”を意識しよう。
それが、長く戦えるエンジニアの最大の武器になる。
💡まとめ:シンプルを育てる3つの心得
「意図を共有する」 — 設計思想をチームで理解・説明できる状態に保つ。
「削る勇気」を持つ — 増やすことよりも、手放すことを恐れない。
「変化に備える」 — 完璧ではなく、柔軟な構造を目指す。

コメント